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BTS:花様年華『Blood Sweat & Tears』の物語を書いてみる



花様年華『Blood Sweat & Tears』のMVについて、映像などから物語にしてみたシリーズです。


こちら↓のMVの物語です。



今回、複数に分けて書いておりまして、下記のお品書きで言うと、②にあたります。

① 説明
② 韓国語(オリジナル)バージョンの物語
③ 日本語バージョンの物語
④ 韓国語バージョンの疑問点
⑤ 日本語バージョンの疑問点
⑥ 疑問点の答え探し



なので、まだ①の説明をご覧になっていない方は、もしよろしければそちらからご覧いただけると良いかな、と思います。




お時間のない方に少し説明すると、このMVはなかなか謎も多く、いろいろな考察も多いMVですよね。


とらえ方によって、いろいろ楽しめるMVでもあると思うので、もし、他の人の考えによって先入観を刻みたくない、という方は、もっとじっくりとオリジナルの作品を楽しんでから読んでいただくことを強く強くおススメします。


想像部分・創作部分もかなり多くなっているので、楽しみを妨げるものになる可能性もあることを懸念しております。



全然平気!むしろ興味ある!、すぐ忘れるから問題なし!という方は、この後もお進みくださいませ。


なお、引用部分は歌詞の和訳か、MV内の文字情報となっております。

和訳はMVの英訳から翻訳しておりますので実際のニュアンスとは異なるところがあるかもしれません。




では、始めます。





**************







僕たちは、瞬間と瞬間の積み重ねでできている。
 
 
 

 
 
 
何らかの特徴がある「瞬間」は、自らの手によって絵画や彫刻に刻みつけられ、作品となる。






 
 
そして特別な「美術館」に飾られる。
 



 
 
 
表現が下手な者は、上手く作品にできない。


作品には興味を持てず、美術館も寂れる一方。


 
 
 
 
表現が上手い者は、上手く作品にはできる。

 
美術館には次々作品が並んでいくが、その美術館を訪れるか否かはその者次第。
 
 
 


 
 
 
「美術館」へは行きたい時に行ける。
 
 
ただ、「行きたい」と念じればいい。
 
 
 
 
 
 
 
 
それは、何もかもが許され、何もかもが許されない場所。



臆病な者は武器を手にしているかもしれない。
 
そこへ閉じ込めた恐ろしい何かから身を護るためかもしれないし、ただ手持ち無沙汰だった可能性もある。
 
 
 
 
 
先を急ぐ者は自転車で駆け抜けるかもしれない。
 
誰かを追い抜くためかもしれないし、ただの娯楽だった可能性もある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
自転車に乗ったユンギが、スリングショットを手にしたジミンの後頭部を叩いて立ち去る。




武器を手に構えたところで、後ろから勢いよく殴られたら防ぐことはできない。
 
 
 


 
楽しかった時間も楽しくなくなる。



 
 
まるで一瞬で夢から覚めたように。
 
 
 
 
 
 
 




 
 
「ヒョン、何を読んでるの?」
 
 
 
ジョングクがナムジュンに尋ねる。


「本に興味があるのか?」、とナムジュン。
 
 
「いや、本は苦手だからヒョンが内容を教えてよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
影響を与える者と、与えられる者がいる。
 
与えているはずが結局は与えられる側となることもあるだろう。

逆もまたしかり。
 
 
 
 
 

 
 
 
「ヒョン、何を見てるの?」
 

 
テヒョンがホソクに尋ねる。


こんなに近くにいるのに、オペラグラスで見ている。
 
 
そのレンズを通せば、世界は違ってみるのだろうか。
 
 


 
 
「僕も、見たいな…」
 
 
 
 
 
 
 


 
ナムジュンはジョングクに頼まれた通り、本の内容を丁寧に説明していた。


書物は時として、行く道を照らす道しるべとなる。
 
 
 
 
それは師弟関係にも似て、「師」、つまりは出会う書物によっては人生に善いことも、悪いこともある。
 
 
 
 
すべては影響を受けた「弟」に反映するのだ。
 
 
 
