日記13:窒息(2019/07/24)

息が苦しいほどの星空を見上げたこと、ある?

小学生のころか中学生のころか、まあいつだったか正確には覚えてないんだけど少なくとも物心はついていた頃、町内の1/3くらいが真っ暗になる大規模停電があった。電線が千切れただかなんだかで、だから復旧するまでしばらく真っ暗だったから、なんでかみんなで家の外に出た。

すごいぞ。生活の光がなくなった時の山は。

星が降ってくるとはこういうことかというまさにそういう星空がマジで見えるんだ。よく晴れた日に「オリオンの剣、柄まで見えたー!」とか「あっ今日星雲まで見えるー!」とか言ってるああいうレベルじゃないんだ。なんかもう、全部見えたな!っていう。いまこの角度から空を見たときに見えるはずの星は全部見えたな!っていう。そういう。

だって今日日ないでしょ、下より上の方が明るいこと。なんかめちゃくちゃ覚えてるんだよな、「夜なのに空が明るい」という違和感と感動。

ありえん綺麗な星空を見て俺は「息が止まって死ぬとしたらこういうときだ」とぼんやり思うなどした……ような気がする。多分上見すぎて息浅くなっただけなんだけど。

そういうことがあって以来、停電が好きだ。電気屋さんは大変だろうけど、おれは大規模な停電がとても好きだ。空と自分と地面以外何もない時間、はやく来ないかな。少し怖いけど。

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