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僕は競馬について話したいんだ

 初めて競馬を見たのはたぶん小学校高学年、親戚のおじさんの家のテレビで中継が流れていたのを偶然見かけたとき。

 当時は馬が走っているのを観戦して何が面白いのかわからなかったし、画面に映る払戻金を見ても、ギャンブルなんてするもんじゃないと一攫千金の誘惑も全く受けなかった。
 つまり、競馬に一つも魅力を感じなかった。

 転機が訪れたのは2020年、秋の終わりごろ。

 とあるVTuverの配信で競馬ネタが話題となっていて、その人のウイニングポストの実況配信を見始めたことで、競馬への興味が湧いてきた。

 結局、配信を全て追うことはできなかったけれど、ゲーム内で育てた馬が圧倒的な走りを見せたり凡走したり、一喜一憂しながらも熱狂的に応援する姿を見て、競馬って面白いかもしれないなと感じたんだよね。

 その配信内で所有馬が牝馬三冠を達成してて、三冠馬とは何ぞやと史実のことを少し調べたりもした。
 話は逸れまして、その時にシンボリルドルフのことを知ったわけですが、名前の印象から勝手に白い馬だと思い込んでたから、写真を見たときに凄く驚いたのを覚えている。

 こうして競馬を楽しむ下地が出来上がってきたところで、またも偶然にテレビで競馬中継を見かけることになる。

 GⅠレースで既にゲートインが始まっていた。
 実況解説を聞くに抜けた人気馬がいるらしい。
 リアルのレースはどんなもんじゃいと、その人気馬を中心にレース観戦することにした。

 道中は特に目立った動きなく、勝負の最終直線へ。

 その馬は、完全に包囲されていた。
 どこまで行っても前に壁。
 ようやく馬を外に出せた時には残り200mを切っていた。
 素人目にもわかる。これは負けた。

 ところが、鞭を入れた途端。
 別次元の加速力で前にいた馬をあっという間もなくかわし切り優勝。

 グランアレグリア

 そのカッコいい名前と圧倒的な強さで、僕に競馬を見始めるきっかけをくれてありがとう。

 競馬、面白いじゃん。競走馬、凄いじゃん。

 また見てみようかなー、なんて思っていたら次週のレースが紹介されていた。

 「史上初、三冠馬3頭 夢の競演」

 ナ、ナンダッテー!!!
 これは見るしかない。これは馬券も買っちゃうしかない。
 週中から友達に色々と教わって、ネットでも情報を集めてワクワクしながら週末を迎えたんだ。
 (この時は本当に無知だったから、無敗の三冠馬が同じ年に2頭いるのを理解できていなかった。恥ずかしい。)

 午後3時になってリビングのテレビを家族から奪い取り、いざ尋常に。

 海外から来たらしい白い馬がゲートに入らない。こういうのもあるのか。
 スタートしたらキセキが大逃げの展開になって、かなりリードを保ったまま直線へ。

 あー、これ知ってます。この展開、逃げ切られるんでしょ?
 世紀の大決戦なんていって、競馬ってこんなもんなのか。

 なんて思っていたら、あっという間に差が縮まって、残り100mの所ではアーモンドアイが先頭に。
 コントレイルとデアリングタクトも馬券内に入り、終わってみれば三冠馬3頭で決着。

 無敗の三冠馬2頭の馬単マルチとワイドを買っていた僕は、感動と若干の悔しさが入り混じる思い。
 合計3,000円分馬券を買っていて、払い戻しがワイド分の2,200円。
 忘れもしない800円のトリガミで馬券デビューを果たしたのでした。

 アーモンドアイ コントレイル デアリングタクト
 二度とない夢の競演で、僕を競馬に夢中にさせてくれてありがとう。

 競馬、やっぱ面白いじゃん。三冠馬、スゲーじゃん。
 でも、馬券で負けたまま終われないよなァ!

 この日以降、僕の生活のすぐ隣に常に競馬があった。

 独り病室で観戦したチュウワウィザードのチャンピオンズカップ
 新潟旅行の車中で馬券が当たってたグレナディアガーズの朝日杯FS
 初めての万馬券をゲットしたエフフォーリアの共同通信杯
 初めて3連単を当てたシュネルマイスターのNHKマイルカップ
 ワクチンの副反応に苦しんでたアカイトリノムスメの秋華賞
 キャンプ帰りの車中で友達と見たコントレイルのジャパンカップ
 スノボ中に肉離れしたカフェファラオのフェブラリーS連覇
 初めて紙の馬券を握りしめて当てたソングラインの安田記念
 ようやく生で競馬観戦できたフェーングロッテンのラジオNIKKEI賞
 仕事で新潟出張中に車内のラジオで聞いたウインカーネリアンの関谷記念
 パークWINSで友達とパドック見て切ったら来たジェラルディーナのエリザベス女王杯

 いつ何があったかとかすぐに忘れがちな人間なんだけど、競馬と関連して記憶に残ることも多くなった。
 職場でも競馬やってる同僚と、予想とか結果とか毎週話しができる。

 馬券は未だに負け続けているけれど、予想をするのが楽しいんだ。
 当たった時にご褒美としてちょいとお金が返ってくる。それでいいのだ。
 持続可能な範囲で無理せず馬券を楽しむのだ。
 ギャンブルではなく競馬を愛しているのだ。

 書きたいことはもっといっぱいある。
 血のロマンも競馬の魅力だし、関係者の方の人間ドラマも胸が熱くなる。

 もう間違いなく一生の趣味だ。
 死ぬまで競馬を見続けると思う。
 気付いたら馬そのものが好きになってたから、乗馬にも手を出したい。
 馬、可愛いんだ。栗毛が特に好き。


 全てのサラブレッドよ、本当にありがとう。


 週末が来れば、また競馬が始まる

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