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メガテン悪魔図鑑 ①

みなさんは、「新・女神転生」というゲームを御存じだろうか。

天使・悪魔・妖怪・都市伝説等、われわれ人類が長くにわたり語り継いできた超常存在、そしてそれを使役するデビルサマナーと呼ばれる人々による戦いを描いた、名作ゲーム・シリーズである。

このゲームには様々な超常存在が登場し、ゲーム中でも簡単な解説を見ることができる。私は、そういったものを読むのが大好きなプレイヤーであった。そこで、この日記では彼ら超常現象たちについて、ゲーム中の解説よりも少しだけ踏み込んで解説していきたいと思う。

なお、紹介の順番は「真・女神転生4」の悪魔一覧より、LVが低い順に紹介していきたいと思う。

では、始めよう。

①邪鬼 ラームジェルグ

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ラームジェルグ(Lham Dearg)とは、スコットランドに伝わる亡霊である。

ラームジェルグとは、「赤い手」「血まみれの手」という意味である。主に高地地方の大峡谷グレートグレンによく出没するという。グレートグレンはスコットランドにおける戦略的に重要な山地であることからそういう噂は絶えなかったのであろう。山に幽霊や妖怪を見るのは、日本を含む世界中でよくみられる現象だ。

スコットランドの軍服を着ており、名の通りその腕は血にまみれているという。男を見ると戦いを挑んでくる。ラームジェルグを見た存在は、仮にラームジェルグに勝利したとしても、あるいは逃げ延びたとしても原因不明の死を遂げるという。戦場の殺戮では満足できなかった、あるいは無念の死を遂げた兵士がラームジェルグとなると言われている。


②凶鳥 フケイ

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漢字で書くと「鳧徯」。中国における最古の地理書『山海経』における「西山経」にその存在が記されている。鹿台山という山に住み、人間の顔を持つ雄鶏の姿で描かれる。不気味な声で鳴き(フケイという名は、その鳴き声がそう聞こえるからつけられるという)、この鳥が現れると天下に禍をもたらすと言われている。戦が起きる前兆であるとも言われる。山海経は様々な著者によって古代に記された中国の古典的・伝説的なモノの見方を示す書籍として今日は扱われている。そのため、このような妖怪の類も記されているのだろう。


③妖魔 ケンタウロス

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ケンタウロス・・・これは有名だから知っている人も多いのではないだろうか?ギリシア神話に登場する、半人半馬の種族である。一般には、下半身が馬、上半身が人間の姿で描かれることが多い。

ラピテース族の王の子イクシオーンと、女神ヘラの姿を模した雲(または女神)ネペレーとの間に生まれた種族であると言われる。好色・酒好き・暴れん坊な種族であるとされるが、医学の祖であり、アキレウスの師でもある圭ローンなどの理知的なケンタウロスも存在していたようだ。主に弓や槍、こん棒で戦うとされており、星座のいて座のモデルでもある。

ちなみに、父親であるイクシオーンは好色でいろいろやらかした人物であり、その子であるケンタウロスがこのような描き方をされているのもそのためであるとされる。最初に生まれたケンタウロスは多くの雌馬と交わり一族を増やしていったのだ。また、ギリシア神話においてはたいてい英雄に退治される側として描かれることが多い。乱暴したり、娘を攫ったりしているところを英雄に退治されるといった具合だ。ちなみに起源とされているのはギリシア地方の東方の騎馬民族、スキタイ人であったという説が有力だが、定かではない。

そんな乱暴な種族であるが、「ハリー・ポッター」シリーズなど、今日の創作作品では理知的な存在として描かれることが多い。だいたいケイローンのおかげである。ありがとうケイローン先生。


④外道 スライム

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ある意味では一番有名な悪魔ではないだろうか。

最も、一般に日本人がスライムと聞いてイメージするのは「ドラゴンクエスト」シリーズのこれであろう。

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あまりにも有名なデザインである。最弱のモンスターの代名詞といえるだろう。

さて、スライムとはもともとねばねばした液状の物質全体を指す単語であった。

これがモンスターとして描かれたのはジョセフ・ベイナン・ブレインが書いた「沼の怪」という小説であるとされる。「常に飢えており、あらゆる生物を吸収する」「物理攻撃は聞かない」「炎や光が弱点」等、のちの創作物に大きく影響を与えるであろう特徴が描かれる。この作品のスライムは元は深海の生物で、地上に出てきて沼に潜む怪物として描かれた。

1974年、テーブルトーク・RPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」にモンスターとして登場。武器を溶かしてしまう上に打撃・斬撃は利きが悪く、多くのプレイヤーを苦しめたモンスターである。のちにコンピューターRPGの元祖といわれる「ウェザードリィ」にも登場し、その認知力を高めていった。日本のそれとは違い、けっこう強いモンスターである。

大本はアメーバという微生物であるとされる。このアメーバは年退場の体から粘液を伸ばし他の微生物を吸収してしまう性質を持つ。もしこのアメーバが巨大になって人間を襲ったら? ・・・そのような恐怖から生まれたのかもしれない。多くの妖怪や悪魔と同じように、人の恐怖から生まれたモンスターであると言える。


⑤夜魔 モコイ

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オーストラリアの原住民、アボリジニーに伝わる妖怪。

人間によく似ているが、舌を持たず喋ることはできないという。

フクロウとともにジャングルに生息しており、夜に活動を開始する。子供を攫って食べたり、女性を攫って犯したりすると言う。人間の魂の生まれ変わりとされており、邪悪な魂だったり、あるいは黒魔術によって殺された魂だったりすると言われている。アボリジニーでは、死とは寿命によってもたらされるものではなく、病や事故をモコイがもたらすからだという伝承があったという。


さて、本日はこんなところで。

不定期に、こんな感じで悪魔達を紹介していきたいと思う。メガテニストの方も、悪魔に興味がある方も、楽しんでいってくれれば幸いである。

コンゴトモヨロシク・・・・

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