BTS:花様年華_WINGSのショートフィルムを横につなげてみる(アイテム編)
前回までの記事でWINGSのショートフィルムシリーズについて個別に書いてきました。
こちらの記事↓にて全体の説明とショートフィルムシリーズ関連記事のリンクを掲載しているので良ければあわせてご覧ください😊
それぞれのフィルムには共通するアイテムやキーワードがあるので、この記事では横につなげてみようと思います。
例えば、「リンゴ」、「鳥の絵」など、物語とかかわる場合、全く関わりがなさそうなのに唐突に映像だけ出てくる場合等がありますよね。
誰と誰に何が共通しているのかを並べてみて、ふむふむとほくそ笑んで満足する趣味の記事です。
目を見張るような答えはないと思いますが、比較的地道な作業なので今後考察される方に少しでもお役に立つと良いかな~とも思っています😌
今回の記事に登場する画像はショートフィルムの切り抜きか、FacebookのBTS公式アカウントに掲載されている写真からお借りしています。
Facebookの写真はこちらのサイト↓のWINGSのコンセプトフォトからです。
※ ↑のイメージのような感じで素敵な写真が満載です✨
なお、ソクジンは少し立場が違い『AWAKE』の記事にて記したようにすでに全員との共通項目があることがわかっているので、最初に記載する「キーアイテムの横のつながり」からは一旦除外して考えようと思います。
キーアイテムの横のつながり
黒い鳥の絵
ジョングク・ナムジュン
ジョングクが手にして封筒に入れ、ナムジュンが手にして腕に刻みます。
ジョングクの解説でも書きましたが、夢から覚める時に一瞬幻影のように現れたりもします。
黒い鳥の絵はジョングクが描いたものだと思いますが、黒い鳥に関して気になることがいくつかあります。
① そもそも黒い鳥はユンギだった?
床に落ちていて拾った絵は最初はユンギらしき絵でした。
お顔から判断したのですがどうでしょうか。
この絵を落としてしまって、次に拾った時には黒い鳥になっています。
つまりは、ユンギが黒い鳥に変わったともとらえらます。
② ジョングクに羽根がある
『BEGIN』の最後の場面、ジョングクの影は黒い鳥の影になります。
そもそも、着ているシャツの胸にも鳥の絵がありますが、彼自身が鳥になったことを示すともいえます。
③ ホソクにもうっすら羽根がある
ホソクが薬を飲んで、意識が別世界にいる時に一瞬背中に羽根が見えます。
ホソクもやはり黒い鳥に関係があるかもしれません。
とはいえ、黒い鳥の絵とはまた違うところなので、つながりからは除外しておこうと思います。
この鳥は救いの鳥なのかそれともその逆か…。
一つのヒントとしては、『AWAKE』の冒頭セリフ部分。
アブラクサスについても後ほど書きますが、鳥の役割や善悪の立ち位置などが大きく意味を変えていきそうな感じがします。
燃えるピアノ
ユンギ・ジョングク・ジミン
実際にピアノの所有者であり、焼けるピアノを目の当たりにしているのはユンギです。
しかし、ジョングクは夢でうなされながら燃えるピアノを見て、目の前で自画像が燃えている時も白昼夢のように見ます。
一度目と二度目の見え方、表現も違っているので、何か意味があるのかもしれません。
一度目は単純に夢で、二度目は目の中に映っているので、炎からフラッシュバックのように実際に見たものがよみがえっている可能性もあるように感じます。
そして、ジミンも嘘や真実、意識や無意識、「自分」と「別の自分」の狭間のような場所で苦しんでいる時に、燃えているピアノの映像が一瞬入り込みます。
後方の扉のポスターや開き具合から言っても、ジョングクが夢で見たシーンと一致するようです。
全く脈略が感じられないので、なぜこのタイミングでジミンのフィルムに入ったのかが不思議です。
なんででしょう…🤔
赤い森
ジョングク・ナムジュン
ジョングクは鳥が羽ばたいていったあとに現れ、ナムジュンの場合はコンテナの中、黒い鳥の絵を目にした後、小さな小窓を見上げた時に現れます。
両者とも直接見たわけではなさそうですが、そこには共通点である鳥が関係します。
これはいったいどこ?
何ための場所でしょうか?
