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ひぐらし亭 昼公演(20年12月5日)

■演目
一、 おしゃべり(たけ平・萬橘)
一、 短命(萬橘)
~仲入り~
一、 明烏(たけ平)

■所感
ひぐらし亭、昼公演。休日、午後一、雨天、激寒…プラス・プラス・マイナス・マイナスの結果、乗算ではなく足算だったようで観客は少数烏合。演芸会自体初めてであろう方がチラホラ。オノボリさん全開で出囃子鳴る中で写メを撮ってLINEしてしまう中年男性……それを横目に自分も、と田吾作振りが感染するという悪循環。(良い意味で)場末感が半端無い。異世界に飛ばされたような錯覚に陥る。

12月のおしゃべりは「クリスマス」。
設定と様相の和洋折衷を体現した師匠方が、恥ずかしそうに高座に上がってくる様子が面白い。ヤサグレサンタとヤサグレトナカイが悪意をぶつけ合い、甘噛みしながら進めるミニコントにゲラゲラ笑う。会場少数特典の『ウラノカキゴオリヤノギョウレツ』『センノカミサン』も出てきて楽しい楽しい。

萬橘師匠「短命」。
伊勢屋の娘婿や離れの様子に焦点を合わせる演者が多い中、伊勢屋の様子を語る中で八五郎の“常識”にスポットライトを当たる見せ方にグッときた。八五郎が何の疑いも無く違和感を述べる姿、ゲラゲラ笑う姿が可ッ笑しい。夫婦の在り方の両極を見せられた後の帰宅は、決して面白い部分の先食いではなく、実際の奥さんが出てくるが故の答え合わせ、補助線引き、且つ新たな発見に繋がり更に面白い。

たけ平師匠「明烏」。
少数精鋭の際のトリは大ネタが多い師匠。今回は明烏。軟弱なイメージが強い時次郎が、時折見せる頑なな部分が新鮮。また吉原大門に至る道すがら、小児のように質問を続ける姿は大家の子供感や幼さ、ひいては面倒臭い感じが出ていて、こちらも新鮮だった。源兵衛と太助、そして若旦那の珍道中、若旦那を説き伏せる際のドタバタぶり等、楽しい場面が沢山。ニンマリしながら噺の世界にドップリ浸った。
以上

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