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「花の詩女 ゴティックメード」

 2012年に公開された映画だが、2022年にリバイバル上映された。様々な経緯でDVD化しない方針とのことで、最終日にようやく見ることができた。背景情報が多い映画だが、いちいち解説するのも面倒なので、用語についての解説はしない。それに背景情報を知らなくても楽しめる。 

 さて、本作はメカニックやキャラクターのデザイナー(機動戦士Zガンダムや重戦機エルガイムが有名)、また「ファイブスター物語」を描く漫画家として著名な永野護氏が、原作・監督・脚本をはじめ、絵コンテ・レイアウト・原画・全デザイン、要するにほぼすべてを手掛けたアニメである。

 ストーリーは「ファイブスター物語」の物語から一つを取り上げたもの。典型的なボーイ・ミーツ・ガールもので先が読めるような展開で、最初は見ていて恥ずかしくなるくらいだが、その映像の美しさに魅了される。キャラクターやメカの造形がファイブスター物語そのままなのである。いや当たり前といえば当たり前なんだが、絵コンテを全部描いてるってのはすごいよ。

 それに声優たちの演技も、主役で永野護の奥様である川村万梨阿をはじめ、佐々木望、折笠愛、大塚明夫といったベテランの名優を起用するなど、落ち着いて見ていられる。もっとも川村万梨阿は主題歌や挿入歌まで歌っており、意地悪な言い方をすると川村万梨阿のプロモアニメと見ることも出来る。

 ともかく、美麗な映像と永野護の脳内世界に酔いしれよう。もっとも、レビューを書いたとしてもDVD化はされないのだから、この拙いリバイバル上映を待つしか無いのであるが…。


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