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映画時評2022&2023

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2022年10月から2023年12月に劇場公開していた映画の感想記、時評をまとめたものです。
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2023年5月の記事一覧

長い人生の2時間50分くらい映画を観るのに使おうぜ。『ラストエンペラー』感想。

12ヶ月のシネマリレー…ということで、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラストエンペラー』を観に行きました。 最近、ラストエンペラーの使っていた腕時計がオークションに出品され、ニュースになっていましたね。タイムリーな鑑賞…なのか? しかし、絶妙なラインナップですね。 マイナーでマニアックなチョイス。 本作は坂本龍一が音楽を担当。なおかつ俳優として出演している映画で、追悼上映となっています。 劇中の音楽は、映像を凌いで主張するような躍動感がありました。 YMOの初期がそうで

notヒーローを叩きつけるガン監督の最後っ屁『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーvol3』

エンドゲームで燃え尽きてしまったマーベルライト勢の自分も、ジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の新作は観にいく。 以下、感想など。本作は3作目にして、ロケットが主役の回。 生体工学で生み出され、知性を持ったアライグマであるロケットは、非道な化学実験の被害者であり、メンバーの誰にも詳しく過去を明かさない。 回想で明かされる出自は、フリークス映画のそれで、“産まれてきてしまった悲劇”みたいなのがとても刺さる。他の失敗作たちもそれぞれ悲劇を醸し出していて