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だんだん30(20年11月23日)

■演目
一、 おしゃべり(たけ平・萬橘)
一、 猫と金魚(萬橘)
一、 扇の的(たけ平)

■所感
『30分間の落語!』と銘打ちつつ、30分で終わった試しが無い、お得感満載の会。今回は秋田銘醸の「美酒爛漫」でお馴染み『らんまんラジオ寄席』の収録も兼ねた特別回。特に事前告知は無かった認識だが満員御礼。
昼間、時間が短い、値段がお安い……で、足を運び易いのか。年齢層高めの方々、御夫婦というよりは単独来場の女性が多いイメージ。
にっぽり館の来場数は本当によく分からない。

「おしゃべり」で高座に上がった二人。普段は萬橘師が先に上がり、出囃子を止めた、たけ平師が小走りで上がってくる形だが……今回はラジオスタッフが控えていたのか、二人同時に高座に……と若干気取った形で上がってきたものの、いつまで経っても出囃子が止まりやしない。ポンコツADがワタワタ、演者がソワソワ、会場がゲラゲラでスタート。
30分会のため「おしゃべり」もアイドリング程度かと思いきや、11月のにっぽり館の将来を協議する首脳会議(連想ゲーム)をガッチリ。今回はパッケージされた形を、劇団“にっぽり館”のポンコツ劇団員が台本通りシッカリ。とは言え、入りの苦しさ/唐突さにたけ平師と萬橘師が苦笑いしあうというお約束も。劇中“(らんまんラジオ寄席では)使わない、使わない”と連呼していたが、全く使わないのか、少しは使われるのか、楽しみな所。

萬橘師「猫と金魚」。
コロナ禍で仕事が無い話から本編。番頭が真面目な顔で無茶苦茶なことを言い出すのが面白い。特に番頭が瞬時に計算する、本末転倒な“安定供給”作戦。一つの件に複数の不穏な要素が隠れている多牌状態に脳が一瞬パンクする。おそらく、この状態を実現したのが日本橋にオープンしたアートアクアリウム美術館。あと、金魚鉢と金魚の組み合わせも好き。縁側でビッチビチしていた金魚達が湯殿の棚に収まった際に習得した泳法の表現にゲラゲラ笑った。

たけ平師「扇の的」。
枕の傑作選から本編。会場の客イジリも含めて、たけ平師の掌握力が楽しい楽しい。祇園精舎の鐘の声……で始まる平家物語。脇道、寄り道、回り道で色々と摘み喰いをしつつ噺が進む。途中でお馴染みの『じゃぁ、拍手の練習しようか』の件が入ったのが嬉しかった。会場全体の一体感がある楽しい時間だった。
以上

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