多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma:PRP)局注はミノキシジル外用に劣らない治療である、痛いけど。
<メモ>
多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma:PRP)注射とミノキシジル外用との効果を比較した、中等症男性型脱毛症に対する非盲検無作為化比較試験です。
PRPのメリットとして、月1回頭皮に注射するだけで良く、フィナステリドやミノキシジルのように毎日内服したり処置したりする必要がない点が挙げられます。
この研究によれば、PRPはミノキシジルと比べ副作用の頻度(ミノキシジルはかぶれ、PRPは痛み)は多いものの、効果は劣らないと結論づけています。
<コメント>
筆者によれば同じような研究は他に4つあるそうです。ざっくりまとめるとPRPはミノキシジルと勝るとも劣らない治療であり、併用もアリだそうです。PRP問題は痛いことで32人中4人が1回打ってギブアップしています。
今回、PRPは月1回3か月打って、その後3カ月休むという治療を行っていますが、その後はどうするのが良いのかが気になるところです。
<紹介論文>
Balasundaram, Mithinkumar, Rashmi Kumari, and Sivaranjini Ramassamy. "Efficacy of autologous Platelet-rich plasma therapy versus topical Minoxidil in men with moderate androgenetic alopecia: A randomized open-label trial." Journal of Dermatological Treatment just-accepted (2023): 1-20.
要約
背景:標準的な非活性PRP製剤の効果と安全性をミノキシジル外用と比較検討した。
方法:25歳~50歳の男性型脱毛症患者で、重症度がハミルトン・ノーウッド分類でⅢまたはⅣに相当する患者を対象に、5%ミノキシジル外用を6カ月行う患者とPRPを1カ月に1回を計3回行う患者に割付けた。効果判定は24週時点での画像評価(global photographic assessment)、評価領域の毛髪数、毛の濃さ、そして12週時点での成長期毛で評価した。
結果:合計64名の患者を対象に研究は行われた。開始24週時点で、ミノキシジルを塗布した患者の56%が発毛し、PRPを注射した患者では38%が発毛した。12週時点での評価領域における毛の本数、濃さは明らかに増えていた。副作用はPRPを注射した患者の53%でおこり、一方でミノキシジルを投与した患者での有害事象発生率は37%だった。患者満足度はミノキシジルの方が上だった。
結論:PRPは中等症の男性型脱毛症に対する治療として有効であったが、ミノキシジルと比較するとあまり効果に差がなかった。そして、副作用はPRPの方が多かった。
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