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《書評》ノンフィクション

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2023年9月の記事一覧

書評『千の顔をもつ英雄』

この本を初めて読んだのは専門学生だったころで、ストーリーテリングの指南書の一環として読もうとしたのを覚えています。ハリウッドの三幕構成と合わせて、物語の基本骨子のようなものを解読したくて手に取りました。 しかし本書はお手軽な脚本術のハウツーなどではなかった。神話のメタファーを読み解き、そこに隠された本質を浮かび上がらせ、自己と世界とを調和させる術を教える。そういった本なのではないだろうか。 著者キャンベルがこころみたのは、フロイトやユングの精神分析を援用し、神話の象徴を読み