ミドルスーテッドコネクターって、どう戦えばいいの?(オリジナル篇①)

本日のトーナメント、♦9♦8が多分6回来ました。
「またお前か!」という感情を持つと同時に、「オープンハンドだとはわかっちゃいるが、どう戦えばいいのよ?」という思いが去来しました。最近、この「去来」という単語を知った、30代中年男性が、今日もポーカーの勉強をしていきます。

今回勉強するハンドの確認

今回、「ミドルスーテッドコネクター」について勉強したいと思います。
AKもコネクター、32もコネクター。どこからミドルということにしましょうか。
それぞれのコネクターの、オープンレンジから定義したいと思います。

いつも通り60BBのMMT想定で確認しつつも、スーコネを扱う以上、少しディープにして100BBの場合のオープンレンジも両方確認したいと思います。

■100BB持ちの場合(8Max、頻度50%以下はオープンしないという簡易的な記述)
・AKs:UTGからオープン
・KQs:UTGからオープン
・QJs:UTGからオープン
・JTs:UTGからオープン
・T9s:UTGからオープン
・98s:UTG54%オープン、+1オープン
・87s:+1から53%オープン、LJ61%オープン、HJオープン
・76s:HJからオープン
・65s:HJからオープン
・54s:HJから50%オープン、COオープン
・43s:BTNオープン
・32s:SBリンプ

■60BB持ちの場合(8Max、頻度50%以下はオープンしないという簡易的な記述)
・AKs:UTGからオープン
・KQs:UTGからオープン
・QJs:UTGからオープン
・JTs:UTGからオープン
・T9s:UTGからオープン
・98s:UTG59%オープン、+1オープン
・87s:LJ91%オープン、HJオープン
・76s:HJからオープン
・65s:HJから87%オープン、COオープン
・54s:COオープン
・43s:SBリンプ
・32s:SBリンプ

特徴的だったスーコネだけ太字にしました。

87sは100BBあるなら+1からでもオープンですが60BBしかないならLJからオープンです。
65sはHJからのオープン頻度が60BBでは100%→87%に減少。
54sも60BBならHJオープンはなくなりCOからオープン。
43sもSBからの扱いです。

まずこれだけでも、エフェクティブスタックが下がったなら、少しタイトに調整する傾向が見えてきました。
せっかくなので「ミドルポジションからオープンするハンド」をミドルのスーコネという定義にここではしてしまい、今回は87s、76s、65sの3ハンドを勉強していきたいと思います。

また、エフェクティブスタックは、スーコネならディープで勉強したほうがいいとはわかっていながらも、ハウストーナメントで頻出となるような60BBでお送りしたいと思います。

VS BB

それではさっそく自分がHJ、相手がBBだった時の検討をしていきたいと思います。
まず最初に、お互いのレンジを確認しましょう。

LJのオープンに対してBBはコール57%、フォールド34%、そしてレイズが8.9%です。

BBにレイズされたら?

一番頻度は少ないものの、一番されたら困る「BBからのレイズ」に対してLJのミドルスーコネは、
 ・87s:コール43.0%、フォールド57.0%
 ・76s:コール38.4%、フォールド61.6%
 ・65s:コール1.1%、フォールド98.9%
以上の通り、基本的にはフォールドしておけばOK、な感じでした。

ええ、自分でしたら全部コールしてます。
3betまではオープンした以上ついていく漢、こばやしです。

BBコール後のフロップ

めでたく、BBにはレイズを返されなかった世界線を勉強していきましょう。

BBからしたら自分のハンドはAAかもしれないし、A8o、K4s、22、そして65sとかかもしれません。
またここではBBからはドンクを打たれなかった場合のボードを検証したいと思います。
どんなボードだとBBのドンクベットが出てくるのかについては、過去記事をご参照ください。

HJのフロップアクション

全体的に74%頻度で少なからずベットするのが、そもそもLJでした。
じゃあ、われらが87s以下のハンドは、ベットするハンドなのか、それともチェックに回すハンドなのか?
ここからは具体的なボードで見ていきましょう。

AK2レインボー

最初はAK2レインボーを見ていきましょう。

なぜこのボードを選んだか。このボードは「Aハイのボードの中で、チェックもオーバーベットもどちらもありうるボード」だという理解をしているからです。

図でそれをまずは見てみましょう。

でかくベットしてもいいし、チェックでもいいし。そんな中で、われらがミドルスーコネはどんなアクションを取るのでしょうか。諦めチェックに回すハンドなのか、「絶好のブラフハンド」なのか。

気になる結果を見てみましょう。

一番めんどくさい結果が出てきました。「頻度で決定」です。

あれ、これもしかすると、「ミドルスーコネは、基本的には頻度に応じてアクション」みたいな、絶対覚えられない結果が永遠と出続ける、最悪のゴミ記事になりますか?

先のことはわかりません。とりあえず今は一個づつ片づけて先に進みましょう。

というか、これはこれで別の意味で勉強になるボードでした。

Aヒットの中で、強くて3発ベットできるようなAK~AT、ツーペアのA2はオーバーベット。
でも弱いAヒットはチェックに回して「Aだけどチェック」のレンジをしっかり残す。

そしてセカンドヒットのKヒットはなるべくおとなしくしておく。
QQ、JJなども様子を見てチェック。SDVが十分にあるということでしょう。
でも44、33はベットに回すようにする。

そしてJ7s、T7sなどの「単なるハイカード」やQTo、JTsなどの「モンスタードロー」はブラフベットしていくという、かなり「基本に充実」なアクションをしているように見受けられます。

そういった中で、87s~65sはスーツ次第でアクションが臨機応変な対応を求められてる傾向です。
こりゃ、絶対覚えられんわ。どうやって実践で使えるように汎用化させたらええんだ?

