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2005年11月のYouTube投資検討

単刀直入に聞きます。

あなたは将来のYouTubeになりうるサービスを見抜く目が欲しいですか?

私は何としても欲しいです。

2005年2月14日にローンチされたYouTubeは、2年も経たない2006年11月に$1.65BでGoogleに買収されました。

当時のYouTubeはほとんど売上がなかったこと、当時のGoogleにとって最大級の買収だったことからも絶対にリターンを回収できないと批判する声もありました。

しかし先日初めてYouTubeの収益が公開され、2019年には約150億ドルの売上を叩きだしており、さらに広告収入は前年比+36%で成長していることが明らかになり、Googleの慧眼たるやと思わずにはいられませんでした。



しかし、そんなGoogleよりも一歩早くYouTubeの将来性を見抜いていた人物がいます。

それが世界最大級のVCであるSequoia Capitalのパートナー、Roelof Bothaです。

2005年11月にはSequoia Capitalは彼を筆頭にしてシリーズAでYouTubeに$3.5Mを出資、そのわずか5ヶ月後にシリーズBで$8MをArtis Venturesと共同で出資。

フォローオンしていることからも当時からYouTubeの可能性を高く評価していたことが窺えます。

さて、前置きが長くなりましたが、このnoteではRoelof BothaがYouTubeへの投資を検討していた際のメモを和訳しました。

VCの投資メモが世の中に出回ることなど基本的にあり得ませんが、米国のメディア会社Viacomが2010年にYouTubeを著作権侵害で訴えたことで裁判所にこのメモが提出され、一般に公開されるようになりました。

世界中のVCからその一挙手一投足を注目されるVCが当時何を考えていたのか。

このnoteがみなさんの思考を広げるきっかけになれば幸いです。

*和訳をすると違和感のある部分などは原文のまま示し、意味が取りづらい箇所は意訳してあります。最後にリンクも貼ってあるので、原文で確認したい方はそちらもどうぞ。

なお、本文中に記載されている「私」はRoelof Botha、「私たち」はSequoia Capitalのことを指します。

それでは以下、和訳です。

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Botha Exhibit 1(YouTubeの分析)

YouTube

会社の目的:インターネット上のUser-generated型の動画コンテンツで主流になり、あらゆる人がコンテンツをアップロード、シェア、視聴できるようにする。

問題:動画コンテンツはシェアするのが現状難しい。

・動画ファイルはサイズが大きすぎてEmailで添付できない
・動画ファイルはサイズが大きすぎてホストできない。(20MBの動画を50個試聴すると1GBになり、当時のほとんどのウェブサイトの上限を超えてしまう)
・動画フォーマットには標準化されたフォーマットがない。バラバラのフォーマットの動画を視聴することはすなわりバラバラの動画プレイヤーをインストールしなければならないことを意味する。
・動画はコンテンツとして孤立してしまっている。視聴者同士の交流もなければ、動画間のつながりもない。

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解決策:

消費者がYouTubeに動画をアップロードする。YouTubeはそのコンテンツを数百万人のユーザーに届ける。

YouTubeはアップロードされた動画をFlash Videoに変換する。なおFlash Videoはウェブユーザーの97.6%が使用しているブラウザ上で機能する。

Flash Videoは高度に圧縮されたストリーミングのプラットフォームであり、即座に動画が再生される。他の手段とは異なり、視聴者に動画を見る前にDLさせる必要はない。

YouTubeはユーザーを動画と繋げ、ユーザーどうしを繋げ、動画どうしを繋げるコミュニティを提供する。こうした統合機能を通じて、動画は従来より再生されるようになり、ユーザーはもっと多くの時間をYouTube上で過ごすようになる。こうした機能はFlickrと似ており、YouTubeは"動画版のFlickr"と言われることが多い。

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市場規模:

YouTubeの成長は以下の開発の結果から生まれるだろう。

・録画技術は史上最も安価になっており、デジカメや携帯電話といった既存のプロダクトに埋め込み、大量生産することが可能になっており、これによって誰でもいつでもどこでも動画コンテンツを作ることができるようになる。結果として、User-generatedな動画コンテンツは飛躍的に増加するだろう。
・家庭用ブロードバンドインターネットはついにクリティカルマスに達し、インターネットは動画コンテンツを流通させる場所になった。バラエティ豊かなコンテンツがあり、以前より自由に動画を視聴できるようになったので、視聴者はネットに群がっている。
伝統的なメディアはこの領域に参入しようとしている。なぜなら彼らは消費者がいないと成り立たず、さらに動画コンテンツは安価に・簡単に拡散するからである。

