マンガ体験記『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス』
F先生の提唱するSF(すこしふしぎ)は、ルーツをたどれば、ロバート・シェクリィやフレドリック・ブラウンといった欧米作家によるショートショートの作風にもとめられるのでしょう。
SF短編を読みはじめる前のぼくの印象は、短いページで奇想天外なアイデアを紹介するような、そんなマンガを想像していた。
しかしその思いとは裏腹に、アイデアを超えて、人間の本質をつく巧みな展開に目をみはった。いくつかの短編は、信じられないほどよくできていると思う。
すべての作品を紹介すると膨大なものになっ