Twitter小話3

小石川は霞を食べ祈りを捧げる
#意味わからんお題から作品作れったー #shindanmaker
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ある日、妙な老人に出会い何故か弟子にされた。竈の番をしたり吊るされたり薬草を摘んだりしていたら仙人になり、今は庵を構え霞を食って生きている。これが淋しい。成程、師匠が無理にでも私を弟子にしたわけだ。私も弟子が欲しい。仙骨を持つ貴重な人間に会えますようにと今日も私は祈っている。


小石川は、アイディアを忘れるのが怖くて、ちゃんと形にするまでは眠れない病です。最近は、周囲が貴方を心配しています。
#作家達の病 #shindanmaker
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「何時だと思ってるんです」応えはない。蝋燭の炎で前髪が焦げているのにも気づかずにペンを走らせている。作家として尊敬し弟子入りもしたが、いくらアイディアを忘れない為とは言え先生には寝て頂かなくては。もう命が危ない。用意したヘッドランプを先に、次にペンを握った先生と紙を棺に放り込む。抗議の声を蓋で押さえ込み、その上に座った。「そのランプで中で書けるでしょ」前回は蝋燭と一緒に放り込んで危うく棺ごと燃やしかけた。先生は火傷しても再生するが、いま私の目を射た朝陽一閃で塵となる。弟子ならば同族になれと言われているが、守るために私は人間でいなくては。

棺から寝不足の顔で這い出してきた先生に改めて説教をしてから私は溜め息を吐いた。「今までよく塵になりませんでしたね」「前はアイディアが消えたらそれなりだったんだろうって流してたから」「え?」「小説を書くようになったのは五年くらい前からだし」確かに、ほぼ百年の生活で読書はよい暇潰しで、更に暇を潰す為に小説を書いたと三年前に弟子入りした時に聞いた。「売れるのは悪くない。でも終わっても別に」だから、以前は無茶はしなかったと。「でも、君が次回作が楽しみだとか傑作に違いないとか言うから」先生は目を逸らす。私は胸を押さえて口を開いた。「馬鹿ですか」


小石川さんは鯖の味噌煮系魔法が使えるたぬきが好きな妖精です!!
よかったですねー
#あなたももしかしたら妖精かも #shindanmaker
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最近、妙な奴に懐かれている。「せっかくこの鯖の味噌煮を美味しくする妖精付きの本を手に入れたのに、今度の人間は作らないんだよ鯖の味噌煮を」その人間は俺に食べ物をくれる奴だろう。本当はいけないんだけどねと言いながら「リンゴだよ~」とかくれる。鯖の味噌煮とやらはもらったことがない。「このまま鯖の味噌煮を作ってもらえなかったら消えちゃうよ」俺の腹に小さな頭を沈めて妖精がふぅと息を吐く。それは淋しいかな。どうすればいいだろうと考え始めると妖精は俺の腹を撫でて言った。「ホント、狸君はいい色。美味しい鯖の味噌煮の色」そもそも鯖の味噌煮ってどんなもんなんだろう。


小石川さんが使える召喚魔法は『ドラゴン』を召喚できる魔法です!
#あなたの使える召喚魔法ったー #shindanmaker
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「その方、竜を召喚できるそうだな」「はぁ、まぁ」「やってみせよ」「いや、それは」「逆らうのか」衛兵達がわざとらしく剣をガチャつかせたので私は呪文を唱えた。それで今は廃墟と化した城から金や宝石を頂戴している。私は竜を喚べるが操れる訳ではないのだ。何度か喚ぶうちに逃げるのは上手くなって火傷も負わなくなったけれど。いい加減に竜を召喚するとどうなるか噂も拡がっていそうなのに馬鹿な貴族はまだいる。お陰で私は儲かる。今、私が竜に投げてやった宝石は、まぁ謝礼のようなものだ。宝物庫が綺麗に残っているのは気のせいだよ。だって私は竜を召喚できるだけなのだから。


小石川さんは、濃い霧が出た日、古い日本家屋で双子の赤ん坊に笑われて嫌な気分になる、という初夏の怪談を語ります。
#毎日怪談 #shindanmaker
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その頃の私は特に目的もなく、あちこちをふらふらとしていた。だからあの日、濃い霧の中から現れた屋敷に上がり込んだのも偶然だった。一声かけたが応えはなく、庭から座敷に入り、することもないから座っていた。どれくらい時が経ったのか、しゅっしゅっしゅっと音がした。座敷の半端に開いた障子の向こう、外廊下の左右から同じ音が近づいてくる。そして、障子の間に左右から赤ん坊の顔が二つ、にゅっと出た。同じ顔だ。赤ん坊の顔などどれも似たようなものだと思っていたが、これは全く同じ顔だった。二つの顔が、笑った。赤ん坊二人には少し狭い隙間をぎゅうぎゅうと押し合いながら笑顔のまま部屋に入ってくる。しゅっしゅっしゅっと音をさせて二人の赤ん坊が畳を這ってくる。同じ笑顔が近づいてくる。動けない私の左右にすぐに赤ん坊達がひたりとくっついた。小さなふくりとした手が左右から伸びる。そして、私の二股になった尾をそれぞれに握り同時に叫んだ。「にゃんにゃ!」


#愛・悪・君で文を作ると性癖がバレる

「相思相愛になりたいと言われても、ここまで相性が悪いと難しいよ。幾ら出す?」にんまりと見上げる君の狡猾さも、僕が伝えた相手のデータが自分とまるきり同じだと気づかない君の間抜けさも、愛しくて堪らない。幾ら出しても、どうにもならないだろうけどね。