セフィロトの樹液酒

「蜂蜜みたいな甘い味がする」
「濃いだろう?」
「うん。胸焼けしそうだ」
「底にアルコールも詰まってる」
「ウイスキイ?」
「まぁ、そんなものだ」


「氷を溶かして飲むのが好きなの。きついのは、苦しいから」
「酔うのが?甘いのが?」
「貴方がね」
「うん」
「そういう目で見るでしょう?」
「どういう目?」
「濡れた瞳。はやく、寝台でおれを喰らいたくて涎を垂らしてんの。瞳からみっともなくだらだらと」


「男はなかで出せるからいい」
「妊娠しちゃうのになぁ、おれ」
「男だったら親子丼だ」
「女だったら?」
「乳房をお前に付ける。アンドロギュノスの出来上がりだ」
「はは、そりゃあいい」


「おまえ、産まれてくるんじゃあないよ。いいね?」

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