ハンドピースのメンテナンス④

この記事は、初代プラモ制覇 Advent Calendar 2018の14日目の記事です。

さて、曲がってしまったニードルですが、各パーツを漬け込んでいる間に修理しましょう。
ペンチ類で曲げ戻しするとかえってグネグネになり易いので#360のプラ板ペーパーで研ぎながら延ばしながらという感じで処理します。

ニードルは普段、ニードルスプリングの働きで、テーパーの付いた筒状のノズルに押し込まれ、塗料をせき止めています。             その間、ニードル先端部はノズルより突出しているわけですから、ニードルキャップがないと容易に曲がってしまいますね。

ボタンを引くことによってニードルが後退、ノズル内にニードル先端部を中心とした筒状の隙間が出来、そこを重力に引かれた塗料がやはり筒状に出てくるわけです。

ボタンを下方向に押すことでバルブが開き、パイプを通ってノズル外周の空間に至り、ノズルキャップとノズルのドーナッツ状の隙間から吹き出します。この時ノズルで遮られた部分が低圧となるため、ノズルは内、ニードル周囲からカップまでの空気が引っ張られます。

全てが正しく機能している場合、カップ内に塗料があるとすると、空気に続き塗料が引っ張られるため、空気と同じ経路をたどって塗料はノズルに至り、噴霧されることになります。

ニードルが曲がっている場合、曲がったニードル先端が大きく気流を乱すため、空気だけであっても正しい流れが生まれません。
更に塗料も曲がった先端によって不均等な流れ方をするので、射点が大きくズレるばかりか、塗料粒のサイズも揃いません。

という、非常に重要なパーツがニードル、特に先端部が全てです。    とは言え、先が僅かに曲がった程度で交換してしまわなくとも、この様に修理は割と簡単。今回は手作業で行いましたが、電動ドリルに装着して研磨すればより素早く作業可能。

と言うわけで完了!
この程度なら結構直せるものです。
公共の塗装施設ではかなりの頻度でニードル曲りが見られます。みんなの道具ですから、くれぐれも大切に使用し、不具合があったなら、ブツブツ文句を言うより、みんなで楽しくメンテナンスすると良いですね。

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