献血をしない人は犯罪予備軍では無い

さて、献血ボイコットの件
いろいろ批判の御意見をいただいているのですが、中にこういうものがあることが気になりました。

「拳銃を撃とうとしたが弾丸が発射されなかった、もしくは当たらなかったので、殺そうとした事実がないと言っているのと同じだ!」
「放火しようとして火が付かなかったら、放火が無かったというのか!」

という犯罪行為に絡めた御意見です。
なるほど、確かに犯罪行為が結果としてそれを行った人間の望んだ結果にならなかったとして、その行為が無かったことにはならないというのはその通りです。

しかし、これらの御意見に対しては「献血ボイコットを呼びかけることも、献血をしないことも犯罪行為では無い」と言うしかありません。

犯罪行為が結果的に達成されなかったことには「犯罪を犯してもいいとする意識」があります。その意識が批判されるのは当然でしょう。もし犯罪が達成されていたら、人の命が失われるのですから。
しかし献血ボイコットを呼びかける行為が達成された結果としてあるのは、ただ「献血をしない」というだけのことです。

我々は日常的に犯罪を犯そうとして、それを失敗しているということはありません。
一方で献血をしないことは我々の大半が日常的に選択している行為です。日本赤十字社による2019年の献血申込者は全国合計で549万人です。
日本の総人口は1億2600万人くらいですから、1億2000万人くらいは献血をしていないわけです。
(細かい数値を出すには、ここからさらに15歳以下と70歳以上、また病気などで明らかに献血できない人を引く必要があります)

献血の実施はあくまでも自由意志に委ねられています。
そこではイデオロギー的理由で献血を行わない人間と、単に献血しようという気にならないので献血しない人間の区別はありません。
これはどちらもまとめて「献血に協力していない人」でしかありません。

「献血ボイコットを呼びかけることは、犯罪を意図することと同じだ」というのは、現実に沿わない意見であるばかりか、献血に協力しない1億2000万人を犯罪予備軍扱いしているということで、倫理的にも問題を含む御意見であると考えています。

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フリーライターの赤木智弘です