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バントスピリットを諦めた話

はじめに 

 こんにちは秋夕です。前回の「スピリット備忘録」は予想以上の反響と沢山のご支援ありがとうございました。コミュニケーションの楽しみが少ないMOでのモチベーションとなっております。スピリットが好きな方もそうでない方にも有益な話を提供できればと思います。

バントスピリット

 さて、今回はバントスピリットについてです。前回の記事のコメントにバントスピリットにしないのはなぜかという疑問がありました。それに私はモダンの時の経験で無意識にさけたという理由しか提示できなかったことが気になり、パイオニアでも回してみることにしました。

 バントにすることで緑のマナ加速と集合した中隊、王冠泥棒オーコを採用できるのが強みですね。この記事でいう”バントスピリット”は以下のようなデッキのことを指すことにします。

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図1:実際にMOで触ったバントスピリット

 改めてデッキリストだけみると本当強そうです。いや、間違いなく強いデッキでした。オーコがいれば無理に動くことなく盤面に触れる、中隊はクリーチャーを2枚も拾ってこれるしで。

 今回はこのデッキを回してみた時の違和感と、バントスピリットに対する認識が変わったこと、これを記事にしようと思います。まずはバントスピリットについて確認していきましょう。


バントの利点


・1マナの強い動きが増える(ブン回りパターンの増加)
 マナクリーチャーが採用できるメリットですね。3マナ域が強いこのデッキにとってこのマナ加速はとても大きいです。

・中隊が強い
 1~3マナのクリーチャーしかないスピリットと中隊は条件に噛み合います。インスタントタイミングでロード2体できる可能性があるというのは心強いものがあります。

・オーコが強い
 単体のカードパワーが高すぎて禁止になったオーコがパイオニアではまだ使えます。苦手な赤単に強くなるし、3色アグロの宿命である土地からのダメージを食物トークンで緩和することができるのも噛み合ってますね。

・サイドカードの幅が広がる。
 私の場合はドロモカの命令しか緑は触ってませんが、幅があるというのはそれだけでメリットです。メタに合わせてクリティカルなカードを詰め込みやすいですね。


欠点
 

・3色の脆弱土地基盤
 事故が多いです。初手に青がない、緑がないとか。2枚かつ3色でるけど青が1ターン目にでないとか(白緑ギルラン、青白チェックランド)。あとはショックインのダメージがとても多いですね。

・マナクリーチャーが後半腐る
 これはマナクリーチャーの仕方ない点でしょう。



バント>アゾリウス?

 ここまでみると、バントは土地基盤にちょっと目をつぶれば素晴らしいデッキです。このカラーが好きな人なら1度は握ってもらいたいデッキです。

ではバントスピリットは青白スピリットの上位互換なのでしょうか。

結論から言うとそんなことは決してありません

もちろんバントスピリットと青白スピリットの相性はバントが有利と言わざるを得ないでしょう。しかし、それは単なる相性の話です。上位互換ではなく全く方向性が違うデッキに進化したと考えるべきです。



バントと青白の違い

 バントはクロックパーミッションではなく、ジャンク系デッキです。もちろんクロパーの色は残っています。しかし、デッキの運用する上で指針にするべきは他のジャンクのデッキだと思います。これが私の回した時に感じた「なにか噛み合ってないな」という違和感でした。それも当然です。ジャンクをクロパーのように運用しても無理があります。

 私がこのアーキタイプの変化に気づいたのは複数回リーグに潜った後です。リストを見て考えた時には、微塵もこの変化に気づきませんでした。デッキの根幹であるスピリットはほぼ同じ構成、それをサポートするカードが変わっただけと思っていたのが原因です。今になって考えてみれば、1マナ呪文8枚が中隊とオーコになりマナカーブも変わりデッキにも変化があるはずでした。


私にジャンクは回せない

 それならジャンクのやり方で回せばいいのでは?という疑問があります。全くその通りです。それでもなぜ使いこなせなかったのか。もちろん経験不足が大きいところがあります。ここでは私が具体的にどこに戸惑ったのか書いていきたいと思います。

まずはマナクリと土地枚数についてです。マナクリは実質土地なので、マナフラのリスクを抑えるためにも土地の枚数は抑え気味になります。デッキ構築の段階ではとても合理的なのですが、マナクリを1ターン目に引けない場合、除去されてしまった場合、その後の展開が構築段階の想定と大きくずれていきます。このずれに私は歯がゆさを覚えました。

私の青白スピリットはなにもしなくても3マナまで伸びる土地枚数を採用しています。しかし、バントはマナクリ込みで3マナでる想定の土地枚数です。展開がマナクリに左右されすぎている(重要度が高すぎる)のです。下手すると除去されて土地が詰まることもあります。

青白の場合、もっとも生存が重要なクリーチャーは呪文捕らえでその次がロードです。これらのクリーチャーはある程度守れる算段をつけてから戦場に投入します。しかし、マナクリは重要であるにもかかわらず真っ先にだすしか選択肢がありません。相手が除去を持ってないラッキーハンドを期待するしかないのです。そんなこと当たり前、と普段からマナクリを使っている方たちは思っていると思います。しかし、私の普段は1マナクリーチャーに除去を切らせたなら御の字であり、想定通りなのです。この構築段階とのずれがどうしようもなく私にはあってないと考えました。

また、ビックアクションの増加も私にはあってないと考えた理由です。中隊や、オーコはもちろん強いのですが、これらを唱えるのには少なくない隙が生まれます。なにかを構えながら動いて、それを妨害することで自分の手を確実に進めてきたことが多かったので、その隙に除去を差し込まれたりするなどプランが瓦解することがあります。そもそも4マナスムーズにでないことなど必要なマナソース枚数が多いのが気になりました。やはり中隊を使うなら不屈の追跡者や反射魔導士のようなカードを採用したもの(人間カンパニー)が強いと思います。

長々書きましたが、想定通りにいかないことが青白と比べて明らかに多かったということです。なれた人はそれも想定してデッキを調整、運用すると思います。私にはまだまだ経験不足だったようです。

改良案

 デッキの本質がわかればそれに沿った構築を考えることが出来ます。このデッキの除去枠が借り手ではなく反射魔導士や拘留代理人なのはそういうことだと思います。ただ、このようなカードを採用するのであれば先程述べたようにスピリットに拘る意味があまりなくなってくるかなと思います。つい最近までは死者の原野の存在が飛行クロックの重要性をあげていたはずです。しかし、禁止された今ではそれに拘る意味も薄れ、より干渉力や持久力に長けたクリーチャーのカンパニーデッキの方が強さを発揮できると思いました。

まとめ

・バントスピリットと青白スピリットは全く違うデッキ
・私にはバントスピリットは回せない
・原野が禁止されバントカンパニーはスピリットに拘る意味は少ない
・クロパーするなら青白で十分
・つまりは青白スピリットにも存在意義はある

以上のことが今回言いたかったことの全てです。スポイラーのカードの事前評価は当てにならないように、デッキリストも回してみないとわからないことだらけなんだなということが今回身に沁みました。青白スピリットをバントにしようと考えてる人は是非、オーコとか中隊など高額カードを買う前に一考していただけると嬉しいです。(私は痛い目に会いましたorz)

ここまで見てくださりありがとうございました。もしご評価いただけるのであれば私に投資していただけると嬉しいです。


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