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cheer for "SELECTION PROJECT" #18 セレプロアニメ第13話「Our Glorious Days」感想

『――待ってくれてる。わたしたちの歌を、待ってくれてる人たちがいる』

第7回「SELECTION PROJECT」もついに大詰め。
意識を失った鈴音不在のまま進んでいくファイナルライブ。
「9-tie」のエールはチアーズに届くのか。

ということでセレプロアニメ第13話の感想です。

※記事中の画像はSELECTION PROJECT公式サイトより引用しています。
※ややこしくならないよう劇中のオーディションは「SELECTION PROJECT」、現実のコンテンツ全般は「セレプロ」表記にしています。

お品書き

1.第13話の見どころ

①この物語は「予定調和」へ至る道のり。
②みんな成長したね…(親目線)

2.Wonder Dream

意識が戻らない鈴音を心配そうに見る玲那

「どうしてここにいるの?」
そう問いかけたのは天沢灯。
「それは…歌いたいからです」
答えた鈴音は入院していた頃の幼い姿になっていた。

改めて歌う理由を問う灯
鈴音の胸の傷跡は繋がりの証

鈴音の夢の中で言葉を交わす二人。
第1話の冒頭で幼い鈴音はずっと天沢灯の映像を見ていた。元気に遊びたい年頃の少女が病床で希望にしていたのは、憧れのアイドルのようになること。
天沢灯からもらったエールを、別の誰かのもとへ。オーディションを経て様々な出来事を経験した鈴音だったが、その夢は全く変わっていない。

病室にて鈴音に付き添うサニーさんは天沢灯がどんなアイドルだったのかを玲那に話す。
伝説のアイドルと謳われる灯もステージでの重圧は感じていたらしい。しかし彼女もまたファンであるチアーズからのエールによって支えられていた。
玲那の目には孤独に映っていたかもしれない灯は、決して独りでの戦いを強いられていたわけではなかったのだ。

再び鈴音の夢の中。
ポジティブなイメージの強い鈴音だが実は「歌を本格的に始めたのが遅い」という不安があったようで、過労で倒れるほど自分を追いこんでいたのはそれが遠因だったらしい。
天沢灯の言葉がそんな鈴音の不安を優しく包み込む。
灯にとっての「歌」とは人生を豊かにしてくれて、自分を肯定するもの。
では、鈴音にとっての「歌」は一体どういう意味を持つのだろう?

きっとその答えを出すための道はまだ半ば。
その道を行く鈴音の背を押す最後のエールが託された。
「大丈夫。心配いらないよ。ずっとそばにいるから」

意識が戻った鈴音の目元を涙が伝う。
鈴音は夢の中で灯に会ったことを玲那に伝えるとともに、「三人で」ステージに立つことを誓う。
サニーさんは鈴音と玲那にイチゴのキャンディーを渡す。灯が好きだったイチゴは実はこのアニメの中で様々な小ネタとして登場しているらしい(いずれ別記事でとりあげるかも)。

3.Twinkle Twinkle

ステージで鈴音と玲那を待つ7人はチアーズに向けて言葉を紡ぐ。
今のところ数万のエールが集まっているわけだが、それは決して当たり前のことではない。

たった一人のお客さんを呼ぶために一生懸命に告知を行った路上活動。
自分たちの曲を作るために9人全員の力が必要だったこと。

様々な厳しさを思い知らされたからこそ、今の彼女たちがある。

その厳しさは彼女たちをより謙虚に、より真摯な人間へと成長させていた。
鈴音と玲那が間に合わなかったことについて、下手に偽ることなく広海は説明する。その震える手をそっと握りしめたのはまこだった。彼女の気配りぶりは窮地の時であっても変わらない。

この時点で獲得エール数は100万を少し超えたところ。200万エールのようやく半分だ。これでは合格云々を言えるレベルではない。
一体、どうなってしまうのか!?(ガチンコファイトクラブ)

次の瞬間、突如暗転するステージ。困惑するジュン。
まるでこの時を計ったかのように流れ出す音楽。
そう、古今東西、主役は遅れてやってくるものだ。

「B.B.」のイントロに合わせてステージの奈落からせり上がってくる「Suzu☆Rena」の二人。いや、二人を繋ぐ星――灯を加えて、今は三人だ。
まるで病院からワープしてきたかのような登場ぶりだが、有識者によるとモデルになった場所から計算した場合、病院から10分程度で到着できるらしいので全くの不可能ではない(着替えやメイクはどうするんだ)。

喜びで湧き上がる舞台袖の7人。
鈴音は先ほどまで倒れていたとは思えないパフォーマンス。
玲那も1次審査の時とは違い生き生きとした表情だ。
『重なり合って生まれた光が また誰かを照らす――』

ライブを終えた「Suzu☆Rena」を温かく迎える7人。この時は詩も珍しく鈴音に抱き着いていた。こうして近くにいると何となく姉妹感がある二人である。

全員がそろったことによってファイナルライブの配信は続行となった。獲得エール数は150万弱。大幅に増えたものの、あと一歩足りない。
長かったオーディションも、いよいよ最終局面へ。

