cheer for "SELECTION PROJECT" #4 セレプロアニメ第3話「もしこの世界から歌が消えたら」感想
ついに始まったSELECTION PROJECT本選。
候補者9人を待ち受けるのはどんな審査なのか??
ということでセレプロアニメ第3話の感想です。
※記事中の画像はSELECTION PROJECT公式サイトより引用しています。
※ややこしくならないよう劇中のオーディションは「SELECTION PROJECT」、現実のコンテンツ全般は「セレプロ」表記にしています。
お品書き
1.第3話の見どころ
①玲那が背負う過去と覚悟。
②ユニットソング第1弾登場。3DCGでもキャラの表情はバッチリ!
③ED曲「Only one yell」解禁。ワンピース姿の9人が眩しすぎる。
2.第1次審査スタート!
合宿所の朝。寮の自室で天沢灯の写真を見つめる玲那。どうやら単なるファンというわけではなく何か思うところがあるらしい。
全員が食堂にそろうと鈴音の提案で朝食がてら自己紹介をすることに。第2話のラストで玲那に皮肉を言われたにも関わらずポジティブさは健在だ。
ここで状況を整理するためにも各キャラの年齢・出身・寮での部屋割り(各3人部屋)を紹介しよう。
鈴音:14歳(中学3年生)・埼玉県
逢生:13歳(中学2年生)・広島県
詩:11歳(小学6年生)・宮城県
玲那:14歳(中学3年生)・東京都
野土香:14歳(中学3年生)・北海道
まこ:17歳(高校2年生)・福岡県
広海:16歳(高校1年生)・大阪府
凪咲:15歳(中学3年生)・高知県
栞:14歳(中学3年生)・愛知県
以上を見ても規則性(年齢順や地域別)が無いことからランダムに分けられているようだ。自由時間に各部屋でどんな会話が繰り広げられているかについて想像してみるのも面白いかもしれない。
高校生組である広海とまこは学年について気にしていないようだが、部活で上下関係を叩き込まれたらしい逢生は先輩が多いからか緊張した面持ちだった。
寮の女将であるサニーさんからスケジュールの説明を受けたのち、スタジオに移動する9人。すでにSELECTION PROJECTの"リアリティショー"は始まっているらしくその様子もスタッフによって配信されている。
そこで登場したのがデスゲームの主催者…ではなく運営のマスコットであるスミパンダ(CV小野大輔)。第1話から実況解説として動画内に出ていたのだがついにリアルスミパンダとして降臨した。動画内と比べて明らかに頭身が高い彼(?)を見て「何か違くない?」とは詩の弁。
第1次審査に臨むにあたって9人に重要な選択肢が与えられる。「歌」「ダンス」「楽器」の3つから自分が得意とする分野を選ぶというもの。おそらく視聴者の中でも「アイドルの審査で楽器とは…?」と思った人も多いのではないだろうか。私はあまり知らなかったのだが現実でも「バンドル」という造語でジャンル分けされているらしい。有名どころだとZONEの結成当初のコンセプトが「楽器を弾けるアイドル」だったようだ。(この辺のジャンル分けはかなり曖昧で、例えば声優にしても「アイドル声優」がいたりカオスなことになっているが)
そんなわけで9人がどんな選択をしたかというと、以下のとおりである。
「歌」チーム:鈴音、玲那
「ダンス」チーム:広海、凪咲、野土香、逢生
「楽器」チーム:まこ、栞、詩
まず特筆すべきはラブライブ方式とも言える3人×3チームではないということと、一番アイドルっぽい「歌」チームが最少であることだろうか。ちなみに前述した部屋割りと見比べてみると同室なのは「ダンス」チームの広海と凪咲である。
ここで決まったユニットごとにSELECTION PROJECTの過去曲から楽曲を選択し、ユニット名とパフォーマンスの内容まで考えライブを行う、というのが1次審査の内容。単純な実力だけでなくセルフプロデュース力(りょく)も問われるというわけだ。
1次審査合格条件は10日以内にチアーズからの投票である100,000エールの獲得。少女たちの戦いの火ぶたが切って落とされた。
3.いわゆるMTG
「ダンス」チームのミーティングはユニット名の相談から始まった。「4人組」にちなんだ言葉ということで野土香が挙げたのは「カルパッチョ」。律儀にホワイトボードに書く逢生だがすかさず広海のツッコミが飛ぶ。「カルテットな」。凪咲は先にダンスのジャンルを決めることを提案する。決めなければならないことの多さに考え込む4人。
「楽器」チームは単純明快。それぞれが弾ける楽器はどれか?ということ。詩がギター、栞がベース、まこがドラムということですぐに決定した。栞の場合はウッドベースとか習っていそうである。ユニット名を考える過程でお互いの呼び方について話し合ってみることに。
「歌」チームの玲那は鈴音を前に開口一番「こんなの不公平よ…」と漏らす。いくら実力があったとはいえ、この刺々しさを持ったままよく地区予選を勝ち抜けたものである。その後も玲那は協力する姿勢を一切見せないままミーティングは終了。
夕食時。食堂で鈴音は驚くべき光景を目にする。
「"先生"のギター、上手でびっくりしちゃった」
