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渋谷らくご(20年11月18日 20時)

■演目
一、 紙入れ(文吾)
一、 唖の釣(志ん五)
一、 御神酒徳利(小助六)
一、 東玉と伯圓(伯山)

■所感
祝、六周年!
11/17(水)20時会はKing is back! 伯山先生のトリに向けて、演者の色を出しつつキチンとバトンを渡す綺麗な構成。終演22時半、心地良い疲労感に包まれつつ大満足な会だった。

伯山先生「東玉と伯圓」。
愚痴之丞 is back!! 前方の小助六師「御神酒徳利」の余韻が抜けきっていない中、シブラク特有の21時半上がりで抱く印象の変化を語り、そこからは身辺雑記という名の愚痴エンターテインメントをお届け。地方公演・大規模ホールやラジオとは異なり、演芸界の前知識が前提となる枕は話題がニッチな分、抉り方や足の踏み出し方も楽しく、徒然なるままに語られる愚痴をゆったりと、ゲラゲラ笑いながら観れる幸せに浸った。
本編は「東玉と伯圓」。講談界隆盛の中、初代伯山の兄弟子である伯海が類まれない才能が故に身を持ち崩していく姿、才能が故に再び立ち上がる過程を楽しむ。中村仲蔵が才能と工夫で不遇な立場を引っ繰り返す、成り上がりの姿が重なる一方。この東玉と伯圓は才能が認められ立場が出来たが故に……という真打・襲名後の再決意、天狗慢心を捨てて芸に邁進するという所信表明のように受け取ることが出来て、演者と話のリンクの巧さ、見せ方の巧さに惹き込まれた。また登場人物が皆、魅力的。伯圓のザラッとした感じ、東玉の柔らかさ/決める時に決める格好良さ、観ていてグッときた。
久し振りの伯山先生。終演22時半と大幅超過の大盤振舞。心地良い疲労感に包まれた幸せな時間だった。
以上

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