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レモンパイ×ブルーミスト×ミント×バニラミルク

レモンパイ×ブルーミスト×ミント×バニラミルク

はじめに鼻に微妙な臭みが抜ける。
レモンの臭いなのかもしれない。
もしくは「ブルーミスト」というフレーバーなのかもしれない。
バニラも混じっているのかもしれない。

ミントは、煙を吐く前の、嗅覚以前の所に作用する。
私がこれまで吸ってきた他のシーシャだといつも吐く時に鼻や喉の粘膜を刺激するのだけど、今日のこれは吸って口の中を通る時に爽やかな感じがする。そして、吐ききった後にも一瞬、少しだけ。

シーシャの煙を吐いている時間は5秒くらいある。
その中の前後0.5秒を抜いた、4秒くらいの間、どうも「レモンパイ」のフレーバーらしき味がする。
私はレモンパイを食べたことがないからよくわからない。
でも、パイのようなちょっと香ばしい甘み、薄茶色でサクサクした生地をクシャクシャと口の中で噛み砕いている時のような甘さがする。
そこに、果実のレモンではなくて、レモンケーキやレモンクッキーを食べている時のような酸味の抜かれたレモンの味がゆるやかに香る。

バニラミルクはどこだろう?と探したら、レモンパイ風味の直前にある0.5秒のすき間から、ハーゲンダッツのバニラアイスみたいなのが顔を覗かせた。
ほんの一瞬だけど結構強く薫って、なんで意識するまで気付かなかったんだろうって思う。

すごく美味しいのだけれど、美味しいのか美味しくないのかよくわからない。
ちょっと顔馴染みの、名前を覚えてくれた店員さんに「イメージシーシャ」を頼んだからかもしれない。
イメージシーシャとは、客の印象から店員さんが好き勝手にフレーバーを調合してくれるものだ。
私の好きなフレーバーとか私の苦手なフレーバーとかは一切考慮しないで作ってくれるのだ。

普段のシーシャ記録ではシーシャが美味しいかどうか、美味しい時はいかに美味しいのかをどうやって上手く表現しようかって考えてる。
でも、このシーシャではそれができない。評価できない。よくわからない。
誰かに評価されることは怖い。誰にも評価されないことも怖い。
でも、何より自分で自分を評価することが一番怖い。
これは只のミックスされたシーシャフレーバーでしかなく私そのものじゃないことはよく分かってる。
でも、これを吸うのが、この文を書くことさえ、私は凄く怖いんだ





怖いみたいです。驚いたな。

助けてくれって思った。助けてくれなくていい。誰かに助けられたくなんかない。もう既にいっぱいいっぱい沢山色んな人に助けられているのに、助けてくれって思った。助けられたくないのが思い上がりなのもわかっているけれど、私はなにもわからなかった。

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