cheer for "SELECTION PROJECT" #6 セレプロアニメ第5話「有頂天トラブルメーカー」感想
「やけん、マーマはもう遠慮せん!」
1次審査も佳境を迎え、パフォーマンスを残すのは「楽器」チームのみとなった。
詩と栞の意見が真っ向からぶつかる中、まこは何を想うのか?
ということでセレプロアニメ第5話の感想です。
※記事中の画像はSELECTION PROJECT公式サイトより引用しています。
※ややこしくならないよう劇中のオーディションは「SELECTION PROJECT」、現実のコンテンツ全般は「セレプロ」表記にしています。
お品書き
1.第5話の見どころ
①「楽器」チームのユニット名にこめられた意味
②タメ口と敬語を場面によって切り替えている詩
③寮での雰囲気がわかる描写が少しだけあります。野土香の飯テロを受けるまこが心配
2.トライアングラー
1次審査最終日。ステージに降臨するのは目深にフードを被った三人組。
闇に覆われた目元からは表情を読み取ることはできない。
戸惑う鈴音たちが見守る中、配信5秒前のカウントダウンが始まる――。
と思ったら5日前に時は遡る。時系列的には第3話の直後からで第4話冒頭と同じあたり、といったところ。まこ・栞・詩の三人で構成される「楽器」チームはチアーズの心を掴むために気持ちを新たにしていた。
翌日(残り4日)、三人はチーム名発表の配信を行った。「GAPsCAPs(ギャップスキャップス)」――年齢も身長もギャップのある三人が最高のチームでありたいという意気込みが込められたユニット名である。ちなみに私はもう一つ意味が含まれていると思うのだがそれについては後述。
その発表に合わせて三人についてインタビューが続いた。第4話で「Splasoda°」は自分たちのスマホから配信していたが、今回はスタッフがカメラを持っているようである。
・まこについて
Q.なぜ"マーマ"と呼ばれているのか?
A.母性があふれてしまっているから by栞(ここで言う母性というのは甘やかされるというより面倒見がいいという意味合いが大きい)
Q.アイドルを目指した理由は?
A.もともと音楽が好きだったから
・栞について
Q.なぜ"お嬢"と呼ばれているのか?
A.見たままだから byまこ・詩
Q.アイドルを目指した理由は?
A.国を代表する大和撫子として世の中の憧れの対象となるべきだから(それがアイドルってえらく俗っぽい発想なのでは…?)
・詩について(母について言及したときカットを要求する仕草が可愛い)
Q.なぜ"先生"と呼ばれているのか?
A.子役として芸歴が長いから byまこ
Q.アイドルを目指した理由は?
A.新しい"小泉詩"として自分の可能性を見つけたかったから
残り3日。三人は引き続き練習を続けるが栞はまだまだ納得がいっていない様子。逐一演奏を止めて繰り返すのだが詩は先に進まないことに不満を持っていた。さらに論点はボーカルの担当にまで波及。
二人の境遇を考えると何となくわかるのだが、栞と歌が習得しているたくさんの技能に関して、栞の場合は「習い事」によるもので、詩の場合は「仕事」によって培われたものだ。「習い事」なら時間をかけて修練することが許されても、「仕事」は納期や締切がある。
これは当然優劣や善悪の問題ではない。栞が自分に課している要求水準がかなり高いことは容易に想像できるし、詩のプロ意識も(母親の圧があるとはいえ)相当なものである。
二人の意見が合わないのはそもそも自分の能力や実績にプライドがあるからだ。さらに言えばSELECTION PROJECTはあくまで自分が他の候補者を上回る必要がある。そういった諸々もあって譲れない、という事情も含まれるだろう。
残り2日。この時点で「Splasoda°」がライブを配信し99,800エールを獲得。彼女らは2日という猶予があるわけだが、仮に「GAPsCAPs」が最終日に同じ状態になったらほぼ挽回不可能。それは1次審査敗退を意味する。
詩のスマホにはそんな娘の状況を危惧した母からの大量のメッセージが届いていた。ただメッセージの文面を見る限り詩ママも自分の過干渉気味なところに自覚があるらしい。
