ローズおにいたまはすごいぞ!というお話【クレしん・暗黒タマタマ大追跡】

皆さん、劇場版クレヨンしんちゃん、ご覧になってますか?

すみません、急に。
私が良く聞いている「かまってみくのしん」というWEBラジオで、最近よく劇場版クレしんが話題に出ておりまして、元々クレしんファンの私としては嬉しい限りなんです。

本日は、劇場版クレしんの中でも私が好きな「暗黒タマタマ大追跡」について、ニッチな部分をお話ししたいと思います。

それなりにネタバレとなりますので、ぜひご視聴後にご覧ください。
大丈夫、名作です。アマプラで配信されてます。100分未満です。
さあ、ご覧ください。さあ。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B019A6NHC2/ref=cm_sw_tw_r_pv_wb_SwlhR27XWu6Zc

「暗黒タマタマ大追跡」って?

劇場版クレしんの話になると、やっぱり避けて通れないのは「オトナ帝国の逆襲」とか「ヘンダーランドの大冒険」あたりでしょうか。
「暗黒タマタマ大追跡」は、1997年に公開された、劇場版第5作品目で、監督・脚本は「オトナ帝国」と同じ原恵一さんです。

アクション満載の第5作。 暗黒魔人復活のカギとなる、2つの「タマ」...その一つをひまわりが飲み込んでしまった! 世界征服をめぐる戦いに巻き込まれた野原一家の運命は?(公式サイトより)

劇場版クレしんの定番である「世界の脅威に巻き込まれ」、からの逃亡劇!
逃亡劇ならではのアクション、スピード感を存分に感じられる名作です。
また、しんのすけの妹、ひまわりが劇場版初登場ということもあり、しんのすけが親の注目が得られないことをもどかしく思ったり、兄としての自覚が芽生えたりと、温かい作品でもあります。

さて、今回お話ししたいのは、また別の大きな特徴「劇場版オリジナルキャラだらけ」に関連します。

魅力的なオリジナルキャラクター

この映画では、メインキャラクターはほとんど野原一家しか出てきません。
そのため、味方も敵も初めましての方ばかり。劇場版は得てしてそんなかんじではありますが、さすがに幼稚園の人々が出てこないっていうのは結構異端かなと。

ただ、流石の脚本・演出力で、オープニングに入るまでの4分半に、オリジナルキャラクターをほとんど登場させ、なんとなくの対立構造を明かしてくれます。

謎の強キャラ感あふれる外国人、ホステス軍団、プロレスラー、中村玉緒っぽいボス……。
分かりやすく、雰囲気からして一癖ありそ~な悪役なんですよねー!

味方サイドもいい!
映画みたいに活躍したい女性刑事・東松金ヨネ(自称:グロリア)。
基本的にコメディキャラなんですが、彼女の理想と現実の狭間みたいな部分はそれなりにリアルに感じられました。
言葉にせずとも、素直に感情を出すキャラなので共感しやすいんです。

そして最後に、この記事の主役、「珠由良(たまゆら)ブラザーズ」です!

定番にプラスする細かな描写

珠由良ブラザーズは、行きがかり上、しんちゃん一家と共に追手から逃れる味方キャラです。
表向きは、新宿で店をもつオネェな3兄弟、しかしてその実態は、由緒正しい一族の末裔であり、世界を守るために奔走します。

珠由良ブラザーズは、クレしんの定番を抑えつつ、「実は強い」とか、「フランクだけど優しくて大人なキャラ」とか、所謂創作物におけるオネェキャラの定番みたいな部分も大きいんですよね。

でも、単なる定番で終わらないのがこの映画です!
特に注目したいのが、3兄弟の長男・ローズ(本名・たけし)さんです。
ようやくタイトル回収。
前述のとおり、普段は新宿の自分達のお店で働いています。
つまりは、ライバルがあまたいる新宿で店を持っているわけですから、それなりにやり手と推測されます。
大人になって見返すまでは気付かなかったんですが、この「やり手感」が、実は細かく描写されていたんですよね。

・みさえへの共感
 前半、なぜか立ち寄った健康ランドでのシーン。女湯の脱衣所からみさえの叫び声が!
 男性陣がなんだなんだと駆け付けたら、結局体重計に乗って驚いただけでした~、というとき、みんながうんざりしながら戻る中、ローズだけ、「分かるわー、私も叫びたくなる」という感じで「共感」を示すんですよ!
 ここ、接客業なら重要ですよね。初対面の人には共感で無理なく距離をつめる、見習いたいですね。

・トラブルへの対処
 また健康ランドでのシーン。入浴の後で食事をしていたら、グロリアさんが登場するも、「刑事に見えない」と言われたことに自棄になり、はずみで拳銃を誤射してしまう(おい)。
 で、皆が呆然とする中、薬莢がビールに入ってしまった隣の客から怒られてしまうのですが、ローズは「ごめんね、代わりのビールおごるから許してー」とその場を収めます。
 とんでもない事態でも、冷静に的確に対処する能力、只者ではない。

・信頼と根拠
 逃亡劇が本格的に始まった中盤。事故によりグロリアとひろしが車から落ちてしまいます。みさえが案じる中、ローズは「頼りないけど刑事といっしょだから大丈夫」と、一応きちんと根拠を付けたうえで、大丈夫であるとします。根拠のない「大丈夫」なんて余計不安になりますからね。

・設備投資(おまけ)
 まあここはおまけです。早い段階で、ローズたちのお店でのシーンがあるんですが、そこで「トイレ」がでてきます。とても個性的。ひろしからは「見たら死ぬ」とまで言われる始末。
 ただ、お店としては独自性とかインパクトは必要ですよね。インパクトの範疇か?という問題は別として。

終わりに

あーやっぱり名作。暗黒タマタマ大追跡。
こういう細かい部分への注目にも耐えうるしっかりしたつくりだからこそ、何度でも観たくなります。

というわけで、既に観たよ、という方ももう一度ご覧いただくことをお勧めします。ローズ以外にも注目できるポイントはたくさんあると思いますよ!

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