ボードは今回、♡A♦K♣2という設定にしてます。

とりあえず、
 ・ボードと一番高いカードとスーツが同じ → オーバーベット
 ・ミドルorボトムのスーツが同じ → オーバーベット or ビックベット(67%以上)
 ・バックドアフラッシュなし → チェック
というような覚え方でおきたいと思います。
これらにより、スーツ問わず全体としてバランシングがされているという傾向でした。

まずは最初のボードは、「ベットもするしチェックもする」という、なんとも今後が不安になる結果でした。次は「基本、レンジでベット」なボードを確認します。

AKQレインボー

続いて、「基本、脳死でレンジベット」が許されるボードです。
3つの図で貼り付けるのが面倒だと気が付いて、いきなり1枚の図ですべてを説明しようとします。

このあたり、A型の人には耐えられない「フォーマットが毎回違う」という記事になってしまいますが、無料&素人の記事ってそういうもんです。諦めてください。

チェック頻度は0%です。「ミディアムベットかラージベットか」の2択です。ローランドです。
さあ、われらのスーコネはどういう扱いでしょうか。

皆さんは、夏の終わりをいつごろ感じたでしょうか?
私はまさに今、この記事の考察の終わりを感じています。

今回も、「頻度によって変わる」というだけの結果でした。
っていうか、「レンジのままにアクション」です。

過去、「滑ったAK、どう戦うか」という記事を作りました。
その時にAKsはQハイボードだとしたらまるでAAのように(AAと同じような頻度で)アクションし、
AKoはAQs or AQoかのように(AQと同じような頻度で)アクションするという考察を出しました。

今回の記事でも、「発見!スーコネは〇〇と同じようにアクションすれば正解!」みたいな結論を出そうと思ってましたが、もうこりゃ無理だわ。「頻度でアクション」。これが答えな模様です。

そうなると、「そのボードではポットの〇%ベットが正着なのか?」、「そしてベットorチェック頻度はどれくらいなのか?」を正しく理解し、そしてその頻度通りになるべくアクションする、すなわちセオリー通りに取り扱うのがこのミドルスーコネということでしょうか?
なんともまぁ、難しい取り扱いになるのでしょう。中上級者向けハンドと呼ばれるのにも納得です。
セオリーから外れた頻度で対応してたら、勉強不足がばれてエクスプロイトされるということですな。(あってるかは知らん)

さて、この記事の終わりが早くも予想されてしまった中ではありますが、ここでベットして、BBにコールされて、そこから先どうしたらいいのかだけ確認したいと思います。
「頼む、降りてくれ!」と願ってベット。でもBBがスナップコール。
最悪な気分ですが、どうなるのでしょうか。

ここでは87s~65sの3ハンドで最も頻度が高いラージベット(67~101%ベット)をした時のBBコールハンドと、ターンカード別でのアクション確認をしてみます。

83%CBへのBB対抗アクション

衝撃です。ガットのJx、Txは、歯をくしばってコールしてOKな感じです。
っていうか、T2sの方がコール頻度高くて、T7sはフォールド一択状態なのってなぜなんですか?

考えても悩んでも答えが出ないことはスルーしましょう。
結論、BBのアクションは
 ・ヒットしてるならA、K、Q、全部コール
 ・ガットがあるなら&バックドアFDならコールより(Jxs、Txs)
 ・さすがにオリジナル有利なボードすぎるのでチェックレイズは全体の2.7%程度と極小
という3項目な感じでした。

お、そうするとダブルバレルしたらボトムヒット、ガットが下りるということでしょうか?

すでに99以下のポケットは全員フォールド済みのためにラグカードが落ちてもセットになることはないという前提のもと、例えばラグにもほどがある♠6が落ちた時のHJの87sアクションと、BBの対抗を見て今回の記事を終了にします。

AKQ6レインボー

なるほど、87sはチェック、ヒットした76sと65sはベットですか。
気になったので8、7と数字を変えて結果を見てみましょう。

・AKQの場合
 87s:ダブルバレル
 76s:コール
 65s:半々の頻度でベットorチェック(チェック多め55%)

・AKQの場合
 87s:ダブルバレル
 76s:ダブルバレル
 65s:半々の頻度でベットorチェック(チェック多め56%)

・AKQの場合
 87s:チェック
 76s:ダブルバレル
 65s:ダブルバレル

なるほど、当たっていればダブルバレルです。
「相手がA持ってるんじゃないの?ヒットしたし、チェックでいいじゃん」と感じてしまうのですが、当たっている以上は継続してベット。記事に書いてても、絶対に実践だったらチェックしますわ、こりゃ。

そしてダブルバレルを行った場合のBB対抗レンジを確認します。

ほええ、Aヒットにフォールドするハンドがあるんすか。

てっきり、「Qヒットはフォールドするがトップヒットはまだコール」かと思ってました。
キッカーが弱いならもう無理するな、ということですね。

Aにフォールドする頻度があるくらいなので、そりゃもちろんK、Qヒットはだいたいフォールド。
そしてガットも、「ヒットガット」くらいしかコールはできません。
AJ、KJのヒットガットはコールしてもQJはもうだいたい諦めフォールドです。
ヒットもしてないガットは全員おとなしく消えろという結果でした。

今まで、どれだけヒットもしてないガットドローでついていったことでしょうか。
というか、Q2とかでも、「JJやTTをまくった!」という理屈でコールをしてた自分です。

深く反省するとともに、「どうせまた次回もついていくことになるわい」と確信をしながら、一回目の記事考察を終了します。

次回はオリジナル有利ボードから少し変えて、でもBB有利とまではしないボードでの検討をしたいと思います。引き続きのお付き合いを、お願いします。

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