2024年どうなる生成AI~音楽生成AI編~
昨年2023年は”生成AI生成期”、”生成AI元年”なんて言われていました。
今年2024年から向こう1年でまた生成AIは進化を遂げることかと思います。
そこで、各生成AIに関して簡単に私、木村、チーム木村が思っていることも交え、予想あるいは願望めいたことも含めて書いてみました。
ちなみにここでいう各生成AIとは
をいいます。
今回は、音楽生成AIについて。
まず、私がこれまでチェックした音楽生成AIサービス・ツールが以下の通りです。
Amadeus Code
Amadeus Topline
Aiva
Amper Music
BeatBot
CREEVO
Ecrett Music
FIMMIGRM
Jukebox
Melobytes
Melobutes
Musicfy
MusicGen
MusicLM
MuseNet
Riffusion
Ripple
SOUNDRAW
SongR
Soundful
Suno AI
Boomy
GPT作曲くん
Uberduck.ai
Tracksy AI
と、なかなか他の方が取り上げているのを目にしたことがない音楽生成AIも含まれているんじゃないかと思います。
ですが、私の比較サイトに音楽生成AIをカテゴライズして、まとめたりはしていません。
主たる理由としては、微妙だからです。
音楽的な、あるいは作曲のリテラシーの有無も関係してきますが、基本的にサービス・ツールとして、UI/UX的に使いづらいと感じるものが多く、主観ではありますが「うーん」といったところです。
私自身、ギター、ベース、ドラムが一応は出来るスキルがあり、DTM等の作曲も過去に行ってきたことがあるのですが、生成される楽曲が全体的に単調に感じました。
この辺は触り込めばどうにかなるのかという希望めいたことも考えられますが、全体として微妙だなというのが感想、思いです。
時短という意味ではスゴイと感じるものもありますが、音楽はクリエイティブだという観点からすると、『単に時短や効率的に曲を作ることが出来るが、だからこそ楽曲のクオリティがイマイチなのか』と感じたりもしました。
この辺は難しいところで、画像生成AIや動画生成AIにも通ずるところがあるというか、アートやクリエイティブなモノには時短や効率面は必ずしも必要ではない、と。
もちろん、音楽生成の技術はスゴイとは思いますし、個人的には「もっと音色が悪いと思っていた」ところ、全然悪いということはありませんでした。
生成される曲が単調なものが多い理由として、以下の点が考えられます。
加えて、ユーザーの入力の限界というのも、理由に加えられるかと思います。
音楽生成AIは”作曲”という技術がありますが、ユーザーの操作・入力に基づいて生成されます。
そのため、ユーザーの操作・入力が単純な場合、生成される曲も単純なものになりやすいのだとも考えられます。
ユーザーの操作や入力が単純になる理由には、UI/UX面で使いづらいということから、妥協も含まれていると考えられるように思います。
音楽生成AIサービス・ツールの中には、”生成した楽曲をダウンロードするには有料”というものもあります。
この辺に関しては、個人の好み、あるいは用途によって異なるでしょう。
例えば、音楽制作のアイデアを得たい、または、音楽制作の初心者が手軽に曲を作ってみたいという場合は、音楽生成AIはモノによっては有用なツールになる可能性はあるかと思います。
以下、細かな気になる点はあれど、個人的に面白い、有用なサービス・ツールになる可能性があると感じた音楽生成AIを紹介します。
▼Musicfy
Musicfyは、最初に知ったときに、まず面白いと感じたモノです。
音楽リテラシーがない、作曲なんて出来ない(したこともない)、という方でも、口笛やハミングで楽曲の生成が可能というモノです。
一旦テストして、深くは触っていませんが、直感的に面白いと感じたため、折見てまた触ってみたいとは考えています。
▼Suno AI
Suno AIですが、詳しくはサイトのほうでまとめています。
↑のXのポストは、Suno AIで生成された曲をMV仕立てにしたものです。
Suno AIは無料で音楽生成が可能で、ボーカル入りの曲から、ボーカルのないインストゥルメンタル(曲のみ)も生成可能です。
↑こちらがSuno AIで生成した曲のMVのショートバージョンになりますが、私の場合、Suno AIでこの曲が生成されて聴いた時点で、MVにしたいという思いと、その時点で『こんな感じのMVにしよう』というのは絵コンテ込で頭にありました。(そのため10分程度で作れました)
主観ではありますが、Suno AIに関しては、前述した”生成される曲が単調なものが多い理由として考えられること”をクリアしていると言えるかと思います。
生成AIの技術の進歩は凄まじいものがありますし、音楽生成AIに関しても、技術がさらに進歩し、学習データの偏り・生成アルゴリズムの問題が解消されれば、よりオリジナリティのある、そして使いやすい音楽生成AIが登場するのではないかと考えられます。
あとは、やはり気になるところとしては著作権の問題でしょうか。
音楽生成AIサービス側としては、生成された楽曲が著作権を侵害する可能性について、ユーザーに注意喚起することは必要だと思います。
ですが、最終的に楽曲を生成するのはユーザーであり、ユーザーが著作権を侵害するような楽曲を生成した場合は、ユーザー側に責任が生じることになるのではないかと思っています。
例えば、”お任せ作曲機能”みたいなのがない場合、ユーザーが入力・生成の指示をして生成するわけなので、その生成した楽曲が「この曲って〇〇っぽい(例えば有名アーティスト)」といった声が上がったとしても、それはユーザーの入力内容が原因である可能性があります。
各音楽生成AIによって、著作権の扱い、ガバナンスに関しては統一されていません。(ユーザーが生成した楽曲を、音楽生成AIサービス側が権利を所有する仕組み、という音楽生成AIサービスもあれば、ユーザーが生成した楽曲の権利は、ユーザーが保持する仕組み、だったり)
今後、音楽生成AIの技術がさらに進歩し、音楽制作のツールとしての音楽生成AIの利用が、もし一般的なものとなれば、業界団体や政府による、音楽生成AIによる著作権の問題に関する議論や検討が求められることになるのではないかと思います。そこまでの一般的なものとなればですが…。
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