白い森
ジミン・ホソク
木の種類が違うようなので前述の「赤い森」とは別の森のように思えます。
霧が動いて映像の時もありますが、明らかな共通点というのは二人がいたであろう施設内の絵だということです。
同じ施設の証拠にはならないかもしれませんが、もう一つの共通事項として、薬の入ったグラスがあります。
直接的に服用しているのはホソクで薬を飲んだ時にグラスに薬が追加されます。
ジミンの場合は二つ並んで空いているベッドを見つめている時にグラスが現れ、薬がグラスから吸い上げられます。
こんなところからも2人が同じ施設、かつ、同じ部屋にいたことをうかがわせます。
両者ともに施設内の森の絵と対峙します。
最終的にジミンはその絵にカメラを向けて、絵の前に立ち尽くしたままフィルムは終わります。
また、途中のこの場面↓で映っているのも同じ森のようです。
足元には水が揺れ、ジミンを囲む球体は最後に表示される右上の円の形のようです。
ちなみにこの円は全員異なるパターンで表示されますが、ジミンを囲んでいたものと同じ円を持っているのはテヒョンだけです。(右上の円です)
このアイコンについてはまた後ほど書きますね。
一方のホソクはこの絵を後にします。
さらに、見ていた森の絵は、母と子の絵に変わります。
けっきょくこの森は何なんでしょう???
母と子の絵
ホソク・テヒョン
ホソクの場合、前述の「白い森」で描いた通り、見ていた森の絵が母子の絵に変わります。
テヒョンの場合は、尋問で家族について、両親について聞かれた後に、実体のないものに殴られる映像が続き、ふいに瞳の中に現れます。
ホソクは母に捨てられ、テヒョンは母を護りたかったけれど力がなく父を殺してしまった別の過去、または今回のショートフィルムでは母は他界しているかホソク同様に置き去りにされたかで不在のようです。
両者ともに絶対的な母の愛への切望が共通しているように思えます。
『MAMA』での絵画にははっきりと「EVA」と書かれいるので、この女性は「エヴァ」を示すのでしょうか。
ホソクのアイコンにもやはりevaの文字。
エバといえば、イブ…、最初の人類ともいわれるアダムとイブの「イブ」のことでしょうか。
Wikipedia先生を参考にさせていただきましたが、「生きるもの」という意味も持つEva。
禁断の実を食べて楽園を追放されますが、その禁断の実は善悪の知識の木の実で、絵画などで描かれる実はリンゴであることが多いとか。
そう、リンゴです。
WINGSのショートフィルムにも出てきますが、こちらも後ほど触れましょう。
バスタブ
ジミン・ユンギ
バスタブといえばジミンですが、なぜかユンギのフィルムにも一瞬現れます。
まず、ジミンについては、バスタブの水は吸い上げられます。
さらには、そのバスタブの中に自身が沈みます。
一方でユンギの場合は直接的には関わりがないですが、車がぶつかる音を聞いて、必死で店へ向かう途中にバスタブが現れ、水はあふれ出ています。
覆水盆に返らず。
一度したことや起こってしまったことは元に戻せないことを暗に意味しているのかな、と感じました。
だとすると、ジミンのバスタブの水が吸い上げられた意味はどうとらえるべきでしょうか。
電話ボックス
ナムジュン・テヒョン
電話ボックスに直接触れ、関わるのはナムジュンです。
意識が飛びそうになる中、電話の音で我に返り、電話に出ようと駆け出しますが、たどり着いた先には、鎖で巻かれ、しっかりと施錠された電話ボックス。
どんなに出たくでも出ることができません。
一方のテヒョンについては、尋問中に「両親はいない」と答えた後に、殴られる回想があり、床に突っ伏したところで、電話ボックスだけがポツンと現れます。
特に言葉で語られたわけでも、実際にスマホを手にしているわけでもないですが、暗に電話して誰かに助けを求めたい願望のようにも見えました。
その電話ボックスもやはり施錠されている状態であったため、その「誰か」はナムジュンであることが推察されます。
以前の動画でも電話で呼び出したのはナムジュンでした。
そして、『STIGMA』の最後にテヒョンが言ったセリフも「電話を一本かけたい」というものでした。
誰に電話をかけて何を話すのかは語られていませんが、テヒョンにとって電話というツールが重要なものであることがうかがえます。
ガラスが割れる
テヒョン・ナムジュン
電話ボックス同様の組み合わせです。
テヒョンの場合は手にしていた銃を落とした時、ナムジュンの場合は腕に入れた鳥が浸透していった後に現れます。
そしてナムジュンの場合は、ナムジュンがいた部屋そのものが鏡になり、最終的には部屋全体が粉々に割れますね。
具体的に語られてはいなくても、テヒョンは家で銃を持っているので、もしかしたら暴力をふるう父を撃った後かもしれません。
つまりは父、ひいては家という縛られた領域からの離脱を示している気もします。
一方のナムジュンも、小さなコンテナが唯一の領域のように過ごしていました。