「普通だよ。"お嬢"のベースもなかなかやるじゃん」
「当然ですわ。それより"マーマ”こそ。見かけによらず激しいドラムですね」
なんと「楽器」チームはこの短時間のうちにお互いのことをあだ名(まこ→マーマ、詩→先生、栞→お嬢)で呼び合っていたのである(ついでに詩がタメ口になっている)。余談だが鈴音の「みんなめっちゃ進んでる―!」というセリフは、少女漫画の主人公が友達に彼氏がいるとわかって驚いた時の一言っぽいと思った。
慌てた鈴音は玲那に対し改めて協力を提案するが相変わらず受け入れてもらえない。玲那としても鈴音を認めたくないという拒否感と1次審査を合格したいという気持ちの狭間で葛藤があるようだ。
自室に戻った鈴音がスマホを見るとエール数の表示が。「歌」チームのエールが50,000を超えている―!(スカウターの戦闘力表示かな?)不仲芸がファンにウケた…でもなく、ルックスの評価…でもなく訝しむ他候補者。すぐさま凪咲がパブサスキルを発揮し原因を突き止める。鈴音に見せた端末の画面にはSNSの画像とテキストが表示されていた。「SELECTION 第7回本選出場者・花野井玲那は天沢灯の妹」と―。
4.同じだけど同じじゃない
夜の海辺で玲那は昔のことを思い出していた。アイドルとしてどんどん人気を獲得していった天沢灯。多くの人から喝采を浴びる彼女は、幼かった玲那にとって変わることのない「大好きなお姉ちゃん」だった。
玲那にそっと声をかけた鈴音。鈴音にとっても天沢灯は特別な存在である。だから玲那に真意を確かめずにはいられなかった。
玲那はあくまでも天沢灯との関係性を伏せた上で自分の実力だけでオーディションを勝ち抜くつもりだった。しかし第2話でセイラが鈴音の学校を簡単に調べられたように、候補者の経歴をたどる者が出てきてしまったようだ。現実でも芸能人の家族関係などがマスコミやSNSでリークされるのはままあることである。
玲那が気にかけているのはその先の出来事。「歌」チームが一気にエールを稼いだのはあくまでもそういった「ドラマ性」によるものであり、玲那(と鈴音)の実力が純粋に評価された結果ではない。
「お姉ちゃんはがんばってた。独りで戦って、独りで苦しんで――」
これは玲那にとっての天沢灯の姿。本人は気が付いていないようだが、皮肉にも今の玲那自身を表している言葉でもある。「アイドル天沢灯」がどんな想いでいたのかを知るために自らもアイドルになる。これこそが玲那がSELECTION PROJECTに挑んだ理由。
「灯ちゃんみたいにわたしも自由に歌って踊りたいって思った」
これは鈴音にとっての天沢灯の姿。幼いながらに入院生活を送っていた彼女にとって天沢灯は自由の象徴だったようだ。
こうして対比してみると二人の「天沢灯」像は全く正反対であることがわかる。孤独と自由。同じ人物を目標として、同じくアイドルになろうとしているのに、だ。
けれど、共通していることがたった一つだけある。
「だから絶対に負けられないの。お姉ちゃんと同じステージに立つまで」
「だからわたしだって、こんなところで負けられない」
必ず憧れの場所にたどり着くという、決意。
「歌」チームが大量のエールを獲得したことで俄然やる気になる他チーム。
それでも鈴音は相変わらず一人でのレッスンを続けていた。玲那が協力してくれることはないのか、と思っていたら課題曲をリストアップしていたと言う玲那が現れる。それは偶然にも鈴音も選んでいた曲だった。
ライブに向けてこのチームはどうあるべきか。玲那が提案したのは「チームだがソロでもある」というコンセプト。馴れ合うのではなくライバル。そんなユニット。
そして二人はまともな合わせ練習をしていないにも関わらずゲリラライブを敢行することに。しかもリハーサルすら必要ないと言う玲那。お互いソロのつもりで練習してきたから、とのことだがリハ無しの事実をその場で聞いたスタッフが泡を吹いたことは想像に難くない。SELECTION PROJECTではスタッフにも超一流の技能が要求されるのかもしれない。
合わせ練習無し、リハ無し。そんな「歌」チーム改め「Suzu☆Rena」のライブが始まった。楽曲は天沢灯がかつて歌った「B.B.」。
(華やかなイメージの中にもどこか儚さを思わせる曲。楽曲に関する詳細レビューは後日まとめて書きたいと思います)
(なんと中の人によるMVも公開中!見比べてみると面白いかも)
初めて合わせたにも関わらず見ていた逢生が「完璧…」と漏らすほどの完成度となったゲリラライブ。まあ一番がんばったのはカメラ、音響、照明を一発勝負で決めたスタッフ陣な気もするのでキャラの代わりに私が称賛を送りたい。
ライブを通じて二人の距離は少しだけ縮まった…ように見えるがまだ雪解けには時間がかかりそうである。とはいえライブ成功の甲斐あって「Suzu☆Rena」のエール数は100,000を突破し1次審査合格が早々に決まったのだった。
スミパンダによると過去の1次審査で全員が合格したケースはないそうで、このままいくと「ダンス」チームか「楽器」チームが敗退するということになってしまう。残る2チームの運命は如何に??
(公式アカウントも興奮してハイタッチしちゃなよ!とツイートする始末)