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"まあ。セレプロなので。"#23 楽曲派と言う勿れ④(「B.B.」100万回再生記念)

もともと「B.B.」の100万回再生を応援する記事を書こうと思ってたらつい先日ついにミリオン達成ということで。やっぱSuzu☆Renaはすげーや!ということで皆さんこんにチアーズ!

7月末にDUSTY FRUITS CLUBのライブに行ったという記事を書いたんですが、その時に思ったのって矢野さんの表現力の幅広さというか「矢野さんが鈴音を演じたことの重要さ」みたいなものをまざまざと見せつけられたんですよ。

そんな想いも込めて今回はSuzu☆Renaが歌った2曲と、この二人を語る上では絶対に欠かせないあの曲のレビューを書いていきます。

1.B.B. (ユニットソングCD収録)

作詞:牡丹
作曲:中土智博

この曲は曲単体での評価が非常に難しいです。
というのもアニメ本編での扱われ方や盛り込まれた設定など他ユニット曲と比較してかなり特殊な役割を負っているからです。なので長くなりますがその辺も含めてレビューしていきましょう。

①Suzu☆Renaと灯の関係性

アニメ第3話にて初披露されたこの曲ですが、視聴者の皆さんの第一印象はどんな感じだったでしょうか。
当時の私の感想を思い返すと「朗らかな鈴音とクールな玲那」のユニットだったので「イメージ的には玲那寄りの曲だな」と感じていた記憶があります。歌い出しの音程も低めなので中の人の声質的にも水野さんに合ってるなあと思ってましたし。

メタ的な製作の都合はさておき、鈴音がこの曲を選んだのって何故なんでしょうね。灯の曲ならもっと明るいやつとかありそうなのに。「サマバケ☆ビッグウェーブ」とか!
で、「灯が歌っていたこの曲を鈴音が聴いていた(恐らく何度も何度も)」と考えると歌詞が刺さりまくってやばいことになります。

羽ばたいたら もう止まらないから
命の限り 声をあげて届けるの

希望になってみせる
わたしの覚悟を(みててよ)

Take me away! もっともっと
輝きたい butterfly wings
どこまでも続くはずの夢を
見つめたなら このまま遠く翔べるから

病床の鈴音は憧れの人がこんな詞を歌っているのを動画や音源で見聞きしていたわけですよ。病気と闘っていた彼女の胸にどれだけ強烈に焼き付いたのか想像に難くないですよね。

片や玲那としても「多くの人の希望となった一方で短い生涯を終えてしまった大好きな姉」を象徴としてこの曲を選んだのも納得がいきます。まるで灯の人生を端的に表しているかのような歌詞ですからね…。

そういう意味ではお互いがこの曲を通して「自分の中の『天沢 灯』像」をぶつけ合っているとも言えますし、後述の「ユニットだけどライバル」の裏テーマであるかもしれません。(灯キチ頂上決戦とか言うな)

②Those girls dance like a butterfly

物語の展開というか演出的に惜しむらくは「歌」チームだったSuzu☆Renaがダンサブルな曲をしっかり踊っていたおかげで第4話の「ダンス」チームであるSplasoda°がインパクト的に若干割を食ってしまったところだとは思うのですが、まあそれはさておき。(凪咲がめっちゃ文句言ってそう)

ニコ生かラジオか出典は忘れましたが矢野さんや水野さんもレコーディングの際はキャラクターと同じくソロのつもりで歌ったと言っていた記憶がありますし、実際第3話時点では二人の間に独特の緊張感がありましたね。

それとは別に水野さんにとっては矢野さんが事務所の先輩であるというプレッシャーもいい方向に作用したのではないかと感じています。
矢野さんは自身の芸歴的に若い頃から(今も十分に若いんですが…)歌ったり踊ったりということに慣れていたとしても水野さんがその先輩と「ライバルかつパートナー」として肩を並べるのは本当に大変だったのではないでしょうか。
ただその困難を乗り越えたからこそのSuzu☆Rena曲だと思いますし、いつか水野さんが自分のキャリアを振り返った時に「この曲で自分が羽化した」と思えるターニングポイントとなってほしいですね。

③1,000,000エールの向こう側

チアーズの中でも最近はYouTubeの動画見てなかったという人もたくさんいると思うのでこれを機に改めてコメ欄も見てほしいです。
かなり海外からのコメントが多く、中でも考察的な感想は「細かいとこまでよく見てるな」と感心させられます。二人の衣装のこととか、振り付けのこととか、玲那が鈴音をチラ見するところとか。

何より鈴音や玲那に対する応援コメントが「きっと劇中でも配信された動画にチアーズから同じようなコメントが付いてたんだろうな~」と感じさせてくれてとてもエモいです…。「鈴音ちゃんの笑顔が好き!」とか「玲那ちゃんクールでかっこいい!」とか。

せっかく国境を越えて魅力が伝わっているわけですから1st LiveのSuzu☆Rena完全再現を見たら海外チアーズもぶったまげたでしょうし、あの模様がいまだに映像化されてないって人類にとっての損失だと思いますよKADOKAWAさん!!