そのコンテナがガラスとなり、割れて、その後部屋から飛び出します。
いずれにしてもガラスが割れる=何らかの領域からの離脱や解放を示すような気がします。
アブラクサス
テヒョン・ホソク
まずは、テヒョンが『STIGMA』の冒頭で落書きしているのがアブラクサスですね。
なぜかホソクのフィルムにも一瞬現れます。
タイミングとしてはカプセルを飲み、正気を失う瞬間の時に見たものです。
『AWAKE』でも少し触れましたが、Wikipedia先生によるとアブラクサスは「選ばれし者を天国に連れて行く存在」ということです。
キリスト教においては悪魔的存在で、「物質界を創造し、悪魔的な性質を持つ」神とのこと。
つまり場合によっては、アブラクサスが創造する世界が悪に満ちている可能性もあるわけです。
エジプト神話では、イシスに仕える存在だったようですが、このイシスの外見は「トビあるいは、背中にトビの翼を持った女性として表される」とのこと。
ここで大きな鳥が出てきました。
つながりの一つである黒い大きな鳥はアブラクサスともかかわりがあるのかもしれません。
先述の通り、『AWAKE』冒頭部分でも、鳥は神のもとへ向かい、その名前はアブラクサスと語られています。
ちなみにソクジンのいた建物の廊下は壁紙一面がアブラクサスでした。
アブラクサスに触れることなく、避けるようにしてどこか目的の場所に向かったのか。
それともあの場所がソクジンの家であるならば、ソクジン自体がアブラクサスの手の中のものなのか。
両極ですがどちらにも転ぶことができる気がいたします。
瞳に映るもの
ジョングク・テヒョン・ホソク
冒頭の画像のように画面いっぱいに目が現れて、そこに何らかの明確なキーアイテムが映るのはこの3人です。
まず、ジョングクは燃えるピアノでした。
目の前で不自然に絵が燃え始めて、苦しむ中で目の中にその情景が映っています。
続くテヒョンは、母子の絵です。
実体のないものに殴られている時にふいに現れました。
続くホソクは、テヒョンが描いたアブラクサスです。
カプセルを飲んだ時に映し出されたものでした。
直接ホソクの目とは関係ないですが、カプセルを飲んだ後の映像で、一瞬無数の目に囲まれる場面があります。
それぞれの人物は直接のつながりはないものの、目の前にないものを観ることができる「目」は大きなポイントのような気がしています。
さらに共通しているのは、苦しみの最中にそれを見ていることと、それを見たからといって苦しみから解放されるわけではないということ。
ちなみに、封印していたソクジンのことを追記すると、彼も同じように瞳の中に映し出されますが、それはカーテンのかかった窓の向こうを通り過ぎる一羽の鳥でした。
ソクジンが座っていたのは窓の前なので、こちらは実際に見たものと言えるかもしれません。
これまでに書いた#1~7の記事には、それぞれのフィルムのイメージ画を描いていますが、これらの目の印象が強くて、目をモチーフに描いたところもあるような気がします。
ちなみに、もともと目を描くのが好きです。
花様年華とは異なりますが、もしよろしければ過去作品にも寄り道ください↓
つながりの図
ここまで書いてきたつながりをもとに関係図を書いてみました。
T_Crownさん、正気なの?暇なの?という声が聞こえてきますが、ありがたいことにそこそこ正気で、ほどほどに忙しいです🤣
まず、紫の線が直接関わる人たちです。
例えば、ジミンとホソクは同じ施設にいたかもしれないということで紫でつないでいます。
紫の線はダブりがなく、ひとり一本ずつで誰かとつながっています。
緑の線は直接関わりがなさそうだけど、何かしらの共通画面が出てくる人たち。
例えば、ホソクとテヒョンは直接の関係性はないようですが、母子の絵が共通して出てきます。
青の線は直接関係なく、共通アイテムもなさそうな間柄です。
作ってみたものの、正直へぇ~というだけで特に目を見張るようなことは何も発見できていません🤣
何かヒントになるかな、と書いてみたのに何も浮かばない悲劇です🤣
やっぱり暇なのかもしれません…🥺
誰か…、例えばIQ148の方に考察いただきたいところです。
このモヤモヤを吹き消してくれないかな…
まぁそもそもつながりがあると判断した切り分け方に過不足があるはずなので、この関係図自体が信ぴょう性のないものです。
しかし、強いて気になることを言えば、ジョングクだけが全員となんらかのつながりがある、ということでしょうか。
この先、例えば『Fake Love』あたりなどではソクジンと向き合う場面も多くなるので、もしかして、もしかするかもしれないポイントです。
共通しないもの
共通しそうで実はひとりにしか現れないものについても触れておきたいと思います。
① リンゴ
あとで書くといいながら、書いてないじゃないの、と思われた方もいるでしょうか。
リンゴはたくさん出てくるようでいて、ソクジン以外ではジミンにしか出てきていないんですよね。