 
まるで鏡のように。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こうしてまた、新たな芸術ができあがる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
人生は芸術。
 
 
 
芸術が人生。
 
 
 
 
 
 
 
 
人は、人生における最も美しい瞬間を何らかの方法で表現することで放出し、まさにその「瞬間」を美しいまま閉じ込めようとする。
 
 
 
振り返ってはお気に入りの芸術作品と向かい合い、時に近くで、時に少し距離を置いて、眺めたり、愛でたり、懐かしんだり、胸を痛めたりする。



ただ、人は勝手なもので、芸術作品に都合の良い嘘を加える。
 
 
意識的にも無意識的にも、さらに美しい瞬間として、記憶に上塗りするのだ。
 
 
 
 
 
一方で、悲しみや苦しみ、憎しみを忘れ去る目的で閉じ込めることもある。



 
 
そして、都合の悪いものには蓋をして、抹消する。
 
 
 
 
 



 
誰もが「美術館」の所有者だ。



 
 
どんな作品を、どんな風に作り、どこへどう並べても許される。



 
 
その範囲内では自由。




しかし、範囲の限定された自由は、本当の自由と言えるだろうか。





ソクジンが一枚の大きな絵に一歩ずつ近づいていく。
 
 
 
 
 
 
立ち止まり、その絵と対峙する。


真実を求めるのなら、それが確かに実在するものか、そうでないかを見極めなければならない。



 
 
つまりは、何が真実か、嘘かを見極める必要がある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
善か、悪かも同様である。



 
 
 
 
そもそも、善か悪かを決めるのは誰だ?
 
 
 
存在するか、しないかを決めるのは誰だ?
 
 
 
真実か、嘘かを決めるのは誰だ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ヒョンは、何を真剣に観てるんだろう」


ホソクがレンズ越しにソクジンを見る。
 
 
テヒョンは彫刻に夢中で、ソクジンのことは気にならないようだ。
 
 

 
 
 
 
 
 
それは、天使と、神に逆らった叛逆天使を描いた絵。


ソクジンは絵の前から離れることができずにいた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんな様子をユンギとジミンが笑みを浮かべて見つめている。



天使と叛逆天使がいる。
 
 
裏切った叛逆天使は天使にとってはもはや悪魔かもしれない。
 
 
 


 
勝つ者と負ける者がいる。
 
 
 


善と悪があり、存在するものとしないものがある。




 
天使だった者が悪魔にもなりえる。



同じ天使だったものが、天使ではなくなる。


 
 
 
 
ひとつだったものが、道を違える。





僕はどっちだ?






どちらを選択すればいい?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
都合の良いように解釈すればいい。
 
 
 
 
 
「僕たち」はみんな定められた範囲に飾られた「美術品」。
 
 
 
 
 
 
本当の自由は許されないのだから。














ユンギが手のひらでそっとジミンの目を塞ぐ。



僕の血、汗、涙
僕の最後のダンスも



 
まずは目を塞ぐこと。
 
 
 
 
望んでも。
 
望まなくても。
 
 
 
 
 
 
そうすれば、何かに左右されることなく、見たいものだけを見ていられる。
 
 
 
 
 
好きな「美術品」だけを愛でればいい。



すべて奪っていって


 

テヒョンはバルコニーで空を見上げて考えた。
 
 
 
 
 
 
ただ、僕は上を、太陽を目指したい。
 
 
もっと高いところへ行きたいんだ。
 
 
 
太陽に手が届くには、どうすればいいんだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

僕の血、汗、涙
僕の冷たい息を



ジョングクはロリポップを口に含んで、浮遊を楽しんでいた。


 
 
 
 
 
飛ぶ?
 
