【ゲームレビュー】Path of the Abyss


ゲームについて

個人開発の3DダンジョンRPG
早期アクセス中であり、プレイ時のバージョンは0.11.8m

ざっくり総評

個性的な戦闘システムとモノクロのペン画のようなデザインが目を引くDRPG。豊富なトレハン要素や自由度の高いキャラクター育成、個性的なNPCも魅力の一つ。

+個性的な戦闘システム
+自由度の高いキャラクター育成
+トレハンを堪能できる各種配慮
+雰囲気のある各種デザイン

-戦闘中の選択肢の少なさ
-難易度の高さ

良い点

個性的な戦闘システム

このゲームでは、4人のパーティーで共有する3*3の9つのマス目に様々なスキルをセットし、それを用いる個性的な戦闘システムで戦闘を行う。

セットできるスキルにはリソースを払って戦闘中に使用するアクションスキルと、一定割合のリソースの上限と引き換えにセットするだけで効果の発揮されるエンハンススキルの2種類が存在する。
また各スキルには射程による配置の制限や、シナジーと呼ばれる隣接するスキルに影響を及ぼす効果を持つものもある。

事前にこれらの要素を加味しながら3*3のマスに配置したスキルが、戦闘中に想定通りに噛み合う快感はこのゲーム独自の魅力だ。

自由度の高いキャラクター育成

パーティーを構成するキャラクターに関しては、プレイヤーが作成するというDRPGとしてはクラシカルなシステムだ。しかし、他のクラシカルなDRPGよりキャラクターの育成の自由度は一段高く、キャラクター作成時に設定する能力に関する項目は種族だけとなっている。

各キャラクターの特徴づけは、一般的な5つのステータスとキャラクターの技能を表す8つのアビリティにポイントを割り振って行う。
各ステータス・アビリティにはポイント割り振るごとに得られるステータスボーナスと、一定ポイント割り振るごとに習得できる様々なスキルが存在している。

他にもゲームを進めていくうちに上記のステータス・アビリティ以外の特徴的なキャラクター強化要素も利用できるようになる。

これら自由なキャラクター育成とスキルの編成、豊富な戦利品が合わさり満足度の高いキャラクター、パーティービルドを楽しむめる。

トレハンを堪能できる配慮

このゲームには、個人開発とは思えない量の様々な装備品が用意されているため、ゲームのクリアを目指す際やゲームクリア後の楽しみとして、戦利品収集はパーティービルドと双璧をなす楽しみの一つになっている。

有用な戦利品はダンジョン内の宝箱の他に、各ダンジョンのボスや強敵がドロップすることが多い。それらを収集しやすくなる各種アイテムやキャラクターのポイントを振りなおすことが出来るアイテムが比較的早い段階から無限に購入可能になるため、快適に戦利品を収集し、試すことが出来る。

雰囲気のある各種デザイン

ダンジョン、UI、エネミー、NPCがすべてモノクロのペン画のようなタッチで描かれ、それがダンジョンの陰鬱とした雰囲気や各NPCの得体の知れなさに非常にマッチしている。

冒険の拠点として頻繁に利用する宿屋のNPCや、冒険中に出会う女性型のエネミーが非常にかわいい。

悪い点

戦闘中の選択肢の少なさ

良い点として挙げた9マスのスキルシステムだが、限られた選択肢で行うビルドとしては楽しい反面、戦闘中に行える行動が最大でも9つしかないということでもあるため窮屈に感じやすい。

特に敵が強くなる後半やクリア後においては、この選択肢の少なさが後述する難易度の高さにもつながっているように感じる。

一方でこのゲームの戦闘システムは、ビルドも含めて9マスであるという制約があるからこそ面白くなっているとも感じるため、評価の難しい部分になっている。

難易度の高さ

実際にはDRPGとしては難易度が低い方であると思う。
しかし前述した戦闘中の選択肢の少なさや、それに反して膨大な量の装備、各種スキル等の育成の自由度があることによって遊び方による難易度の差が大きく出てしまうと感じる。

”DRPGとしては”難易度が低めであるだけで、後半以降は特に敵が強く装備を揃え方針を持ったビルドを組む必要が出てくる。しかし膨大な選択肢からパーティーの方針を決めていくのは難しくもあるため、人を選ぶような難易度の高さを感じることがある。

一方でこの独特の難易度の高さは裏返せばこのゲームの楽しさでもあるため、じっくりと向き合うことが出来れば逆に高い中毒性を提供してくれる。

まとめ

早期アクセス中であることに加え800円という安価な値段設定のため、ダンジョン自体のボリュームは多いとは言えない。しかしそれを補って余りある、独特のシステムや高い自由度、膨大なアイテム、スキルなどを持つ完成度の高いDRPGだ。
ストアページを見て少しでも気になった方には全力でおすすめしたい。

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