まず第一に、YouTubeはUser-generatedの動画コンテンツをターゲットにする。なぜなら短期的に最も急速に成長しているタイプのコンテンツで視聴者数も最も急速に増加しているからである。

YouTubeはこの段階で、インターネット動画コンテンツを独占することができる。YouTubeの利用者数が伝統的なメディアの域に達すると、従来のメディアコンテンツ(ニュース、エンタメ、音楽など)も配信する予定である。

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競合:

Big Players:
・Google Video.....ハリウッドの後追い、素人の動画ではない
・24 hour laundry.....純粋な動画ホスト技術を追っており、コミュニティではない

Small Players:

・dailymotion.....技術はいいが、露出がない
・vimeo.....技術はひどいが、露出される余地はある(CollegeHumorが持っているので)
・PutFile.....ファイルホスティングしか見ておらず、コミュニティはなく、収益モデルもひどい

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Product Development:

デモの基本機能

-コミュニティ
▶︎ユーザーを動画とつなげる。ユーザーは以下を通じて動画を見つける
・Search
・Related Videos
・Related tags
・Top rated, top viewed, most discussed
・User videos
・User favorires

▶︎ユーザーどうしをつなげる
・Video discussion groups
・Video comments・Private messages
・Private/public video sharing
・Social networking(Friends)
・User videos
・User favorites

▶︎動画どうしをつなげる
・Related Videos
・Related tags
-オープンアーキテクチャ
・Developer XML APIs
・RSSフィード
・外部埋め込み可能な動画プレイヤー。消費者が外部埋め込みをするようになることで、YouTube.comから抜け出して視聴者を増やすことができる
-動画コンテンツの需要がある垂直的な市場をターゲットにする
・eBayの商品のためのオークション動画
・不動産を詳しく確認するための動画
・特別な関心を引き起こすウェブサイト(車、スポーツ、政治など)のプラットフォームになる
-開発中の機能
・コミュニティ機能:グループ、シェア、動画とのよりよい出会い方
・外部への届け方:外部プレイヤー、developer APIs

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販売と流通:

・マネタイズの方法

-広告
・"Google Adwords"のYouTube版:広告主に、YouTube上に広告動画を上げさせる。広告動画のサムネイルは検索した動画とともに出てきて、関連動画としても出てくるようにする。
Google Adwordsと同様に、広告動画は関連する場合にのみ表示され、広告動画として明確にマークがつく。
・再生中の動画に重ねて、Flash動画プレーヤー内にインタラクティブ広告を表示する
・検索した動画の最初に短い広告動画を流す
・検索した動画の最初に広告イメージを表示する
-プロモーションビデオの有料配信チャネルとして機能させる
・イベント、カンファレンス、コンサート
-プレミアムプランを用意して、利用者の一部から課金してもらう
・動画のオフラインDL機能、ハイレゾ視聴
・ブラウザ内での動画編集機能:エフェクト、*トランジション、タイトルなど
・外部埋め込み可能な動画プレイヤーのための上位機能
→オークションや不動産に特化した機能の提供

*トランジション
「移り変わり」や「移行」という意味を表す言葉で、動画制作の場合はカットとカットをつなぐときの切り替え効果(演出)という意味で使われている。
-プレミアムコンテンツごとに視聴者に課金させる
・利用者に動画コンテンツをYouTube上で売ることを許可し、手数料を徴収する

・指標

2005年6月11日にローンチしたばかりだが、すでに既存の競合を凌駕しており、今ではこの領域の独占プレイヤーである。

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*2005年8月時点での100万人あたりに対するリーチ/日:200人

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・チーム

創業者:

-Steve Chen
Max LevchinにPayPalの初期エンジニアの1人としてリクルートされた。イリノイ大学のCS。

-Chad Hurley
PayPalの最初のデザイナー。PayPalのサイトデザイン、ロゴを担当した。

-Jawed Karim
スタンフォード大学のCS学部卒業。

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Botha Exhibit 2(競合比較など)

・Introduction

YouTubeは興味深いシードステージの投資機会を我々に示していた。YouTubeの目的はインターネット上のUser-generated型の動画コンテンツで主流になり、あらゆる人がコンテンツをアップロード、シェア、視聴できるようにすることである。

