2019年旧作映画ベスト

(1監督1本、初見)

1. 男の傷(アイヴァン・パッサー)

2.  ウィリーが凱旋するとき(ジョン・フォード)

3. 宵待草(神代辰巳)

4. 外国人よ、出て行け!(クリストフ・シュリンゲンジーフ)

5.  フラワーズ・オブ・シャンハイ(ホウ・シャオシェン)

6. トカレフ(阪本順治)

7. わるい仲間(ジャン・ユスターシュ)

8. サムシング・ワイルド(ジョナサン・デミ)

9. 破局(クロード・シャブロル)

10. トゥーラバーズ(ジェームズ・グレイ)

11. 福祉(フレデリック・ワイズマン)

12. 息もできない(ヤン・イクチュン)

13. 営倉(ジョナス・メカス)

14. 桜桃の味(アッバス・キアロスタミ)

15. ブリングリング(ソフィア・コッポラ)

16.  悦子のエロいい話(城定秀夫)

17. 地上の輝き(ギイ・ジル)

18. 火女82' (キム・ギヨン)

19 スピオーネ(フリッツ・ラング)

20. おもひでぽろぽろ(高畑勲)

次点. ズームアップ 暴行現場(小原宏裕)


例によって特集上映中心に観た一年。アテネ中原昌也白紙委任状特集で観た1が圧倒的ベスト。ラストの展開に痺れまくった。2は戦争に対するスタンスに驚き、常軌を逸した展開の連続に唖然としつつ笑った。3は神代全体でもトップ3には間違いなく入る好みの一本。あらゆる乗り物を乗り継ぐ荒唐無稽な物語は8にも通底。デミ映画は『スイング・シフト』、『メルヴィンとハワード』、『愛されちゃってマフィア』も素晴らしかったが今の気分で。4はあいちトリエンナーレの高山明作品絡みで下半期にも思い出した一作。日本ではどう工夫してもこうはならんだろうという激しさ。5、6、12はフィルメックスから。5は阿片吸引時の時間感覚の変容を再現したと思しき弛緩したリズムに感動。6は『鉄拳』の演技も印象深かった大和武士の殺気にやられた。7はほぼ全作観たユスターシュ特集の中で再見の『ママと娼婦』に勝るとも劣らない衝撃。他に『豚』もよかった。9は文芸坐シネマテークのシャブロル特集から。『一寸先は闇』と甲乙つけがたいが僅差でこちらを。今年の特集後半にも期待。10はつらいのにジョーカーにならなくて偉いと思った。11はワイズマン映画でも屈指の面白さ。15の吹っ切れ方を今更知り快哉。17は誰も似ている映画監督がいないと思っていた山戸祐希映画と時を超えたまさかのシンクロぶりを見せていてびっくり。18は『下女』続編の続編だがこれはこれで『パラサイト』に影響を与えている気が。20の異様な笑い皺、次点の死体置き場の光景も忘れがたい。

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