残り1日。早朝、「Splasoda°」の広海・野土香・逢生は凪咲に対し寝起きドッキリ(ドッキリとは言っていない)を敢行していた。これが第4話で凪咲が言っていたサービスショットらしい。その企画がダメ押しになり100,000エールを突破。1次審査合格となった。栞がシリアスに動画を見ているのがシュール過ぎる。
栞と詩を仲裁することで手一杯なまこ。合宿所の外にいた玲那に声をかける。第1話の感想でも書いたがこの二人が並ぶと姉妹感ある…。
「Suzu☆Rena」の二人はどうやってまとまったのか――その疑問を玲那に投げかけてみるが、玲那としてはあくまでもお互いソロのつもりで競い合っただけというシンプルな回答。だが、鈴音に対する態度とは違い突き放すような雰囲気は無い。それはまことの年齢差によるものなのか、まこの人徳によるものなのかはわからない。
「GAPsCAPs」は夜も練習を行っていたが、相変わらず栞と詩の意見がまとまらない。演奏の方向性だけではなく、ついにはお互いの来歴にまでケチをつけ始める始末。
そんな二人を見かねたまこが、静かに言い放つ。
「1次審査は、敗退でよか」
きっと多くの視聴者が自分の子供時代を思い出したのではないだろうか。母親を本当に怒らせた時の恐ろしさ。激情が爆発する寸前の重苦しさを。
3.リベリオン
寮の自室にて爪の手入れをする栞。不意に母からの着信がありスマホに手を伸ばすが詩の言葉を思い出しスルーしてしまう。
同じくベッドで母からのメッセージを見返す詩。弱気な返信をしてしまいたくなるが栞の言葉を思い出しテキストを削除する。
まこは合宿所の外で実家に電話をかけていた。母に自分の迷いを打ち明ける。周りのことを気にかけてしまうあまりに自分がどうしたいか、自分の夢がわからなくなってしまった――。しかし母からの答えは実に単純明快だった。
「まこはまこのまんまが一番なんやけん」
母の背後からは弟や妹たちの声援が聞こえる。どこかすっきりしたような顔でまこは背伸びをするのだった。
翌朝。ついに1次審査最終日がやってきた。スミパンダがレッスン室にやって来るが「GAPsCAPs」の三人は誰もいない。それどころかリハーサルの時間を迎えたステージにも…。
栞と詩がまこを見つけたのは林の中にある小さなお社のそばだった。まこの真意を問いただす栞と詩。
まこは自分自身とチームのことを考えていた。まこは自分のためだけでは進めないということ。弟妹の面倒を見ることで自分自身も成長してきたからだ。そして、栞と詩についてはアイドルである前に人として成長してほしいということ。仮に今回のオーディションで落ちたとしても若い彼女たち(いや、まこも若いんですけど…)には未来があるから。
そして彼女は高らかに宣言する。
「今はうちがあんたたちのマーマやけん!ビシビシいくばい!」
果たして――栞と詩は自分の母親からこんな言葉をもらったことはあっただろうか。片や名家のお嬢様、片や天才子役。母からの期待はそんな「あるべき型」に向けられていた。しかしまこの目線はそこからずっと先を見ていたのだ。個人的にまこがマーマと(メタ的に)言われているのはこういう17歳らしからぬ先見性にあると思う。
まこから激を飛ばされた栞と詩も腹は決まったようだ。三人は力強く駆け出す。「GAPsCAPs」による暴食の反抗、開演!(またリハを省略されたスタッフさんご愁傷様です)
(「GAPsCAPs」による「NOiSY MONSTER」。私を含め視聴者の皆さんも曲や衣装のイメージによる「ギャップ」に驚いたのではないだろうか。つまりこれが彼女らによって仕掛けられた最後のフックということだろう。ちなみに劇中では楽器演奏してますが恐らく中の人のパフォーマンスはダンスになると思われます)
12/7追記 MV公開!!
ライブは無事成功し「GAPsCAPs」も100,000エールを突破。他チームも含め全員の1次審査合格が決定した。しかし相変わらず栞と詩はお互いの演奏にダメ出しをしているし、鬼マーマと化したまこがそんな二人を追いかけまわし――当面三人の関係性は続きそうである。
その夜。寮で思い思いの時間を過ごす候補者たち。明日から始まる2次審査に想いを馳せながら、なぜか鈴音は自室ではなく脱衣所で着替えていた。
彼女がわざわざそんな行動をとる理由とは…??
(そういえばタイトルの「有頂天トラブルメーカー」って誰のことだったんだろ?栞と詩?)
まこから声をかけられただけでビビる二人