3人の起業家はまとまりがなく、そして非常に利発だ。彼らは圧倒的に使うのが簡単で、急速に成長しているサービスを作った。User-generated型のコンテンツ、オンライン広告、指数関数的に増加する安価な動画キャプチャデバイス、そしてブロードバンド加入数の増加には胸が高まった。

YouTubeは、利用者がダイレクトに外部サイトに埋め込めるようにするコードスニペットも開発していた。このおかげで、オーガニック流入の加えて広範囲に拡散経路を作ることができている。

・ディール

私たちの提案は、シードで$1Mを投資し、その後特定のマイルストーンが達成されたら$4MをシリーズAで投資するというものである。

セコイアはシードで最大17%をプールして、シリーズAのポストで最大30%を取得するつもりだ。

・競合

直接的にも潜在的にもYouTubeには数多くの競合が存在する。これら競合は以下のようなサービスを含む。

-直接的な競合(dailymotion, vimeo)
-コミュニティ写真サイト(flickr, webshots)
-オンライン写真共有サイト(ofoto, shutterly, snapfish)
-巨大IT企業(GoogleとYahoo!の動画検索)
-エンタメサイト(big-boys, ebaumsworld)
-ファイル共有サービス(ourmedia.org, putfile)
-*IPTV企業(Open Media Network, Brightcove)

*Internet Protocol TV...クローズドなネットTVのこと

YouTubeは上記2つの直接的な競合スタートアップ(dailymotion, vimeo)に明確な差をつけている。その他のカテゴリーにあたる潜在的な競合は必ずしも動画コンテンツに注力しているわけではなく、コミュニティを基盤としたサイト上でのUser-generated型のコンテンツに注力しているわけでもない。
それにも関わらず、YouTubeという企業は今後3〜6ヶ月かけて豊富な機能とコンテンツを作り上げ、参入障壁をより高める必要がある。

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・採用計画

私たちはYouTubeがCEOとBizDevのVP、営業を速やかに雇う手助けをする必要がある。創業チームはYouTubeをリードしていく経験豊かなCEOを雇うのに熱意を傾けている。しかし、私たちはシリーズAが始まる前までにそうしたCEOを用意できるか定かではない。各部門の潜在的な候補者のアイデアならどんなものでも私は歓迎する。私としては即座に候補者を探し出し、CEOを90日以内に用意したい。

2人の元PayPalエンジニアは来週入社予定であるが、これは例外である。

近い将来にYouTubeを私たちのインキュベーション施設に収容する計画であるが、こうすることで洗練されたマネジメントチームを私たちが用意してあげられるまでの間、彼らと頻繁に交流するのに役立つだろう。

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主なリスク

・競争/参入障壁

先ほども述べたように、YouTubeには重大な潜在的競合が存在する。YouTubeはUXを改善し、成長軌道が継続するように集中し続ける必要がある。

・収益モデル

私は、YouTubeは広告収益のチャンスを明確に持っていると思う。しかし、私たちはどの広告モデルが最も機能するのかはまだ分かっていない。特に、YouTubeは顧客体験を毀損しないような魅力的な広告プロダクトを開発することはできるのだろうか?
私たちは売上モデルを以下のように組み立てた。

ストリームされる動画数/日 × マネタイズされる動画の割合(%)× CPM × 365 =推定年間売上とする。

いくつかのパラメータは以下のように不明である。

1. 私たちは、YouTubeが操作できるCPMレートを知らない。動画広告のCPMは最低$5〜最大$30以上のレンジになりうるだろう。

2. 私たちは在庫(アップロードされた動画)のうち何%をマネタイズできるのかを知らない。

3. 私たちはYouTubeが現状の100,000動画/日がアップロードされるというレベルからどこまで成長するのか定かではない。

以下は3種類の異なるモデルで、売上のポテンシャルも示している。

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私たちは今後数ヶ月間、YouTubeの売上ポテンシャルを正確に掴むためにこれらの仮定を慎重にテストしていかねばならない。
また、YouTubeのコンテンツ拡散経路が上手く機能しているか、それらの経路から広告収益を生み出すことはできるのかどうかもテストしなければならない。(Googleは売上の最大55%を自社サイトから得ており、残り45%以上は外部サイトから生み出している)

