ポルターガイスト②
ちょっと事情があって私が実家に戻ることになった。
その相談とかもろもろで引っ越し前、3月ごろに実家に長期滞在してたんだが、その間ポルターガイストさんは出なかった(私の体験上)。
そしてちょっと引越しのためまた4月ごろに実家から出ていたんだけど、電話で母がちょっと興奮した様子で続報を伝えてきた時の事。
「今まで、背筋が凍る体験ってしたことなかったんだけど初めて背筋が寒くなった!」
詳しく聞いてみると、ポルターガイストのおじさん関連の事だった。
全然気にならなかったけれど…実は私が実家に居た時の話。
お隣の部屋がこの春に引越して、空部屋になったそうだ。それから隣からの音が酷かったという。
最初はバタバタと音がしていて、隣の人が窓や換気扇でも開けて出ていってしまったんじゃないかと思ったらしい。
父と母が外から確認して見たけど、そのような様子はない。古い家だし、春になったから柱の木が湿気や温度で伸び縮みしているんだろうと結論付けた。
もともとお隣さんが結構夜にガンガン音を立てる人だったから、前と比べてもそんなに変わらないし、すぐに気にならなくなったそうだ。
そして、私が帰ってきた。
するとぱったり音がしなくなった。
母はこれはおかしい、と思ったらしい。
で、また私が実家から出ていくとまた音が鳴り始めたそうだ。
そして件の話になる。
私が帰って2日くらいした後、夕方に母は台所で料理をしていた。
その時隣に人が立っている気配がした。ふと横を見ると、中年の男性が立っていたそうだ。
服装が解るほど、はっきり見えたらしい。
ポロシャツを着ていて、スラックス、足元を見るといつもの靴下が見えた。いつものおじさんだ、と解った。
服装から見て思ってたよりも年配かな、と思いつつはっきり見えたことに驚いた。
そして母が横を向くと同時におじさんが母の背後に立った。その瞬間、今まで感じたことがない位ぞおおおっと背筋が寒くなったそうだ。
バッと振り向くとおじさんは消えていた。しかし寒さは残り、体が冷えてその後1時間位体温が低くて気持ち悪かったらしい。
怖すぎる。私、零感で良かった。
母の分析では「去年はさっぱり来なかったから多分他の所に行ってたんだと思うけど…。推測だけど、おじさんはここが結構気に入ってるっぽくて、隣の人が居なくなったから隣に戻ってきたんじゃないかな。居場所が出来たからテンション上がっちゃって姿が見えるようになった…のかな」だそうで。
そんなに元気になるんだったら、父の会社の性悪な人の所に行ってちょっとばかし暴れてくれればいいのにねー、と最後は冗談で話を濁したが、母も結構怖い様子だった。
これから実家に帰って暮らすんだけど…怖いっつーの;
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以上が、私が「母から聞いた怖い話」をまとめてみようと思ったきっかけの話だ。
この文章を書いたのは引っ越し前で、今現在は実家にお世話になっているのだが…。今のところ、私は音については感知していない。
しかし、最近母と私は窓の外が気になっている。