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《書評》SF小説

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“テクノロジーが社会と個にどのような作用を及ぼすのか、そして社会はテクノロジーをどのようにかたちづくるのかというダイナミクスのもつ面白さ”
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2024年6月の記事一覧

書評『砂漠の救世主』『砂丘の子供たち』新訳版

ヴィルヌーブ版の『デューン PART2』を無事、劇場鑑賞した私は、冷めやらぬ熱気のまま、映画の続きであるフランク・ハーバートの原作小説『砂漠の救世主』と『砂丘の子供たち』の新訳版を手に取ったのであった。 ハルコンネン家とシャッダム4世の陰謀を打倒し、新たに皇帝となったポール。 映画はそこで幕を閉じるが、原作ではさらにポールのその後が描かれる。 ハーバートはデューンシリーズを『砂丘の子供たち』までの三部作で一区切りとしており、もともと三部まで書かれる物語だったのだ。 映画が消