母子の絵で記載しましたが、アダムとイブは禁断の実を食べて楽園を追放され、その禁断の実は「善悪の知識の木の実」、絵画などで描かれる実はリンゴであることが多いということでした。
リンゴが禁断の果実をあらわす前提で考えると、リンゴは触れてはならないもの、むしろ食べてはならないものの象徴です。
食べたものは楽園を追放され、「死すべき定めを負って、生きるには厳しすぎる環境の中で苦役をしなければならなくなる」というのです。(Wikipedia先生より抜粋)
ソクジン以外でリンゴが出てくるのはジミンだけ。
しかもリンゴを食べているのはジミンだけです。
ソクジンは匂いを嗅いだだけで捨てています。
つまり、ソクジンはリンゴが「善悪の知識の木の実」=何らかの道しるべであるものであることを知り、さらには決して食べてはいけないものであることを知っている可能性も否めません。
なぜ、知っているのでしょうか。
② 花火
ナムジュンにだけ現れます。
鏡張りになった部屋が砕け散る時に突然現れて、ガラスが割れる音には思えないような優しい音色とともに、部屋が粉々にはじけ飛びます。
『REFLECTION』の記載では、打ち上げ花火の美しさと儚さになぞって、囚われていた領域が壊れ、離脱すること自体は良いことであるととらえて書いてみました。
しかし、花火自体は異質なものに感じて違和感があります。
③ 牢屋
この牢屋にも違和感があります。
それを言ったら他にもつながりがなく、違和感のあるものはたくさんあるので、このカテゴリで書くことこそ違和感かもしれませんね。
ただ、他にも何かしらに囚われていそうな人物はいるのですが、ここまで明らかに目に見えるカタチで囚われている人はテヒョンだけな気がします。
そもそも、この地下室のような場所では、テヒョンが実体のないものに一方的に殴られており、そこでは何一つ悪いことをしていないですよね。
それにもかかわらず、突然頭上から牢屋が降りてきて、たまたまやってきた子犬を抱えたまま、閉じ込めまれます。
しかしいつの間にか子犬は外に出ていて、囚われているのはテヒョンだけ。
さらには抵抗一つしない。
WINGSに至るまでの動画、例えば『Run』のMVなどでは水の中に囚われているようなシーンもありました。
やはり、テヒョンをどう救うのか、救えるのか、救われたいのか、というようなところも花様年華を紐解く鍵になるような気がいたします。
ちなみに、他に書く場所がなさそうなのでここに書きますが、テヒョンについてもう一つ気になることが…。
テヒョンは最後の方で銃を持っていましたが、撃つシーンはありません。
しかし、ジミンのフィルムで一瞬銃声のような音が聞こえて、ジミンは身体をのけぞらせます。
テヒョンが打っていないのでつながりからは外しましたがたいへん気になります。
第三者の有無
つながりにすべきか迷いましたが、つながりとは切り分けておきたいと思ったので、項目を分けて書こうと思います。
それぞれのフィルムに他の登場人物が出てくるかどうか、という違いですね。
まず、他の登場人物がはっきりと出てくるのは、テヒョンとホソクです。
テヒョンはとにかくいろんな人が出てきます。
警察しかり、家族しかり、犬さんも出て来たりして、それぞれお顔もはっきり見えることが多いです。
ホソクの場合は冒頭で医者らしき人が監視窓からのぞき込み、カルテに症状など書き込む様子がありました。
しかし見えるのは手元だけでお顔までは見えません。
このような登場人物がいないのがそのほかのジョングク、ジミン、ユンギ、ナムジュンです。
つながりで一旦除外したソクジンもそうですね。
ジョングクは夢を見て、目覚めて、場面が展開して、終始ひとりです。
夢の中にも人影は登場しません。
ジミンはホソクと同じ施設にいるようですが、ホソクのように監視している人影がありません。
ユンギは途中車が現れるので当然中に人がいると思ったのですが、店にぶつかっているシーンを見ると、運転席には人がいないんですよね。
これだけの事故を起こして、すぐに立ち去れるものではないと思います。
幻想でしょうか。
ナムジュンも同様、コンテナの中はひとりですし、電話も結局出ることができないので、他の人物は登場しません。
ソクジンについても同様で、家の中を移動しますが人影はないです。
後々、他の花様年華シリーズとつなげた時に何か関わってくるところかもしれません。
さて、各フィルムの最後に表示されるアイコンについても後ほど書く、と宣言しておりましたが、あまりにも大盛りになって、書いている私も胸やけしそうなので、一度ここで切って、アイコンは別記事にしたいと思います。
投稿したら、この記事にもリンクを貼りますね。
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【後半はこちら↓↓↓】
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