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春闘から春協議へ

今年の春闘オルグをスタートしたのは約1ヶ月前。今回から春闘という言葉は「春協議」と言い換えてみて、オルグという言葉は「説明会」と言い換えてみた。なので、春闘オルグではなく「春協議要求案説明会」である。

組合活動用語はあまり一般的ではない言葉も多いため、若者にもわかりやすい言葉を使ってみようとしている。昔ながらの労働組合活動を知っている人には、「春闘で会社と闘う」というトーンが変わってしまうことへの懸念があるようだけれど、若年層へ届きやすい言葉を使うことも大切だと考えている。

労使関係は車の両輪なので、どちらかが欠けたり我慢していては会社を良くすることはできない。対立・闘争ではなく対話・共創を基本的な考え方に据えたのは、そのような背景があるからだ。労使対立ではなく労使協調路線であることはだいぶ前からなのだけれど、組合として主張すべきことを徹底的に主張することも昔から変えていない。粘り強く話し合って、双方にとって良い着地ポイントを探すことが重要だ。

労働組合には、経営層が直接聞けない従業員の生の声がある。これが労働組合の屋台骨だし、労働組合活動は各現場で働く組合員の声が起点になっている。その意味では、組合専従ではなく非専従で現場業務との兼業・複業として組合役員をしていることは、大変だけど強みなんだと思っている。

ある意味で自分にとってのパラレルワークで、どっちも本業な感じがあり、執行部活動で得た経験を会社業務にも活かせるし、会社業務での経験が執行部活動にも活かせていると思う。会社との協議でも、自分自身が感じた現場での理不尽なこと、自チームのメンバーが困っていることなどを実体験として話すことができる。自分が職場で感じていることは、他の多くの職場でも起こっているはずだと確信している。

今の執行部は人数はコンパクトで取り組める活動に限界があるけれど、だいぶ方向性を共有しながら活動ができていて、やりたいことに取り組めている気がしている。何かが良くなったというわかりやすい結果につながるかはまだわからないけれど、こういう状態が各組織で作れたら、チームとしての信頼関係は高まると思う。

今年の春協議は、賃金改善の追い風があるので、ちょっと強気だけど他労組と同等かそれ以上の姿勢で要求を掲げている。経営労使協議会用の資料も工夫しようとしている。事務折衝レベルでは会社側の賃金改善に対する空気感を少しは感じられるので、ちょっとは会社に期待してみても良いかな。