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【映画】キサラギ【あれこレビュー】

総合評価: ★★★☆☆
キャスト: ★★★★★
ストーリー:★★★★☆
オタク度: ★★★★★

《大まかなあらすじ》
売れないアイドル「如月ミキ」。
彼女のファンサイトを通じて、5人の男が一周忌追悼会に集まった。
如月ミキへの愛を熱く語り合って盛り上がるが、次第に話は1年前の出来事にスポットが当たっていく。
「如月ミキは、本当に自殺だったのか……?」

《レビュー》
まず、キャストが濃い!濃すぎる!

一周忌追悼会の主催であり、ファンサイトの運営者でもある「家元」は、小栗旬。
一周忌追悼会の発案者の「オダ・ユージ」は、ユースケ・サンタマリア。
雑貨屋に務めている「スネーク」は、小出恵介。
福岡の田舎からやってきた「安男」は、ドランクドラゴン塚地。
ファンサイト内では女性口調で書き込みをしていた「いちご娘。」は、香川照之。

全体の7〜8割くらい、この5人しか出てきません。
いわゆる、ワンシチュエーション映画です。
テイストとしては、舞台演劇を観ているような感覚。
ネットで知り合った同士なので、お互いに顔を合わせるのはこの日が初めて。
ハンドルネームや掲示板での文体をヒントに、お互いに「誰か」を当てあったり、如月ミキについて語り合ったり、如月ミキのコレクション(写真や雑誌の切り抜き、ファンレターへの返信、サイン色紙など)を見て盛り上がるんですが、話は如月ミキの死へとフォーカスしていきます。
ここから、本格的な会話劇の始まりです。
様々な視点から如月ミキの死の真相を探っていく中で、この一周忌に集まった5人の正体が明らかになっていきます。
これがもう、本当に七転び八起きどころの話じゃねーってくらいに何度もひっくり返ります。
そのやり取りがコミカルに展開していくので、めっちゃ見やすい!
何度か局面を迎えるんですが、その度に「え、今それ聞く空気?!」とか「いやいや!今それどころじゃないでしょ?!」って言いたくなる程オタク感全開な、いい意味で全く空気の読めないやり取りがあったりして、めっちゃ笑えます。

最初、僕はある1人の人物が如月ミキを殺した(=自殺ではなく他殺だった)と予想しながら観てたんですが、真相は全然違いました。
というか、真相自体が正しい物かどうかも分かりません。
如月ミキの死は1年も前の事ですし、今更詳しく調べる方法はありません。
それでも5人は、全ての要因から1番納得のいく結論を見つけます。
「如月ミキが死んだ」という事実が悲しいものである事に変わりはありませんが、それと同時に愛情や暖かみが宿っている事に気付かされるんです。


「どんでん返し」と聞くと、胸糞悪い展開を想像しがちですが、この作品のどんでん返しの先には優しい展開が待っています。
役者の豪華さだけでも一見の価値ありです!


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