哀願
桐也くんに、お手紙書いた
「 こないだは迷惑かけちゃってごめんね。
救急車呼んでくれてありがとう
服とか汚しちゃったと思うから、
少しだけど受け取ってください( ; ; )」
何回も何回も下書きして、
気持ち、いっぱい込めて書いた。
それを5000円札と一緒に封筒に詰めて
ポストに入れた。
ごめんね、ほんとうにごめんなさい。
何回も通ったマンション、
私のたいせつな居場所だったはずの203号室
私がもう一生行けない場所。
誠意、だよ。私の精一杯の。
許してくれるわけなんてないだろうけど。
でも桐也くんは、次ポスト開いたら、私のこと思い出してくれる。
桐也くんの頭の中に、私が浮かぶ。
嬉しい。
私には到底理解できない難しい暗号みたいな数式をスラスラ解ける桐也くんは、
この免罪符をどう解釈して、どんな判決を下すんだろう。
もちろんギルティ、でしょうね。はは^_^
下らないLINE、どんなふうに返信するか何時間も悩んだり、変な駆け引きで自分の気持ちに嘘をついたり、
気持ち悪いほど重い愛を、できるだけ軽くあしらって、桐也くんとの運命の寿命を1秒でも先延ばしにしてきたつもり。
好きになって欲しいなんて、そんな贅沢なことは言わないから
、せめて飽きられたくなかった。
なのに、こんな形で唯一のしあわせを壊してしまって、
心底心底心底不甲斐なくて、
あの衝動を止める、なんか、愛に似たものがあったら、今日も桐也くんのこと抱きしめながら眠れてたのかな、なんて思いながら
涙が止まらない夜です。
やめときなよって、家までわざわざ心配して来てくれた友達がいるっていうのが唯一の救いかも。
できれば
死にたいです。
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