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【ハゲ杯】ドッキリ!クリスマス会

記憶にあるなかで1番面白かった、2018年11月26日に見た夢の話を書こうと思う。
当時Twitterに投稿したものを探し出して参考にしながら書いた。あまりに印象的すぎて、今でも朧気に覚えている……。なんてことだ……。

(私は高校生ぐらいの女子だった。)
外はすっかり暗くなり始めていた。美術室の中、目の前の画用紙と友達との会話に夢中になっていて、いつもの事ながら時間のことなど頭になかった。急いでパレットと筆入れを洗う。アクリルガッシュの絵の具はすぐ固まるため、歯ブラシとたわしを使ってこすり落とした方が早い。いつものようにサッと洗い終えて今日の部活は終了。
まだ時刻は17時前。この後友達と遊ぶはずだった。

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気づけば目隠しをされて、どこかへ運ばれていた。

車で移動しているようだ。体感で2時間は経った頃、車から降りるように言われ降りる。目隠しをされたままなので自力では歩けない。ここはどこかと聞くと「アルベニア国だ」と言われた。はて、聞いたこともない。

連れていかれた先で、ようやく目隠しを解かれる。
遥か上の天井からぶら下がる無数のシャンデリア。床に敷きつめられた赤茶色い色の絨毯、縁には金色の筋が左右に1本ずつ。どうやら洋館に連れてこられたらしい。扉は固く閉ざされている。

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それからあまり時の経たぬうちに、参加者が全員集まったのか、隣の部屋へ移動させられた。私含め参加者達は整列させられる。薄暗い室内には独特の緊張感が漂う。
そこへ突然、プー〇ンさんが登場すると、訓示のようにキビキビとした口調で話し始めた。
と同時に、目の前に翻訳パネルが出現する。プー〇ンさんは英語とロシア後に聞こえる言語を、織りまぜて話している。それを母国語、私なら日本語に翻訳して表示されるようだ。自動で浮かんでは消える文字。内容は覚えていない。確かに、英語とロシア語を混ぜれば、多くの人に意味が伝わるだろうなとは思った。

話が終わると次は、参加者の名前が呼ばれ始めた。呼ばれた者は前に出て、横1列に並ぶ。一度に呼ばれるのは5人か6人。頼む。早く楽にしてくれ。

「JAPAN!柊りお!(実際は本名フルネーム)」
ひっ!前に出る。私の左隣には少し間隔を開けて、長身のガタイのいい若い外国人男性が立っていた。他の3人はインド人っぽい人が1人に、日本人ではない人が2人。もう一度、左から順番に名前と国籍を確認される。5人全員が言い終わった次の瞬間、突然銃声が響き、左隣の城〇優似のイケメン外国人が倒れた。続いて右側にいる他2人も撃たれる。プー〇ンさんの横に並ぶ黒服の1人の口から「サウジアラビア人」と聞こえた気がする。え?

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撃たれたはず、なのに目が覚めた。確かに痛くて血も出ていたはずなのにな。結局、サウジアラビア人じゃなくても撃たれた。

「午前2時までに、この建物から出れば生きて帰ることができる」はあ、急にそんなことを言われても。とりあえず午前2時ルールと名付けようか。
時計は見当たらないけれど、体感時間的には23時を過ぎているように思う。薄暗いなか、ひとまず私も他の人に混じって出口へ急いだ。
人、1人通れるぐらいの幅の通用口、日本でいう勝手口のような作り。人々が行列を作っている。通用口から出たところでクリスマスのブレゼント箱らしきデザインの小箱と、同じくクリスマス仕様のブーツを拾った。これ持っていれば確実に助かるんじゃ?
見ると通用口の脇に、無造作に大量のそれらが置かれている。私はそれらを中から出てくる人に手渡ししようと決めた。「これ持って行って下さい」「これがあれば生きて帰れるはずです」根拠もないのに謎の自信だけはあった。日本人らしい3歳ぐらいの女の子と若い母親に手渡す。外国人のおじさんに、お姉さんに……。皆、顔を引き攣らせたままである。

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午前2時を告げる鐘が鳴る。……うん死んでいない。

最初に訪れた、洋館のエントランスにいた。扉から外へ出る時にふと視線を感じ、後ろを振り返る。自然と目線が上へ行く。
そこには何人かの人がいたが、吹き抜けになっている3階部分の渡り廊下の、豪華な木製の意匠の手すり越しに、優雅に手を振り参加者達を見送るプー〇ンさんの姿が見えた。

それにしても、さっきの「サウジアラビア人」と名指しされた3人は助かったんだろうか?あれは尋常な撃ち方ではなかった。

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その後、隣のホテルへ移動。『今日と明日は2日間ホテルの部屋で缶詰、外には一切出てはならない。明後日に帰れるよう飛行機のチケットを手配済み』とのこと。クリスマス会はまだ終わっていないらしい。

持病の薬が必要な人は黒服が車で病院まで連れていくということで、私もそのグループに混ざった。監視されているようで、誰一人として口を開かない。空気が重い。……そりゃそうだ。突然拉致られたり銃で撃たれたり、かと思えば目が覚めてクリスマスプレゼントだのプー〇ンの見送りだのホテルだの、もう何が何だか。何を信じていいのか。

10人程で病院のロビーで待つ。必要な薬を服用できなかったことによる禁断症状か、精神的・肉体的な疲れによるものか。また1人また1人と倒れていく。
いきなり「ホテルの各部屋に薬を用意してあります」とここに来てから言われても困る。こっちは命がかかっているんだぞ。それでも、代表者1人が黒服の厳しい監視付きで、全員分の薬を取りに行くことになった。小柄な女性が選ばれた。
しかし……私も座っていることがきつくなってきた。灰色の世界。気を失い終わり。

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こちら、マスター・ハゲさんによる、ハゲ杯!! ~光と少しの愛を届けて~ 2020 への応募作品です。

目覚めの珈琲を1杯。ありがとうございます。