見出し画像

えんみちゃんとバービーが語る「性教育」

フォーリンラブ・バービーがお送りするTBSラジオ「週末ノオト」。

2020年11月14日の放送には、“えんみちゃん”の愛称でも知られる産婦人科医の遠見才希子さんがご登場。

日頃、中学・高校で性教育の講演を行ってる遠見さんですが、今年9月、NHKの番組で「緊急避妊薬」について、バービーさんと対談。

今回も「性」について、楽しくちゃんと真面目に語り合いました。

画像1

◆「緊急避妊薬」の現状

避妊が不十分だった性交渉や性暴力、そういった万が一の時のバックアップとして、72時間以内に飲むことで、高い確率で妊娠を避けることが出来る緊急避妊薬。
女性の健康を守るために大切な薬ですが、海外に比べて、日本では手に入りにくいのが現状。

海外では、薬局で安く手に入るそうですが、日本では受診が必要で、値段も1万円~2万円と高額。そんな現状に以前から疑問を持ち、Twitterなどでも発信してきたバービーさんですが、今回は緊急避妊薬についての正しい知識を、あらためて遠見さんにレクチャーしていただきました。

画像3

まずは「副作用」について。
従来の緊急避妊薬に比べて、現在のものは安全性が高く、副作用はほとんど無いんだとか。
そのため、WHOも多く渡すことを推奨していますが、日本では悪用・乱用といった見方が強く、ちゃんと受診した人だけに1錠、という扱い。

やはり日本では緊急避妊薬についての理解が十分ではなく、社会のシステムとして、このバックアップに確実にたどり着くようにしていくことが、児童虐待死などを防ぐ大きな手段の一つに。
なにより、女性の健康を守るための選択肢を増やすことが大切。

緊急避妊薬は、繰り返し使っても健康上のリスクがないことは世界的にも知られていますが、日本では周知されておらず、安心できる情報をもっと広めることが、いま、特に必要。

画像4

その背景には、コロナ禍にあって、望まない妊娠が急増
最近もニュースで立て続けに報じられましたが、母親が、産んだ子供を遺棄。心が痛くなる事件ですが、よくよく考えると、逮捕されるのは母親、女性だけ。妊娠期間中、どんな気持ちで過ごし、どんな思いで痛みに耐え抜き出産したのか・・・。

望まない妊娠を防ぐためにも、緊急避妊薬に対する世界基準の知識を身につけ、入手のハードルを下げることが急務であり、それは市民が声を上げ、市民が変えていくべき。

そんなお考えのもと、2年ほど前から緊急避妊薬への署名活動をしていた遠見さんですが、先日、橋本聖子大臣に要望書と署名をご提出。
その結果、「誰一人取り残さない政策を進めていく」という言葉を受けたそう。

今月、内閣府の男女共同参画の計画案の中に、「救急避妊薬の薬局販売を検討する」と明文化。

遠見さんの活動の成果がここに来て、一気に実り始めたようで、引き続き署名活動はされるそうなので、考えに賛同された方はぜひ。


◆日本の性教育

「セックス」「避妊」を教えてはならない。そんな解釈の学習指導要領が、昔から今も変わらず続いている日本の性教育。

そんな大事な部分を教えず、どうやって教えるのかと大きな疑問がありますが、遠見さんとしては、その背景には「人権」という視点が欠けているのでは?とお感じに。

子供を産むか産まないかは、女性自身が選ぶべきもの。日本では「産まない選択」への情報やサポートが足りていないのが、現状なんだそうです。

画像7

◆欧米の性教育

5歳くらいから包括的な性教育をしていくという指針があるようで、例えば「プライベートパーツ」という考え方。
水着で隠れるような胸や性器、そして口。その部分は、非常に大切なあなただけの場所。そういった教育で、イギリスでは「パンツザウルス」というアニメが人気に。

この作品は、パンツを履いた怪獣のアニメで、「自分の体は自分のもの、相手の体は相手のもの、パンツのなかはあなただけの大事なところ」というコンセプト。「パンツの中を見せて」と言われても、ちゃんと「ノー」と言える人に、小さなころから楽しく教える作品で、遠見さんのお子さんにも影響が。

画像7

遠見さんが、「胸やおしりは大事な場所で、あなただけのものだよ」と言いながら、2歳のお子さんの体を洗っていると、ある日、お子さんから「大事だから、ママ洗っちゃダメ!自分で洗う!」と言い出したんだとか!
親が触るのは当たり前という認識ではなく、「自分の体を自分で大事にする」という認識がすでに2歳で身に付きつつあるようです。

性教育において、これまでの当たり前の認識を親自身も変えることが必要で、子供のために何かしてあげることより、子供が困ったときに力になってあげられる存在になることが大切。そのためには、常に知識・情報のアップデートを。

画像2

性については話すことは、下品なこと。いまだにそう捉えがちな日本ですが、そうではなく「権利」。
とはいえ、急に変えることは難しいですから、老若男女、一緒に考え、前向きに進んでいきましょう!

以上、2020年11月14日の「週末ノオト」、産婦人科医の遠見才希子さんでした!

TBSラジオ『週末ノオト』は、毎週土曜13:00-14:55放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。PCやスマートフォンでもradikoでお聴きいただけます。
■番組HP:https://www.tbsradio.jp/weekend/
■番組への投稿は...
メールアドレス:weekend@tbs.co.jp
ツイッターハッシュタグ:「 #週末ノオト



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?