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フリーターが営業マンになって役者になって降板→休業するまで(1)

初めまして。スズムラ雀と申します。
東京を中心に役者(ようなもの)をしています。

自己紹介がてら、私の今に至るまでのお話をしたいと思います。

⑴転職
⑵退職
⑶「スズムラ雀」の誕生
⑷度重なる降板

⑴転職

私は、つい一昨年まで大学を中退してフリーターをしていました。
しかし、周りの同級生たちは続々と就職して社会人としての道を邁進していく中、フリーターをしている自分に強い劣等感を抱いていました。

そこから、心機一転新天地でキャリアを積むことを目指し、正社員としての転職を目指し、就活をはじめました。
しかし、いくら二十代といえど、転職の間口は狭い。
女だから?大学を中退しているから?フリーターだったから?そもそも正社員を目指すことが無謀なの?
接客業のアルバイトをしていたので、接客業での転職も考えましたが、エージェントの方が「この職種ならご経験とスキルを行かせますよ!」と薦めてくださったお仕事も「高価格商品の販売経験がないため」だとか、「熱意が感じられないため」とか「他に良い方がいたため」だとか、内定に繋がらない、繋がらない。
転職活動はだいたい2ヶ月くらいと考えてくださいと言われたのですが、2ヶ月を目前にして、内定ゼロ、面接予定ゼロの窮地に立っていました。

と、同時にメンタルと金銭的に(主に交通費、および私服面接のところもいくつかあったため、その費用で※)限界を迎えつつありました。

※私がしていたアルバイトは主に制服に着替えるものだったので、Tシャツにスウェット、デニムなど極めてカジュアルな衣類しか持っていませんでした。

その時、エージェントを通さず受けた会社で滑り込むように内定をいただき、内定をもらってからひと月も経たずに新天地へと旅立ちました。

夢の生活の始まりのはずでした。
もう、早上がりを(半ば)強制されることもない。毎日時給を気にしながら無理な残業をする必要もない。立ち仕事からの解放、野外接客で冬場ホッカイロ貧乏になることもないし、何より体力的に今後続けていけるのかという不安から解放される…!

新しい会社に入り、まずは2ヶ月間、新入社員5人でみっちり新社会人としての研修を受けました。ビジネス基礎、マイクロソフトオフィスの使い方、などなど…。不慣れなもの同士、苦労も多かったですが、同期みんなで力を合わせて課題に立ち向かいました。
そして、配属発表の日。私はもう一人の同期と一緒に営業部への配属が通達されました。

もう一人の同期が、発表の後そそくさと会議室を出ると、一人で涙をこぼして泣きはじめました。誰も寄せ付けないという雰囲気で、声をかけることもできませんでした。

翌日からその同期はそれまで「雀ちゃん」と呼び、年上らしく気さくに話しかけてくれていたのに、「スズムラさん」と呼び、敬語を使い、話しかけてくれなくなりました。
他の同期に彼女の様子を聞いたところ、「大丈夫だよ」とだけ言われました。確実に自分が原因だと悟りました。

先述した通り、私たちは営業部の配属でした。昼間、客先にいくことのない私たちは会社に置き去りで、先輩はほとんどいない中、ほぼ二人きりで千本ノックのごとくテレアポをしていました。
会社勤めの方ならご経験のある方も多いかと思いますが、営業電話ほど疎まれるものもありません。クレームより酷い扱いです。中には嫌がらせをされる方もいます。例えば、話を聞くふりをして禅問答のような話をしたり、支離滅裂な話をしてこちらを困らせる…といった具合です。
私の会社にもいましたが、中にはテレアポ専門のアルバイトをされる方もいますよね。本当にすごいなと思います。

休憩時間も、話す相手もいない、同期と少しでも打ち解けようと話しかければ、だんまりを決め込まれてお通夜、休憩所にも居場所をなくした私は一人で外食をするようになりました。
ほどなくして、ある日、急に朝ベッドからまともに起き上がることもできなくなり、輝きに溢れるはずだった新生活は唐突に終わりを迎えました。
後から、同期は私のことが羨ましかったのだと聞きました。
私の方が優秀に見えて、劣等感から上手く接することができなかったのだと。
私からすれば、彼女の方がよっぽど優秀で輝いていたのに。

⑵退職

精神科の通院をはじめた私は、
・当面の就業停止
・規則正しい生活リズム
・3食食べて忘れず服薬すること

を指示されました。

そんなこと?と思うかもしれませんが、私にはどれも辛いものでした。
学生時代から「自分のために学ぶこと」が苦痛だった私にとって、目の前にいる誰かのために仕事をすることが丸々自分の存在意義でした。
朝まともに起きられなかった私にとっては朝起きて夜寝ることも上手くできなかったし、3食食べる食欲も皆無でした。

極端に思われるかもしれませんが、当時の私は「全て無くした」と本気で思っていました。

それから少しして、急に開き直った瞬間がありました。
今思えば「躁状態」です。
その時に「どうせ何もないならなんだってできるんじゃない?」と思ったのです。
そうして、ネットで数々のオーディション情報を集めて、オーディションを受けはじめました。
それが、「スズムラ雀」の始まりです。

(続く)


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