4.9 colors

最終審査の日から時は流れ――

とある日の未明。まだ薄暗い時間の美山家。
地区予選決勝の日と同じように、どこかへ旅立つらしい鈴音は両親に感謝を伝えていた。まるで結婚式を迎える花嫁のような雰囲気で、お父さんもどこか寂し気な様子。

そして、他の「9-tie」メンバーも三度旅立つことになった。

見送りに来てくれた後輩を優し気な表情で抱きしめる広海(ひろなぎ過激派が目を覆ったとか何とか)。
スナックのキャストさんやママ(二重の意味で)が歌う「SPARKRASH」を楽しそうに聴く凪咲。
犬が埋まるほどの豪雪に向かい、雪かきに精を出す野土香。もちろんお母さんが作ってくれた海鮮ちらしを食べることも忘れない。
逢生は両親とランニング。船が帆に風を受けるように、両親の励ましでぐんぐんペースを上げていく。(この前のシーンでお祭りの特別賞の楯が映ってるんですがもしかしてコミックの方で補足されてる?)
詩の母は新幹線の中で相変わらず詩に小言を言っているが、精神的に一回りも二回りも成長した娘と比べて母親の方が子供っぽく見えるのが面白い。
栞は華やかなパーティーで堂々と挨拶を述べていた。「山鹿の誇り」を体現する彼女の姿に祖母や母、執事の千代さんも嬉しそうだ。
幼い弟妹の成長を見られないことを残念がるまこ。そんな彼女に課せられたのは親戚や知り合いに配る大量のサイン書きだったがやる気満々である。
花野井家では玲那と彼女の母が灯の仏壇に手を合わせていた。「もしこの世界から歌が消えたら」…灯がいなくなっても歌が消えることはなかった。玲那の心の芯に、しっかりと、確実に、息づいている。

9人が集合したのは都内の乃木坂駅付近。
そしてそこにそびえ立つビルの一室で彼女たちを待っていたのは他でもない、「PRODUCTION SELECT」の社長ことサニーさんだった(ご丁寧に机のネームプレートにも「SUNNY」と書いてある)。

鈴音と玲那は以前病院にて正体を知っていたわけだが、他の7人にとっては初耳だったようだ。驚きのあまり語彙力を失う凪咲。「ヤバいんだけど…ちょっと待って、えっ、ヤバい!」

そして畳みかけるように登場するスミパンの中の人であるジュン。何と彼は「9-tie」のマネージャーに就任していた。アイドルにマネージャーが付くということは…つまり、そういうことだ。

ついに「9-tie」は「PRODUCTION SELECT」から正式にデビューすることになっていた。そして披露される1st Liveの告知ポスター。それは、現実とアニメの世界がリンクした瞬間だった。

プロのアイドルとしての心構えを説いたサニーさんからの提案。初心を忘れないためにある映像の鑑賞会をしよう――その映像はもちろん、言及されていなかったファイナルライブの場面だ。

家族、友達、ライバル、セレクションスタジオのスタッフたち…9人を取り巻く全ての人が彼女たちの行く末を見守っている。
夢の中で灯と話したように、それは鈴音にとって自分たちの歌を待ってくれている人たちだ。
自分たちの夢のために、そしてエールを送ってくれる人たちのために、「9-tie」は最後の勝負に挑む。

1次審査で未遂に終わっていた鈴音と玲那のハイタッチは、最後の最後でこの曲を象徴するハイライトとなっていた。

このライブが決め手となりエール数は200万を突破。
この瞬間、第7回「SELECTION PROJECT」の優勝者、もとい優勝ユニットは「9-tie」に決まったのだった。

スタッフから「9-tie」へ送られるお祝いの花束と賛辞。
1次審査でのリハ無しライブ(しかも2回)に始まり、衣装やメイクなど裏方の尽力が無ければ彼女たちがここまで輝きを放つことはできなかったはずだ。ちなみに凪咲は先ほどのシーンから「ヤバーい」しか言っていないのだが、もはや動物の鳴き声みたいになっている。もしくはポ〇モン。ソーナンス。

「Splasoda°」の4人は野土香のかけ声と逢生の提案で骨付き肉を食べることを宣言。
「GAPsCAPs」の詩は嬉しさのあまりまこに泣きつき、栞も感極まっている様子だ。

そして、「Suzu☆Rena」の二人は。
メンバーとスタッフと、そしてサニーさんもジュンも集まった動画の中央で"画面の向こうのチアーズ"に語りかける。そう、第四の壁を越えて、だ。

「わたしたち9-tieと皆さんで、いっぱい夢を語り合って」
「いっぱい叶えていけたらいいなって思ってます」

『これからも、応援よろしくお願いします!』

夢に続く道は半ば。けれど進むべき先は見えている。
気づけばそれはすぐそこに。

To be continued.(at Zepp Haneda on 30 January 2022)

セレプロちゃんぱ!もありがとうございました。(ニコ生ネタ)