YouTubeの現在のレベルの100倍以上にもなる1,000万〜3,000万本の動画を配信するというのは気が遠くなるようなことだ。まだ15,000本の動画しか配信されていないが、YouTubeは現在の規模までたった2ヶ月で到達している。
(比較のために言っておくと、FlickrとWebshotsという写真コミュニティサイトはYouTubeの200〜500倍のPV/日を獲得している)

・スケールの可能性

上記が示すように、YouTubeは有意義な売上を獲得するためにも現状のレベルから飛躍的に成長しなければならない。私たちは、YouTubeがそこまでコストをかけずに桁違いに成長できることを確信している。

・成長のバランス

YouTubeは、YouTubeコンテンツを配信する可能性を考えているメディア大手(Turner, Transcosmosなど)の関心をすでに引いている。
他のあらゆる市場と同じように、私たちは需要と供給のバランスをとるようにしなければならない。YouTube上の動画の数を大幅に増やすことなく、利用者の数を大幅に増やすというのはおすすめできない。YouTubeはコンテンツが不十分だということから多くの顧客を失望させている余裕はない。

・Exit

私たちは比較できるようなExit時のバリュエーションをあまり見つけられない。

Webshots、flickr、Ofoto、Shutterly、Snapfishがなんとか比較できる企業である。これらの企業が静止画のみを扱う一方で、YouTubeとの類似点もいくつかある。どの企業も例外的なExitはしていない。CNETはWebshotsを$70M以下で買収し、Yahoo!はflickrを$50M以下で買収した。Shutterlyは明らかにIPOの準備をしている。詳しい財務情報は公開されていないものの、OfotoとSnapfishはそれぞれKodakとHPに買収された。

他に挙げられるのは2002年にGoogleに金額非公開で買収されたBloggerだ。

User-generated型のコンテンツでレバレッジをかけて成功した企業はいくつかある。2004年にIACに(私の知る限り)$100M以上で買収されたTripadvisorがそうだ。

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推薦

私はYouTube社と3週間前に出会ったが、今では彼らの資金調達の最前線に立っている。多くのVCがコールドコールをかけてきており、いくつかのメディア企業もYouTubeに接触してきている。私は月曜日にはYouTubeに我々の意思決定を伝えたい。

私は提案どおりに資金調達を進めることをおすすめする。

YouTubeの創業チームはいくつかの有望なテーマで好成績をおさめている素晴らしいチームだ。YouTubeはテキスト(blogs)から始まり、画像(flickr, webshots, ofoto)、そしてオーディオ(podcasting)と進んできたUser-generated型コンテンツのトレンドに乗っている。
動画は次のステップとして自然であり、YouTubeはリードを獲得する上で良いポジションをとっている。YouTubeはまだ広告収益モデルを実行していないが、私たちがYahoo!とAdbriteと調査したところによると、広告主は動画広告を非常に強く望んでいる。私たちは急いでマネジメント、とりわけCEOを用意する必要がある。

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投資の要点

初期のPayPalの社員3人によって創業された。2人がエンジニアで1人がデザイナーだ。シードラウンドでの投資の機会である。ローンチから2ヶ月で10,000位以内のインターネットサイトになっている。

・ビジネス
-YouTubeの目標はインターネット上のUser-generated型の動画コンテンツで主流になることである。YouTubeは利用者が非常に簡単にアップロード、シェア、検索できるUIを提供している。

-現在のデジカメはすべて録画機能付きで店頭に並んでいる。しかし消費者は彼らの動画コンテンツを簡単にアップする方法がない。ファイルは巨大で、ホスティングも帯域幅を広げるのも高価で、動画の統一フォーマットがない。

-利用者は動画をYouTubeにアップロードする。YouTubeはアップロードされた動画をFlash Videoに変換する。なおFlash Videoはウェブユーザーの97.6%が使用しているブラウザ上で機能する。ストリーミングフォーマットはDLの必要がないことを示している。
・市場
-YouTubeは動画をセルフ投稿するプラットフォームとコミュニティを提供している。私たちはこれまで同じようなテキストや写真、オーディオのセルフ投稿の盛り上がりを見てきた。これは興味深い広告収益の機会を提示している。

-垂直的に市場の機会があるのも興味深い。eBayのオークション動画や不動産動画などである。
・財務(現状)
-YouTubeは現在100,000本/日を配信しており、1ヶ月あたりのホスティング費用は$4,000である。