 
 
 
止めておいた方がいい。
 
 
 
飛ぶことはけっして簡単じゃない。
 


 
人間は飛べないんだよ。
 
 
偽物の翼なら、墜落しておしまいだ。
 
 
 
 
 
 
 
始めなければ、終わりはこない。
 
 
 
 
 
 
 
こうして飛んだ気分を楽しめばいいじゃないか。
 
 
 
そんな気分にさせてくれる術はいくらでもあるのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

すべて奪っていって


それでもテヒョンは諦めきれない。
 
 
 
 


飛びたいんだ、どうしても。
 
 
自由に、大空を。
 
 
 
 
 
 
 
翼が生えたらいいのにな。


誰か、羽を分けてくれないかな。
 
 
 
 
 
天使でも、悪魔でもかまわないから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

血、汗、涙



何重にも蓋をして、真実を見なければいいんだ。
 
 
 
 
 
「僕たち」が塞いであげるよ。
 
 
そうしたら「君」のせいじゃない。
 
 
 
 
 
 
見ないんじゃない。
 
 
見えないってだけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
知らなければ怖くない。



こうして目を閉じたら飛んでいる気さえする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それでは不満かな?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
世界を逆さまに見るといい。



世界が反転したとしても、同じ「世界」であることには変わりないのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

僕のすべての血、汗、涙も


初めて恋を知った時のように盲目な感情だ。
 
 
ひどく臆病でもある。
 
 
 
 
 
 

体、心、魂も



「身体」、「心」、「魂」。
 
 
僕のものであって、僕のものでない感覚。
 
 
 
その感情が張り付いて、ずっと離れない。
 
 
 
 
 
 
 
手のひらで転がされ、握りつぶされる。


そんな、感覚。
 
 
 
 
 
 
 

何もかも君のものだとよく知っている




そんなちっぽけな感情に振り回され続けている。


 
 
 
けれどそんなちっぽけな感情が「僕」のすべてだ。



これが僕を罰する呪文



僕の一部であるように、僕のすべてを覆いつくすように、何もかも支配されていることを知っている。


 
 
その支配からは決して逃げられないことも。
 
 
 
 
 
 
つまりは、僕はここから自由になれない。
 
 
 
 
「僕」は「僕」自身からは逃れられない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

桃とクリーム
「甘い」よりも「甘く」



さぁ、始めようか。
 
火を灯して。
 
 
 
 
 
 
 
 
もしもその正体に気づいても口にしてはいけないよ。


決して毒ではないのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

チョコレートの頬
そして、チョコレートの羽



飛び立つのにはきっかけが必要だろう。
 
 
さぁ、飛べばいい。



ほんの一滴でいい。



やがてすべてが反映し合い、混ざり、溶けるから。


とても簡単なことだ。
 
 
 
 
 

けれど、君の羽は悪魔の羽



「僕」を悪魔だと思うかな?
 
 
 
「君」がそう思うならそうなんだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

甘いと苦いは隣り合わせ



何でも隣り合わせなんだよ。
 
 
 
飲むか飲まれるかも同じだったら、天使か悪魔も同じだろう。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「僕」にキスして

 
 
 
 
 
 
 
僕に気づいて。





傷ついてもいいから
はやくただ締め付けて
痛みすらもう感じないんだ



「僕」は存在するのかな。
 
 
 
 
 
 
時々わからなくなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
けれど、母がいること…、母が、いたことは覚えている。
 
 
 
 
 
 
だから、きっと「僕」も存在するんだろう。


役目を与えられたんだ。
 
 
 
大切なものを護ること。
 
 
武器はいくらでもある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ベイビー
酔うと知っていても君を飲む



ただ、狙いを定めればいい。
 
 
その矛先で、しっかりと狙うんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 

君はリスキーなウイスキー



「君」は存在するには危険すぎる。


たとえ、「僕」を失ったとしても僕がやらなければならない。
 
 
「僕」自身を護るために。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

僕の血、汗、涙
僕の冷たい息を



少しずつ息を吹き返すように、「僕」が生まれる。
 
 
 
 
 
 

すべて奪っていって



きっかけなんていらないんだよ。




僕の血、汗、涙
僕の冷たい息を



血は受け継がれ、もともと存在していたものが表に顔を出すだけのこと。





みんなも気づいているでしょ?
 
