見出し画像

青白スピリット備忘録#4【パイオニア】

注意事項

 この記事は私のmtgのスピリットに関する事柄を整理し保管するために書く記録である。そのため、蛇足等を多く含むと予想される。また、根拠の多くを自身の経験を頼りにしていること、続きであるため前回参照の項目が多数あること、私の考えの整理が第一の目的であることをご了承いただきたい。以上のことに同意できない場合はブラウザバックを推奨。


デッキデータ

フォーマット:パイオニア 2019/10/23よりMOに実装

禁止カード *2020/7/13最終改定
   2019/11/4
     ・守護フェリダー/Felidar Guardian
     ・豊穣の力線/Leyline of Abundance
     ・(ニッサの誓い/Oath of Nissa 2020/7/13 解禁)
   2019/11/12
     ・夏の帳/Veil of Summer
   2019/12/3
     ・むかしむかし/Once Upon a Time
     ・死者の原野/Field of the Dead
     ・密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter
   2019/12/16
     ・王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns
     ・運命のきずな/Nexus of Fate      

デッキ名:青白スピリット

デッキリスト *2020/7/20
 クリーチャー/Creatures (34)
  4 霊廟の放浪者/Mausoleum Wanderer
  4 幽体の船乗り/Spectral Sailor
  4 鎖鳴らし/Rattlechains
  3 天球の見張り/Watcher of the Spheres
  4 至高の幻影/Supreme Phantom
  4 鎖霊/Shacklegeist
  3 無私の霊魂/Selfless Spirit
  4 天穹の鷲/Empyrean Eagle
  4 呪文捕らえ/Spell Queller
 インスタント/Instant (4)
  4 高尚な否定/Lofty Denial
 土地/Lands (22)
  2 氷河の城砦/Glacial Fortress
  4 神聖なる泉/Hallowed Fountain
  3 港町/Port Town
  1 マナの合流点/Mana Confluence
  8 島/Island
  4 平地/Plains
 サイドボード/Sideboard (15)
  2 消去/Erase
  2 神秘の論争/Mystical Dispute
  4 敬虔な命令/Devout Decree
  2 正義のうねり/Surge of Righteousness
  2 精鋭護衛魔道士/Elite Guardmage
  3 悪斬の天使/Baneslayer Angel

キャプチャ

戦績 *2020/7/20 現在
  Magic The Gathering Online
    Pioneer League 5-0 7回

画像2

デッキのコンセプト

・コンボのような展開力

デッキの歩み

*m21導入頃から。それ以降は前回以前記事参照

 テーロス導入後の青白スピリットは、正直なところ趣味意外に握る理由は特にないデッキに成り下がっていたと言わざるを得ない。

 相手の妨害しながら比較的早い飛行ビートを仕掛けられるのは間違いなく強いコンセプトであるのだが、すべてのパーツがそれを可能にしているわけでない。呪文捕らえと霊廟の放浪者を引けない場合、ただの部族ビートである。
 また、比較的早いクロックであるだけで最速ではない。除去も持ち合わせていないので単色アグロには基本先手ゲー。さらに、除去を要する赤や黒に対しては先手をとっても厳しいものがあり、苦手意識を持っていたプレイヤーが多かったと感じる。
 青白スピリットの存在意義にとどめを刺したのは中隊擁するバントスピリットであろう。中隊はクリーチャーを2体も用意してくれるだけでなく、デッキにアクセスできる枚数が圧倒的に変わってくるのだ。インバーターやヘリオッドなど実質的に呪文捕らえでしか妨害できないこの2つのマッチにおいて、中隊の有無は強烈なものだった。

 しかし、m21の導入により青白スピリットの状況は大きく動いたと言っていい。まずはパイオニアのメタゲームについて書こう。

 テーロスはパイオニアのメタゲームに大きすぎる影響を与えた。対するm21は各デッキの強化パーツを配りはしたが、新しいコンセプトのデッキが現れることはなかった。つまり、理論上最強の青黒インバーターが環境を支配し続けている。
 あまり変わり映えしないパイオニア環境。しかし、圧倒的な強化を受けたのがこの青白スピリットである。デッキリストを見てもらえばわかると思うが今回のセットから3つもの新カードを獲得した。

画像3

 まず1番の収穫物、高尚な否定から話す。条件を達成すると強化される不確定カウンターである。レアリティもコモンでパワー的にはパッとしないカードである。しかし、私はスポイラーで公開され、それを見た瞬間4枚メインに入ることを確信し、実際その通りになった
 このカードは呪文捕らえに頼らざるを得なかった妨害を2マナからこなしてくれる素晴らしいカードだ。単純にインバーターをカウンターできるカードが倍になり、先手の3t目ヘリオッドをカウンターすることができる。これだけでパイオニア環境2トップへの相性改善がわかるだろう。
 また、5マナ以上の呪文にも触れるようになったもの大きい。これにより5マナ以上の打ち消されない呪文以外はカウンター出来てしまう。昂揚のイシュカナや、5色ニヴをメインから消せるのはこのカードの強みだ。
 最後にサイドのカウンターの数を極端に少なくすることができることを言いたいと思う。今までは論争が3枚以上(ほぼ4枚)、それに加えメタに合わせたカウンターを3枚ほどサイドに取っていた。それがほぼ要らなくなるのだ。これはデッキの構造上どうしようもないとあきらめていた赤系に大量のサイドを用意する枠を生み出し、総合的な勝率を向上させることにつながったと考えている。