-YouTubeはソフトウェア抽象化レイヤーを開発したことで、非常に安価にハードウェアを使うことができ、動画を配信する帯域幅を使えるようになった。
・競合
-Big Players:Google動画検索、Ouemedia.org、Open Media Network
-Small Players:Dailymotion、Vimeo、Putfile
・チーム
-Steve Chen
イリノイ大学のCS。PayPalにリクルートされた最初のエンジニアの1人。

-Chad Hurley
PayPalの最初のデザイナー。PayPalのサイトデザイン、ロゴを担当した。

-Jawed Karim
スタンフォード大学のCS学部卒業。彼もPayPal最初のエンジニアの1人。
・提案ターム
-2ステージ、マイルストーンに基づくファイナンス:シードで$1M、シリーズAで$4M
-Steve ChenはシリーズAの後、最大30%の株式を保有する
-以下がシリーズAのマイルストーンである
▶︎財務計画も含めた総合的なビジネスプランを設計する
▶︎自立的な広告プロダクトを開発する
▶︎$5,000以上の広告を発注してくれる広告主と少なくとも5社以上契約する
▶︎少なくとも1日あたり100万本を処理できるようなプラットフォームのスケーラビリティを確保する
▶︎BizDevのVPを雇う

・競合

1. 直接的な競合

2つの直接的な競合はDailymotionとVimeoである。

・Dailymotionはフランス拠点である。Dailymotionは自信を「視聴して、投稿して、シェアする」サイトとしてポジショニングしている。非常に優れたUIではあるが、ナビゲーションとレイアウトはYouTubeほど直感的なものではない。また、全ての動画はQuicktimeでエンコード、レンダリングされる。QuicktimeはFlashほどは世間に浸透していないので、利用者はDailymotionを使うためにQuicktimeをわざわざDLしなければならないだろう。

・「Vimeoはあなたの動画を共有するためのもの。」VimeoはニューヨークのConnected Venturesが始めたサービスだ。彼らのミッションは「優れたウェブサイトを開発、運用すること」である。彼らはCollege Humorという人気サイトも運営している。flickrからインスピレーションを受けたとも述べており、2005年の2月にローンチされた。
VimeoもQuicktimeを使っている。彼らのサイトレイアウトはあまり直感的でなはなく、コンテンツを見つけにくくしている(検索機能すらない)

以下のグラフはYouTubeとDailymotion、VimeoのPV比較である。YouTubeのトラフィックは急速に2社を凌駕している。

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2. コミュニティ写真サイト

コミュニティ写真サイトはYouTubeと同じ特徴が複数ある。タグ、ソーシャルネットワーキング、ディスカッショングループ、簡単な利用方法だ。しかし彼らは動画よりも静止画に注力している。

YouTubeはflickrからインスピレーションを受けたと認めている。flickrはYouTubeの200〜300倍のPV数がある。Yahoo!はflickrを今年初め頃に金額非公開で買収した。(おそらく$30M以下だと思う)リードホフマンはflickrの投資家であるが、彼はYouTube運営チームに、flickrは1,2年以内に動画プロダクトを出す計画はないと保証した。

Webshotsは潜在的な競合で、CNETが2004年に$70M以下で買収した。おそらく年間の売上は$15M〜$17MだろうとCNETは推定していた。Webshotsの創業チームは全員去ったので、新製品のイノベーションがどれほどあるかは不明だが、今のところは写真にとても注力しているように見える。

3. オンライン写真共有サイト

主要なオンライン写真共有サイトであるOfto、Shutterly、Snapfishも潜在的な競合である。彼らはコミュニティのような機能は搭載していない。彼らは主に印刷から収益を獲得している。こうしたことから、彼らはまだ写真に注力するだろうと私は思っている。

4. エンタメサイト

すごい量のトラフィックを獲得している人気のエンタメサイトは複数ある。Big-boys、ebaumsworld、ifilmだ。

YouTubeによるとこういうことだ。
「Big-boysとebaumsworldは非常に多くのトラフィックを獲得しているが、それは彼らがホストするコンテンツのタイプに期待されることだ。あなたが彼らのサイトを訪問すると何か面白いこと、衝撃的なことを見ることができるのは請け合いだ。しかしこの不利益は、彼らは実際のプロダクトに移行することはできないということも示している。サイト上のコンテンツのせいで彼らは市場の特定のセグメントに凝り固まっている。もし僕がYouTube上のコンテンツを分類するとしたら2つに分けられるよ。Personalな動画とViralな動画だ。著作権のある動画と卑猥な動画によってBig-boysとebaumsworldが僕たちをViralな動画で打ち負かす可能性はあると認める。しかし僕たちはYouTube上でViralな動画のシェアがいくらかあるのを確認しているし、YouTubeの最大の魅力はペットや子供、家族に休暇といったあらゆるPersonalな動画だ。Big-boysとebaumsworldは彼らのoriginからしてこうしたPersonalなコンテンツに移行することはできやしない。」

