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来世では Kindle Oasis を全員に買ってあげられる人に生まれたい

※ 2021.12.11  追記。新PWシグニチャーエディション vs Oasis

この記事を書いたあとに、新PWが発表された。その中でOasisに迫るスペックは、一番価格の高い「新PWシグニチャエディション」だ。
奥さんにプレゼントしたので、手元で試す機会を持てた。
結論: まだOasisが断然勝っている。迷わずOasisを買うべし。
Youtube動画で、「Oasisより快適かも」みたいな釣りサムネイルを見たが俺の意見とは全く違う。ページめくりの速度差が僅差になった事だけを見て、Oasisと同等と判断するのは雑。様々な使用場面でのストレスがどれだけ少ないかというUXを全方位的に観測せねばならない。正直、Oasisと新PWのページのレスポンスがどちらがサクサクかは判断できないレベルだった。だが言ってしまえばそれだけで、他の面ではPWの欠点はそのままで、思ったよりOasisに追いついていない。多数のLED?画面が広くなった?そうかもしれない。しかしOasisの方が文字が綺麗で、持った感じもよく、寝ながら読んだ時の快適さが違う。例えば方向検知による自動ローテーション等。

一応PWシグニチャが明確に勝っているところ → USB-C, ワイヤレス充電
※ 写真は左から 旧PW、PWシグニチャ、Oasis

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--------------------------------------------- ここから元の記事

先日プライムデーのセールで、Kindle Oasis を買った。

今は Kindle Oasisと、Kindle Paperwhite の2台持ちだ。
だから俺は 2台を比較できる。で、言いたいことはこれだけだ。

Kindle Oasis を買ってくれ。

全然ちがうぞ。確かに Oasis は高い。しかしだ。。。

あなたの目の前に2台が横に並んでいる。これから半年、1年、3年と使っていく。そのトータル期間の使用経験の中で感じる不満、満足を想像するに、あなたが「Oasis を買うために余分に払ったお金が惜しい」と思うとは、"俺は"思えないのだ。その理由をこれから書く。

Kindle PW を持っている人は多い。ちなみこれまでの俺の Kindle 遍歴は 「 Voyage →  Paperwhite (PW) → Oasis 」だ。

Oasis を使ってみて、今まで PW に感じていた不満が「俺の気のせい」などではなく 、ちゃんと文句言っていいレベルの UXの不備と確信した。
なぜなら、Oasisではその不満が解消しているのだから。それは明確に Oasis ではユーザー体験(UX)視点でのデザインが入り、それを実装したからだ。逆に言うと、PWはそこをすっ飛ばした、というのが俺の見立てだ。

UXデザインとは「ユーザーの使用場面を想定・想像し、ユーザーが mentally にも physically にも摩擦レス(frictionless)で使えるように、商品・サービス側が変形しユーザーに合わせる or ユーザーを教育する事」などと俺は勝手に理解して書いている。UX の定義とはなんぞや、というのは知らん。しかし俺はUXが分かる、違いの分かる人間だ。それが故に、サービスなり、醤油差しなり、自転車のチャイルドシートなり、不満や満足を明確に言語化する人間なのです。

PW はこんなにダメで、Oasisはこんなに良いぞ

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Paperwhite はもてはやされすぎている。結構欠陥の多いデバイスだと思うけど、価格が安いせいでデフォルトチョイスだ。

Kindle PWも安い買い物ではないし、皆基本自分が買ったものをコケにしたくないだろう。あとは、より上位機種の Oasis と横に並べて比較する機会がないのもあるだろう。それが理由なのか、なんでか知らんが、なにしろPW に対する辛辣な視線を向けた評価にあまり出会わん。

しかし俺は辛口評価が欲しいタイプだ。良さも悪さも情報をフラットに集めてどれを買うかジャッジしたいのだ。

Kindle PW の欠陥は言ってしまえば
「コスト優先の為に、UXデザイン諦めた」
というところにある。あるいは、
「Oasisとの差別化の為、あえてUXデザインを捨てた」
というような、プロダクトのキャラ設定上の判断もあるかもしれん。
なんにせよ、使ってみると不満が多い。

■ PWへの不満

・ページめくった時の、画面更新が遅い。2ページ、3ページと、サクサクめくっていけない。
・物理的なページ送りボタンがないので、画面の左右をタッチしてめくるのだが、ミスタッチでめくってしまう。
・ミスタッチでめくってしまった時、ぱっと元のページを戻したい、しかし描画が遅いので、ぱっと戻せない。
・また、これはよく調べていないが結構 1、2 を争うイライラの元なのだが、ページを行き来した時に行送り位置(画面端に来た時どの文字で折り返すか)がズレるので、読んでいた箇所を見失う。(
これがPW とOasisの差によるものなのかは調べていないが、少なくとも Oasis では同じ現象に今の所出会っていない。読んでいた箇所を見失い、再度見つけないといけないのは辛い。疲れる。)
・左右どちらにも中途半端に細いベゼルしかないので、親指が画面端に触れてしまい、誤めくりする原因になっている。
・質感がスルッスルでサラッサラ。滑るので片手で持てない。これも片手で持つという読書シーン(UX)を想定していない(or 諦めて捨て去っている)から
・Kindle のロゴが大きくダサい。(俺はテープ貼って隠してます)
・これらの諸々の小さなストレスが読書体験そのものへの"割り込み"になる。書物に没入している時、ミスタッチでページをめくってしまい、ページを戻してみるも、行送り位置がズレて読んでいた箇所を目でスキャンして再度見つけ出す、などとしていれば没入から覚めてしまう。

■ 対してOasis ではどうか?