画像4

 次に鎖霊について話す。このカードが発表された時、評価にとても困ったのを覚えている。クリーチャーの数でみた時の費用対効果は2:1。単純な計算だとおいしくないのは明らかだ。また、似たようなカードの先達であるネベルガストの伝令が既にあるというのも大きい。使ってみないとわからないのが素直な感想である。実際は伝令の枠を全て奪っていくやり手であった。
 まず2マナであること。以前までのスピリットは飛行ウィニーのくせにマナカーブ頂点が膨れているという大きな欠陥があった。同じ役割のカードが1マナコストが下がることで大きな改善になったと言えるだろう。後述する天球の見張りとの相性が2マナのクリーチャーは相性が良いことも伝令より優先する理由になるだろう。
 次に器用さをあげたい。こいつを盤面に出しておきさえすればとりあえずあと1体横にいれば相手の1体を縛ることができる。殴ることは出来ないかもしれないが、ダメージレースをするより場を硬直させた方がよい場合というのは往々にしてある。具体的に言うなら2t目に出た鉄葉のチャンピオンやレギサウルスを3t目以降は殴らせない。ウーロの攻撃誘発をさせない。これはとても分かりやすい例だ。スピリットは打点が上昇するのにラグがある。故に環境準速なのだが、そこまで時間を稼いでくれる。言うまでもないであろうが攻めにも使えるのがタップ能力だ。インバーターやニヴはもちろん、飛行が並ぶミラーにおいても重要なカードになるだろう。

画像5

 最後に天球の見張りについてだ。このカードも評価が難しいカードであった。そもそもスピリットでない。生き残らないと意味がないなど。執着的探訪を採用していた前回記事のデッキに足すことは躊躇われた。そこで試験的に探訪を取り払い、コスト軽減を目いっぱい活用できるデッキ(現行デッキ)を組んでみた。そして、このカードはスピリットを一段上に押し上げるカードであることに気づいた。
 役割は単純明快。飛行クリーチャーのコストダウンによるデッキの潤滑油。3t目に2マナクリーチャーを3体展開出来た時は、いつも相手の心を折っている。この展開力はまさに霊気の薬瓶。最大効率をたたき出さなくとも3t目に2アクション取れるようになることは、妨害と展開を同時にこなさないといけないクロパーにとってとても都合がよい。上記の特典は、生きて帰ってきた場合という条件が付く。しかし、速度が重要になるマッチは基本的に除去は少ない。直接的な妨害ではなく単純な速度をもってアンフェアに立ち向かうことを可能とするカードだろう。飛行クリーチャー版果敢のような能力は決してインクの染みではなく、瞬間的なサイズであれば間違いなく最大値をとれる。

 このように素晴らしい強化パーツを3枚も得ることができた青白スピリットは、勝つための選択肢として浮上したと確信する。

 最後にバントスピリットとの差別化について話す。結論から言う。勝つためのデッキ選択として劣勢から五分以上になったと考える。新カードの3種類のうち中隊と相性がよいのは鎖霊のみだ。中隊にとって、高尚な否定はクリーチャーでないためはずれを増やすことになり、天球の見張りは生き残った時のバリューを下げてしまう要因だ。また、新カード採用により枠自体がほぼない。あれやこれやと採用するのは無理である。よって、青白スピリットの方が強化幅は大きいと言えるだろう。しかし、中隊のカードパワーが下がったわけではない。除去の多いミッドレンジ環境であるとメタゲームを予測するのであれば、1枚で2枚分の働きをする中隊はとても強いカードである。私は趣味で青白スピリット握っている。勝つためにスピリットを握るのであれば自分が良いと思う方を選んでほしい。

採用理由

新カードについては前項に書き示した通り、既存のカードについては前回以前記事に示してある。ここでは採用枚数や土地について話す。

・無私の霊魂、鎖霊、天球の見張りの枚数について
 その他のカードは4枚必須だと考えているので省略する。この3枚は状況や対戦相手次第で評価が変わるので、枚数調整を行っている。
 前提としてデッキの枠がほとんどなく、すべて4枚づつ入れたいカードであることだ。土地は天球の見張りの効果を加味して22枚まで減らしている。そのうえで必須パーツを4枚投入すると残りは10枚しかない。これを理解してほしい。
 初期は天球の見張り4、霊魂3(サイド1)、鎖霊3(サイド1)、としていた。見張りを引ける可能性を最大限にしつつ、クリーチャーデッキとコントロールデッキを両方都合よく日和見した配分だ。これを回していて以下気づいた点があった。
 ・天球の見張りが被った場合一番持て余すパーツである
 ・ハサミや緑アグロ、インバーター、ニヴなど鎖霊の需要はかなり高い
 ・青白コンの消滅、5cニヴの破滅の刻採用の増加。(MOリーグ内環境)
 これにより見張り3、霊魂3(サイド0)、鎖霊4、の配分となった。