Big-boysとebaumsworldは「Jokes、Pictures、Office Humor、Flash Animation、Soundboards、Prank Calls、Audio、Video、Games、Illusions、Magic」といったものを提供することで出来る限り幅広いエンタメサイトだと同社を位置付けている。

「IFILMはウェブ上の動画コンテンツのリーディングカンパニーであり、動画、ショートフィルム、TV番組、テレビゲームの予告映像、MV、スポーツ、そして有名なバイラル動画コレクションだ。IFILM.COMは1ヶ月あたり3,000万以上をストリーミングし、世界でトップ10のストリーミングサイトになっている。」
IFILMは明確に潜在的な競合だが、User-generated型コンテンツに注意を払ってはおらず、YouTubeのようなコミュニティ機能にも注力していない。

5. 巨大な競合

GoogleとYahoo!は動画検索プロダクトを構築している。Googleは利用者に対して「Google Video Viewer」をダウンロードを要求する一方で、Yahoo!はそのままのフォーマットで動画を再生できる。どちらのケースでもシンプルな動画アップロード・共有体験を提供していないし、コミュニティ機能も提供していない。

6. ファイルストレージサービス

PutfileとOurmedia.orgは、FTPに対する無料のウェブインターフェイスを提供しているファイルストレージ事業者の一例だ。どの企業も説得力のあるプロダクトを持っているようには思えず、User-generated型のコンテンツにmpあまり注力していない。

7. IPTV

最後に、Open Media NetworkやBrigtcoveのようにインターネットを超えて動画を配信することに注力している企業がある。私はこれがYouTubeと直接競合するとは思わない。

以下は競合マトリクスのまとめである。

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・技術インフラ

*このページは技術的な記述が多く、和訳するのが困難であったため原文をキャプチャしました。

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・チームの紹介

Chad HurleyはYouTubeの共同創業者だ。Chadはウェブ開発とグラフィックデザインの経験がある。彼はPayPalの最初のデザイナーで、小型端末間の安全なワイヤレス送金を可能にする、独自プログラムのインターフェイスを開発する取り組みを主導した。
製品の進化に伴い、彼は、PayPalの長期的な成功を確固たるものにするオークション機能を効果的に設計し、2つの重要なオークション特許のメンバーにもなっている。Chadは動画サービスを世界のために構築していくのを楽しみにしている。

Jawed KarimはYouTubeの共同創業者だ。彼は元々イリノイ大学のCS学部の生徒で、Max LevchinからPayPalの初期エンジニアとしてリクルートされた。そこで、PayPalの最初のリアルタイムクレジット詐欺防止モデルの実装にRoelof Bothaの近くで協力した。(*訳者注 Roelof BothaはPayPalのCFOでもあった)
彼は後に、PayPalのアーキテクチャチーム(100人以上いるエンジニアの中から選りすぐった5人のグループ)として、PayPalを8,000万人以上が使うものにスケールさせるという難題に立ち向かった。
彼はスタンフォード大学のCS学部を最近卒業した。

Steve ChenはYouTubeの共同創業者だ。YouTubeのCTOとして、彼は動画配信を技術的にリードしつつも動画をもっと機能性の高いものにする需要を満たす責任も負っている。YouTubeに取り組む前はPayPalのテクノロジーチームに6年間在籍していた。PayPalでは、PayPal China、PayPal Developer XML APIs、PayPal Shopping Cartのようなプロダクトのエンジニアチームを率いていた。

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会社の目的:インターネット上のUser-generated型の動画コンテンツで主流になり、あらゆる人がコンテンツをアップロード、シェア、視聴できるようにする。

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問題:
・動画ファイルはサイズが大きすぎてEmailで添付できない
・動画ファイルはサイズが大きすぎてホストできない。
・動画フォーマットには標準化されたフォーマットがない。
・動画はコンテンツとして孤立してしまっている。

