被害者から加害者の視点へ変遷するフィクションの風潮。『怪物』是枝裕和×坂元裕二
『万引き家族』と『ベイビーブローカー』を見て、いまいちピンと来ない監督だった是枝監督、でも今回の映画は結構いいぞ。
というのも発端が坂元裕二の脚本であることや、川村元気プロデュースによる絶妙な塩梅が功を奏したのかもしれない。
『万引き家族』と『ベイビーブローカー』は舞台や筋書きこそ違えど、本質はともに同じで、是枝監督の家族観というものが濃厚にある。
大家族的、昭和的というか、ちょっと保守的で古いのが気にかかった。
『怪物』に関しても、最初は安藤サクラ演じるシングルマザーの