・土地について
 前項で述べた通り、見張りの効果の期待もあり、22枚まで減らしている。3t目に3枚の土地を引くには期待値的に1枚少ない程度だ。
 天球の見張りやデッキの安定性をとり、無色である変わり谷はとっていない。色マナが沢山必要であったり、基本土地かギルランが初手にないとキープするのが難しい、友好色アグロの貧弱土地基盤が改善されればいつか採用するかもしれない。
 色マナは青が18枚、白が14枚となっている。理想は3t目に青ダブルと2t目に白がでればよいと考えての配分だ。1t目からマナが出ることを優先して氷河の城砦より港町を多めにとっている。平地+港町であれば1t目クリーチャーを出せるが逆の場合は不可能であるからだ。
 最後に4枚目の港町をマナの合流点と入れ替えている。詳細は備忘録#1の土地についての項で話している。簡潔に書くと、港町or氷河の城砦が2枚しかない初手の可能性を少しでも減らすためだ。

不採用理由

以前採用していたカードの不採用理由を簡潔にまとめる。

・執着的探訪
 見張りとの相性があまりよろしくない。見張りはスピリットでないため鎖鳴らしで守ることが他より難しい。枠の余裕がないのも理由のひとつ。

・ネベルガストの伝令
 鎖霊に枠を奪われた。鎖霊が強い。

サイドボード

 まずは現在のメタゲーム(MOリーグ内の環境)について

 前項で書いた通り、m21導入後も大きな変動がみられることはない。青黒インバーター、白単は不動の2トップだ。細かい変化としてロータスコンボ、5cニヴの数が増加傾向にある。また、ルールスは相棒ルールの変更後も一定数の採用を保っており、バーン、サクリファイスをはじめとした赤黒、白黒、赤白のデッキでよくみかけている。

 以上環境での立ち位置についてだが非常に良いといっていい。赤系はデッキの構造上、有利をつけるのは不可能と判断した。しかし、それ以外のすべてのデッキに対して十分戦えると感じている。よって、サイドの11枚を対赤系に割くことにより、勝率の改善を図ることにした。

・消去 2枚
 エンチャント追放を1マナで行うことができるカード。対象は白単、ロータス、オーラがメインだ。神討ちを採用していたがデッキから全て抜く必要はないと感じため、よりテンポのよいこちらを採用している。例外的に赤白バーンデッキが岩への繋ぎ止めと大歓楽の幻影を採用していたことを確認した場合サイドインすることもある。

・神秘の論争 2枚
 最初はカウンターを1枚も取っていなかったが、5cニヴの数が増えてきたと感じたため、2枚採用。対象はニヴ、インバーター、ロータス、ミラーなどの青系だ。1マナで青い呪文を全て消せるこれはやはり重宝するカードであった。

・敬虔な命令 4枚
 初期案は正義のうねりと3:3だったのだが、忘れられた神々の僧侶や若き紅蓮術士など殴ってこない、もしくは即除去が必要なクリーチャーを擁する赤黒系デッキが増えてきたこと。この影響で能動的に除去できるこちらを多めにとっている。

・正義のうねり 2枚
 バーンをみるなら一番効率が良いカードであるが、前項のとおり敬虔な命令の重要度が上がったため、枚数とるのをを控えている。

・精鋭護衛魔導士 2枚
 土地22枚で5枚の土地を引くまで生き残ることを考えた時に、ドローしながら壁とライフゲインを行えるこのカードが最適だと判断し採用している。効果は地味ながら確実な仕事を期待できるカードだ。

・悪斬の天使 3枚
 実はm21で得ることができた4枚目のカード。ライラは伝説であるため複数積むことは躊躇われたが、このカードは伝説ではない。赤系に対して1枚で勝てるフィニッシャーとして使用するカードであり、こいつを出すまでに相手の火力を如何にして吐かせていくかが対赤系の肝となってくる。私はまだ体験したことはないがプロテクション(ドラゴン)が刺さることもあるのではないだろうか。

最後に

 ここまで読んでいただきありがとうございました。今回はサイドの入れ替えがとても少ないデッキに仕上がったため以上にしたいと思います。また、カードの使い方のような決まりきったことを書くだけでなく、展開か構えるのかというような実践での駆け引きをテーマとした記事を書こうと思っているのでその時にでもサイドボードについては書こうかと思います。

 この記事が少しでも役立てば嬉しい限りです。

ここから先は

0字

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?