わかっているはずだよ。
 
 
 
 
 
「僕」のこと。




本当は何を欲しているのかってこと。
 
 
 
 
一度味わったら、求めることを止められないこと。
 
 
 
 
 
 
 
 

すべて奪っていって



そして、言うんだ。
 
 
 
 
 

「もっと、もっと、もっと欲しい」




 「もっと、もっと、もっと欲しい」




不都合なことは曖昧にして、勝手な物語を作ったりして叫ぶんだ。




「もっと、もっと、もっと欲しい」




僕らは同じテーブルを囲む「仲間」だろう?



この中に、ユダはいるのか?


「僕」を裏切る者は?
 
「僕」に背く者はいるのか?
 
 
 
 
 
 
 
同じテーブルにつき、同じワインを飲み、同じリンゴを食べる。
 
 
 
一緒じゃないか。
 
 
 
 
 
 
生きている限り、「生きる」という欲があるわけだから誰にでも欲はある。
 
 
 
だから言うんだ。
 
 
 


「もっと、もっと、もっと欲しい」



聖杯で乾杯しよう。
 
 
僕らを祝おう。
 
 
誓いをたてよう。




僕たちはひとつだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ふと、何かが、始まる音がする。


その気配に、ソクジンが振り返る。






傷つけてもいいから
逃げられないようにしばりつけて



まるでこの世界にしばりつけられているみたいだ。


世界が歪む。
 
 
 
 
 
 
 


 
そして、ホソクがついに矢を放つ。



「何か」を消し去るために。




突き刺さった矢の先で、世界が染まる。





僕を強く掴んで
僕を揺さぶって
僕が正気に戻らないように

 
 
 
 
正気に戻ると、できないことがある。
 
 
 
 
正気に戻ると、耐えられないことがあるんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

僕の唇にキスして
ふたりだけの秘密



「君」の存在を確かめられたらそれでいい。




君の監獄で深く毒されていく



 
このまま囚われていても、それでいいんだ。




「ごめん…」
 
 



「僕」が始めたけれど、「僕」には何もできない。


 
解放を祈るよ。




誰にも従わないよ
君以外誰も



かまわない。
 
 
「僕」が望んだことだから。





わかっている
それは毒入りの聖杯
それでも飲み干すだけだ




…もう手遅れだ。
 
 
すべて、飲み干してしまったから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

僕の血、汗、涙
僕の冷たい息を




何もかも奪われる感覚。
 
 
 
感覚すらも奪われる。
 
 
 
 
 
 
僕だけは見ている。

僕だけが見えている。




 
どちらも選べずに、ずっと僕だけが見ている。
 
 
 
 
 
 
 

すべて奪っていって



僕の血、汗、涙
僕の冷たい息を



すべて隣り合わせなんだ。
 
 
 
僕たちはひとつだから。
 
 
 
 
 
 
 
身体には禁断の実を与え、魂はその身体を隠そうとする。



では、心は?



扉が開いたら、どうなる?






すべて奪っていって



当たり前のような顔で、自由を求めて、一瞬で飛び立つんだ。



 
自由の空に。


自由の大地に。



そして、天を仰いで、やはり言うんだ。
 
 
 
 
 
 

「もっと、もっと、もっと欲しい」





「もっと、もっと、もっと欲しい」




「もっと、もっと、もっと欲しい」




こんなに恋焦がれているのに、空があまりに遠いから。



「もっと、もっと、もっと欲しい」




ほら、もうすぐそこだよ。

 



もうすぐ味わえる。


自由という名の烙印を。





僕をそっと殺して



僕には抗う術がないから。
 
 
 
 
 
 

君の手で目を塞いで



 
もう、何もこの目に映したくないんだ。






だから目を塞いだ。





どうしたって抗うことはできない


この部屋では支配され続ける。
 
 
 
 
 
だから見ないようにしていたのに…。






これ以上逃げることもできない


「心」が捕らえて離さない。
 
 
 
 
 
少しずつ溶け込むようにひとつになる。

 




君がただ甘すぎて、甘すぎて、甘すぎて



何も見たくない。

聴きたくない。

味わいたくない。
 
 
 
 
 
目を塞いでも、どこか求めてしまう。





もしかしてずっとそうして見てた?



