第70回 環境計量士(濃度関係)試験 過去問解説【環化 問16~20】

【環化】の問16~問20の解説です。
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試験概要

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問16

問題文

(解説)
個人的にはかなり難問だと思いました(最悪、飛ばしてもいい問題だと思います)。2121、という数値はあまり見覚えがないという方も多かったのではないでしょうか。

そもそも、蒸気圧Pと温度Tの関係は、クラウジウス・クラペイロンの式で下記のように定義されており、この式を覚えていないと解きようがありません。

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ここで、ΔVは蒸発する際の「液体→気体」への体積変化です。水の場合は液体の体積は気体の体積から見れば微々たるものなので、無視することができます。つまり、

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一方エントロピー変化ΔSは、エンタルピー変化ΔHとして、

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で表すことができますので、クラウジウス・クラペイロンの式は下記のように書き換えることができます。

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これにより、左辺には気圧変化dPと温度変化dT、右辺には気圧Pと温度Tという変数が存在する、微分方程式の形に持っていくことができます。
左辺に気圧P、右辺に温度Tを集め変数を整理していくと、

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さらに不定積分し、微分記号を外していきます。

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ここまでくると、問題文で与えられた数式と一致します。つまり本問題においてはΔH/nR=2121として考えよ、と言っているわけですね。

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文字数制限のある市販の問題集よりも詳しい解説を心掛けています。

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