知らないあなた(2020.9.25)

先週金曜日に見た夢

「あっはははははは…!は、はあ。
え?ああ。僕は律(りつ)。ねえ、それ僕にもおしえてよ。面白そう」

これはいったい。
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人気(ひとけ)のない教室。机を挟んで向かい合うのは眼鏡をかけた社会科の男の先生。
隣にいた子がいなくなった隙に、私は先生に声をかけた。「先生……。最近気づいたら何時間も経っていたとか、今日もこれ」「ん?」「こんなこと書いた覚えないし習った覚えもないのに、やったことになっていて。私の知らないところで時間が進んでいるんです」そう言いながら示したカレンダーには確かに2―― 3―― 4―― (数字は時間割、2時間目3時間目…のこと。――は短い文章) と書かれている。

「なにか最近つらいこととかあった?」「ええ?」突然今までと違い、目を見開き、語尾を上げて明るい声で話した私の仕草に先生が身構えた。「いや、今は変わってないですよ」「……そうか」すぐに元に戻った私を見て先生が表情を崩した。
それが彼、「律(りつ)」にそっくりだったからだろう。

私にはいつの間にやら、「律」という名の人格ができていた。彼はいつもだるそうな私と違って、目を見開いて明るくよく喋る同年代の男の子だ。
「律」は1度遠くから見たことがある以外は、決まって私の知らない間に出てきて好きに振る舞っているようだ。言いきれないのは、自分でもよく分からないから。名前を知っているのは、初めて見た時に彼が自分でそう名乗っていたから。
保健室の先生でもあるこの先生ならば、なにか分かるかもしれない。「おそらく多重人格か」先生が答えかけたその時、タイミング悪くもうひとりの子が帰ってきた。ちょっと聞かれた。ひとまず今はこんな話は出来なくなった。

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(ここから全体を見る視点になる)
夜になり、布団に横になる私。そこへ、同年代の髪の長いポニーテールの女の子が布団に入ってきた。 「律」が目を見開いて飛び起きる。女の子の手にはダガーナイフが握られている。「時間か」
律が女の子と共に外に出ると、その子と同じような茶色のフィールドジャケットを着た人が3、4人いた。 合流してどこかに出かけていくようだ。

「私」は耳にかかる程度の長さの髪で、色白の中性的な顔つきだからか。男として「律」と呼ばれていても違和感はなかった。終わり。
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ー複数の人格を持つ人で、主人格が知らない間に夜出かけて遊んだり活動したりする人格がいて毎晩のように動かれたら、そうは言っても身体は1つしかないわけで、主人格は「寝ているはずなのにめちゃくちゃ身体疲れる……」とか思うのかな、と前から時々考えることがある。多重人格を何かで知った時から。

※実際の私は中性的な顔つきではありません。

目覚めの珈琲を1杯。ありがとうございます。