塞がれていると言いながら。



本当はいつでも「僕」を解放できた。




「君」が望めば。




「君」が気づけば。

















He, too, was a temper.
彼もまた、一つの人格だった。



He, too, was a link to the second.
彼もまた、次の段階へつなげるものだった。




The evil world with which I no longer wanted anything to do.
その悪魔の世界においては、僕はもう何もしたくなかった。



 
 
だから僕が始めたんだ。
 
 
 
最初のきっかけは一つの嘘。
 
 
 
こすっても消えない烙印を消滅させたかった。
 
 
 
始めて恋した時のように、どんなに手を伸ばしても届かない焦燥。
 
 
 
鏡を見るたびにすべて反射して見える。
 
 
 
母なる場所に帰ったら、やり直すことはできるだろうか。
 
 
 
また、目覚めることはできるだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「僕」がすべてを支配しているつもりでいた。
 
 
 
でも、本当は支配される側だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、幕が上がる。


 


主役は「君」だ。




好きに「君」を演じればいい。




もう、みんな自由なのだから。
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 
自由の喜び。
 
 
 
美しい瞬間。


 
人生において、最も美しい、あまりにも自由なその瞬間。 
 
 
 
 




 
 
光に照らされた「美術館」の中を、ホソクに続き、ナムジュン、ジョングクも肩を並べて駆け抜けていく。





誰もが喜びに満ちている。
 
 
 
 
 
 
 
 
「ほら、はやく!」



ユンギがジミンの手をとる。
 
決して離れないように。
 
 
 
誰しも先を急いでいるから、遅れをとらないように。


 
そして、彼らを追うようにしてテヒョンも喜びに駆けていく。 



しかし、ふと立ち止まり、振り返る。




「…ヒョン?」
 
 
 
 
 
 
ソクジンはそれほど嬉しくはない様子だ。


その表情はかたく、後ろを気にして、先に進もうとしない。





誰かが、僕を引き留める。



誰だ?





誰だ?




誰なんだろう。



 
誰なんだ?








「だーれだ?」



 
 
ねぇ、見たら、ダメだよ。
 
 
気づいたら、ダメだ。
 
 
 
 
 
何が真実で、何が嘘か。
 
 
何が現実で、何が嘘か。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
目を開けば、いつでも同じ場所。







 
「やぁ、待ってたよ」








もうすぐだ。




幕が上がる。



新しい「僕」が生まれる。
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
ソクジンは、新しい「僕」と向き合い、一歩ずつ近づいていく。
 




なぜ、君に気づかなかったんだろう。





 
ずっとここにいたのかい?




ずっと「僕」を待ってた?




 
ごめん。
 

待たせてしまったね。


 
 
 
 
 
 
今、君に触れよう。









君に帰ろう。








 
「ありがとう」
 
 
 
 
 
これで、「僕」は自由。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

血、汗、涙



「僕」は、いつ、どこで間違ったんだろう。


それとも正解だったのかな。





アリガトウ。







こんなところに、鏡なんてあったかな。




あーあ、気づいたのか。






僕の嘘がばれるじゃないか。




ジミンは目隠しを静かに外す。




血、汗、涙




そう、僕らはひとつだから。




 
ソクジンは、鏡に向き合う。





You still have to have Chaos inside you
in order to be able to give birth to a dancing star.
 
君は、君の中に混沌を育むべきだ
踊る新星が誕生することを可能にするために




何でもひとつにして、混ざり合うんだ。





「母」が存在しなければ、「僕」も存在しないんだ。





存在していたとしても、消されてしまったら、存在しないに等しいけれど。






鏡のこちら側とあちら側。




花が違う。
 
 
 
 
 
 
 
 
なんでだろう。







 
なんで違うんだろう。



 
 
 
 
 
あぁ…、そうか。





そういうことか。
 
 
 
 
 
 
 
ようやく気付いた。





「僕」が「僕」じゃなかったんだ。
 
 
 
 


 


 
************
 
 
 
 

以上です。


意味不明なところも多々あったと思いますが、後日補足記事を更新いたします。
 
 
 
 
次回は日本語バージョンを投稿いたします!


👑

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