・デザインがよい。片手で持って使えるデザインにしてある。グリップ箇所が右にある。他の部分が薄い。
・そのグリップ部分がある側は幅広のベゼルになっており、そこに親指を置けるので、画面に触れずに済む。結果、誤タッチによる誤めくりが発生しにくい。
・グリップ部以外はとても薄く、Slick なデザインでシュッとしている。ダサくない。
・ダサい Kindle ロゴがない。
・PW のようなマットなスクリーンではなく、硬質でどんくさくない。
・背面もサラサラしておらず、メタル質感で冷たい。滑りにくい。PW はプラスチック感満載で安っぽい。
・ページめくりが速い。これはCPU/メモリのリソース余裕のせいだろう。間違ってめくってしまった時のリカバリ(ページ戻し)がストレスフリー。「行送り箇所がズレて読んでいた箇所を見失う問題」がない。
・グリップ部分は右にあるが、左手でグリップした時は、自動で画面上下が反転する。こういう時も高速描画が重要だ。サクッと描画してくれるので持ち替え時に描画待ちでイラッみたいなことが起こらない。
・寝ながら読む時、Oasis を横にしてグリップ部を地面側にすると安定する。PW は安定せず、サラサラして滑るので「持ちにくい+誤めくり」で寝ながら読む時は特に不便だった。
・画面が広いのでたくさんの文字が表示出来る。僕は洋書を読むのに使っていて、wordwise を時々使う。wordwise使うと行間が広くなるが、画面が広い Oasis はより多くの行を描画できるので、しょっちゅうページめくらずに済む。
・ページ送りだけでなく、全般的にPWに比べてレスポンスが速いので、辞書のポップアップ、画面のNight mode(黒地に白文字)の切り替え、Audio BookをKindleで聴く時のBluetoothデバイスとの接続操作など、全てがPWと比べるとサクサク動く (もっと早ければ尚嬉しいけど)。

文字が綺麗

決定的な違いは画面の文字描画だ。Oasisの方が文字が圧倒的に綺麗だ。

これは dpi(dot per inch) が違う。使用しているLEDの数が違うなど、スペックから判断しても当然そうなるのだが、ユーザー体験的な視点で感想を言ってみる。
「PW って e-ink なのかもしれんが、Oasis とは別もんだ。Oasis は電子的な文字って感じがしない。トキメキます。PWはまったくトキメかない。Oasis は明るさの自動調整や、音の暖かみ(warmth)を変更する事もできて、ユーザー視点では、電子文字感があまりないのが良い。PWはおそらくLEDと明るさの自動調整がないからか、"画面が光っている感"がどうしても残る。同じe-incなのかもしれんが感じる印象は全く別物だ!」
みたいな感じ。
iPhone で Retina ディスプレイが出た時、その後は Retina 以前の旧 iPhone の解像度の unclear(ぼやけ)感が許容できなくなってしまったように、Oasis の文字を見た後にPWの文字を見ると「フーン」とシラけた目になってしまう。

Amazon さん、PWやめて、Oasisの価格下げてみては?

俺の考えるこうだったらいいなという未来はこうだ。

・俺が宝くじに当たって大金持ちになり、Twitter で知ってる人でPW 使っている人に、無料で Oasis をプレゼントする(大きなお世話)。

まあ、それは叶わぬし、イラッとされるだろうから次の案はこうだ。

Amazon はUXを諦めた、思想のない中途半端なデバイスである PW の販売をキッパリ止めてしまって、Oasis の価格を下げて Oasis をユーザーのデフォルトチョイスにするのだ。

僕は読書好きの方々の読書体験が少しでもストレスフリーで、読書に集中できる世界を望む。
そんな重要な役割を担うデバイスとしてはPW は完全に実力不足だ。デザインが甘すぎる、ゆするぎる。PW が電子ブックリーダーのデファクトになっているとすれば、電子ブックリーダー界の相当な面汚しと言える。
読書好きの方々の時間を充実したものにするためにも、UXを犠牲にすべきではない。そんなにしょっちゅう買うものでもないのだから、ワンショットの判断が決定的に重要だ。

例えばだけどスティーブ・ジョブズが生きていて、彼が e-book Reader を手掛けていたとして、Oasis と PW が手元にあった場合、Oasis にはgoサインを出すだろうが、PWには出さないだろう(勝手なこと言ってます)。それぐらい PWとOasisは違う。
UXデザインがあるかないか。でもそれがない製品にしては高すぎるぞPW。

ということで俺は自分の想いを言い切りました。
みなさん好きなデバイスを選んだらいいと思いますが、あなたが読書好きなら、俺はあなたのPWを買う値段に俺の金を少し足して、Oasis を買ってあげたい(と思う。思うのはタダだから。)。

それくらい PW は悪く、Oasis は良いぞ!

↓ おかね。。。おかねをください。