(あんまし曲に対してのレビューにならなかった…)

2.Masquerade(BD第1巻特典CD収録)

作詞:牡丹
作曲:高田暁

セレプロの曲はどれも好みなので「どの曲が一番好き?」と聞かれたら非常に困るのですが、「どの曲が最もハイクオリティだと思うか?」と問われたら即答でこの曲を挙げると思います。ニコ生で初解禁された時の衝撃は今でも忘れません。というか円盤特典曲どれも強すぎる…(あんころ節も)。

メインメロディはレトロなダンスミュージックといった感じで、往年の名曲であるABBAの「Dancing Queen」に通ずるディスコティックな雰囲気があります。(お前いくつだよ)

なので「ライブ初心者」とか「激しい曲はノリづらい」という人でも自然に体が揺れてしまうような心地よいテンポ感になっていると思います。観客は月影に照らされて踊る二人を祝福するように手拍子を送るのです。

勝手な脳内補完として、この曲はアニメ本編後にプロデビューした9-tieの中でさらにユニットごとの活動も平行して行われSuzu☆Renaの曲として世に出たのではないか…と妄想しています。
2番サビの歌詞とかそれを暗示しているのかなあと。

反発していた 心が惹き合って
導き出す未来 踊り合うMasquerade

この曲は仮に玲那だけ、というか水野さんだけが歌っていたらもっとシックな雰囲気になったと思いますが矢野さんの可愛らしい声が合わさることで光と闇がそなわり最強に見える……じゃなくて、中学生の女の子らしい小悪魔っぽさみたいなテイストも味わえます。一曲で二度おいしい!

そしてライブでの!振り付けが!可愛いかったよ!!(大声)

3.ENDROLL(BD第3巻特典CD収録)

作詞:おっちょこバニー
作曲:弓場崇弘(HANO)、小高光太郎

実は今回のレビューを書くにあたって数か月ぶりにこの曲を聴きました。

というのも、もともとアニメ第9話でこの曲が流れたシーンでボロ泣きしたおかげで思い出し泣きをしないよう聴かないようにしてたんですが、1st Liveで矢野さんと水野さんのデュエットを聴いた昼の部でこれまたえげつないくらい泣いてしまいまして。いや隣の席の人とかマジで引いてたんじゃないかな…汗

胸に負った傷が深手すぎてそれ以来聴いていなかったんですがようやく傷口が塞がってきたようです。約7か月は長かった。

私にとってとても印象深いバラードの歌詞について、チアーズの皆さんはどんな解釈をしたでしょうか?水野さんは一番と二番で歌い方を変えてるみたいなことを言っていたような記憶があるのですが…(うろ覚え)。

私が気になったのは歌詞の物語の中で主人公というか主体となっている人が変わっているのではないか?という点です。

一番では一人称が「私」なのに、

気付いていたのは
私かな あなただったのかな

二番では「僕」になっています。

繰り返してく 日々の中で
泣いたり 笑って 僕らは輝く

一番の歌詞だけ聴くと玲那がもう会うことが叶わない灯を想って歌っているのかなと思ったのですが…

まだ 沢山話したり
もっと 知って欲しかったよ

想像できる解釈としては二通り考えていて、「主体が玲那から別の人物に移っている」と「『私』も『僕』も玲那であり一番から二番の間で心境の変化があった」というものです。
後者を補強する根拠として二番頭の歌詞では時間経過を表しています。

あれから どのくらい
時間ときは過ぎ 色々変わったね
色褪せはしない あの日の記憶が
いつだって 照らしてくれたの

さて皆さんの頭の中にはどんなストーリーが描かれていたでしょうか。
ライブ時の振り付けを思い返すと歌詞の主体は灯であるという線もありそうなんですよね。あの時は矢野さんが水野さんを見守るように彼女を中心とした円で踊っていた場面があったので。

もうアニメ放送から時間はずいぶん経ちましたけどこうして改めてセレプロについて考えることができてよかったです。ぜひ音源がある方はフルで聴き返してみてくださいね。