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解決策:
・消費者がYouTubeに動画をアップロードする。YouTubeはそのコンテンツを数百万人のユーザーにしっかり届ける。
・YouTubeはアップロードされた動画をFlash Videoに変換する。
・YouTubeはユーザーを動画と繋げ、ユーザーどうしを繋げ、動画どうしを繋げるコミュニティを提供する。

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市場規模:
・録画技術は史上最も安価になっており、既存のプロダクトに埋め込み、大量生産することが可能になっている。
・家庭用ブロードバンドインターネットはついにクリティカルマスに達し、インターネットは動画コンテンツを流通させる場所になった。

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競争:
・OurMedia.org、Open Media Network、Google Video
・PutFile、Dailymotion、Vimeo

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プロダクト開発:
・コミュニティ
・オープンアーキテクチャ
・動画コンテンツの需要に応じた垂直的な市場をターゲットにする
・現在開発中である

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営業と拡散:
・広告
・プロモーションビデオの有料配信チャネルとして機能させる
・プレミアムプランを用意して、利用者の一部から課金してもらう
・プレミアムコンテンツごとに視聴者に課金させる

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チーム:
Steve Chen
PayPalの最初のエンジニアの1人であるMax Levchinに同社にリクルートされた。イリノイ大学のCS。

-Chad Hurley
PayPalの最初のデザイナー。PayPalのサイトデザイン、ロゴを担当した。

-Jawed Karim
Max Levchinに初期のエンジニアの1人としてPayPalにリクルートされた。スタンフォード大学のCS学部卒業。

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指標:
2005年6月11日にローンチしたばかりだが、すでに既存の競合を凌駕しており、今ではこの領域の独占プレイヤーである。


企業のマトリクス

以下の3つのチャートはYouTubeが2ヶ月前にローンチして以来の重要な指標である。1日あたりの視聴数、登録者数、累計動画配信数だ。

グラフはこれまでのところ健全な伸びを示している。

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*2005年8月時点
①視聴回数/日:約10万回
②登録者数:9,000人
③累積動画配信数:約1.5万本

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Botha Exhibit 3(出資に関するコメントなど)

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2005年11月7日、カリフォルニア州メンロパーク。

ウェブを通じて動画を視聴・シェアできるようにするメディア企業YouTubeは本日、Sequoia Capitalからの$3.5Mのプライベートエクイティでの調達を完了したことを発表する。

PayPal出身のインターネットコマースのパイオニアたちが創業したYouTubeは、YouTube及び外部サイト、ブログやメールを通じて人々が簡単にパーソナルな動画をアップロードし、タグ付けし、シェアできる新サービスを開発した。このサービスがあれば利用者はパーソナルな動画ネットワークを作ることもできる。

この資金はYouTubeの急速な成長をさらに加速させ、プロダクト開発、営業・マーケティングをより強化していくために使う予定だ。

「デジカメから携帯電話まで、より多くの人が録画機能を持ったデバイスを持ち歩くようになる。YouTubeはこうした体験を視聴したりシェアしたりするための重要なサービスになる準備をしている。」とCEO兼共同創業者のChad Hurleyは述べている。

「僕たちはSequoia Capitalからのサポートをとても嬉しく思っている。公開プレビュー以来、すでに1日あたり8TBのデータをYouTubeコミュニティを通じて移動しているが、これはBlockbuster1店舗をネット上で動かしているのと同じようなものだ。」

YouTubeが出てくるまでは、ウェブ上で動画を視聴したりするのは簡単なことではなかった。メディアプレイヤーは数え切れないほど多くあり、それらを使うユーザーの負担は大きかった。
YouTubeは先進的な技術インフラを使うことで、消費者が動画を速く簡単にグローバルに配信できるようにした。

「消費者が利用可能なあらゆる家電から恩恵を受けようとしているこんな時代にYouTubeと関われることに私たちは胸がとても高鳴っている。User-generated型コンテンツへの需要は指数関数的に伸びている。」とSequoia Capitalのパートナーで元PayPalのCFOであるRoelof Bothaは述べた。
「私たちはすでにUser-generated型コンテンツの流行をブログというテキスト形式で見たし、FlickrやShutterlyのようなサービスで写真形式でも見てきたし、Podcastingでオーディオ形式のものも見てきた。YouTubeは次の流れであるインターネットのプレミア動画サービスのパイオニアになるだろう。」

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コメント (1)
凄い。当初抱えていたissueと解決方針を明確に見出しており、未来のマネタイズ候補、拡張先まで完璧に見通している。これぞ慧眼。
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