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身体がまずある。-田中泯x橋本愛さんのSWITCH を観た感想

旅先なので超久しぶりにTVを観た。
見ながら、久々に見るCM(特定のCMではなくCM自体)やバラエティに以前以上に違和感を感じる自分自身の変化に気づいていた。

そして、たまたま始まったSWITCH。橋本愛が田中泯にインタビューする。

田中泯さんの「名づけようのない踊り」を時間が取れず見逃した僕は、おお!と興奮して見始めた。丁度始まったところだった。

とんでもないものを見た。

ありがとう。
橋本愛さんがインタビュアーで良かった。
2人とも嘘がない。ピュア。田中さんは身体が先にある。

「踊りの為に鍛える身体ではなく、土地で生まれた身体で踊りたい。」

橋本さんは強く反応し感じていて、それをおそるおそる、でも思い切って田中さんにぶつけてみる。感じているふりではなく感じていることが先にあるから田中さんに伝わる。「おそるおそる」という表現は正確ではない。橋本さんは相手に許可、承認を求めているからではない。語られていない感覚的なものを言葉にしようとしており、それがうまく表現できているか、それが泯さんに伝わるかどうかが定かではない。

田中さんは辿々しく、濁らない様に橋本さんに伝えようとする。
田中さんの嘘のなさについて触れた橋本さんに対し田中泯さんが言った言葉

「僕は多分嘘を知らないんですよ。うそだって分かるものに関しては反応したくもない」

言葉が身体と離れたところで上滑りしている事がありふれている世の中で、何処かでそんな事に慣れきって、でも心の奥底で憂鬱が澱んでいる。

田中さんの眼と、橋本さんの眼。
「何か」があって、不十分な言葉という道具が、その「何か」を伝えようと切り取るけれど、切り取りきれず、その事を分かっているから発した言葉に切り残された部分を伝えようと辿々しさが生まれる、

言葉以前に「何か」がある。

濁りなき何かが一義的にある、それが泯さんが触れている身体だ。

俺は知らない。
橋本さんもそこを希求している。
だから血流を感じられないもどかしさを泯さんにぶつける。
泯さんは言った「脈ですよ。脈はいつも感じていて、いろんなとこでぴくぴくやってて、、嬉しい」。
師匠である土方氏の死と死に方について。
身体と共に生きる事。
上滑りしない言葉に僕の心は洗われた。

橋本さん、泯さんにインタビューしてしてくれてありがとうございました!

↓ おかね。。。おかねをください。