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week1.従業員がインフルエンザに罹患したときの会社の義務【安全配慮義務】って何?

※テイストは試行錯誤なので変わる可能性があります。
今週勉強をした中で気になったワードをピックアップして深掘りしていこうと思います。

今週は会社の義務である安全配慮義務について。
従業員がインフルエンザに罹患したとします。会社はどのような対応を取るべきなのか、、という話です。

安全配慮義務とは

労働契約法では以下のような記載があります。

(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

e-Gov法令検索「労働契約法」

これを一般に安全配慮義務と呼んでいるようです。
僕は、安全配慮義務というワードを見て、「労働安全衛生法で定められているものじゃないんだ、、」と思いました。ちなみに労働安全衛生法にも以下のような記載があります。

(事業者等の責務)
第三条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。

e-Gov法令検索「労働安全衛生法」

違いについては以下のような解釈になるようです。

安全配慮義務は、従業員の「心と身体」が健やかに保てるような配慮のことです。一方、「労働安全衛生法」という法律がありますが、その内容は若干異なります。
(中略)
労働安全衛生法は安全配慮義務と同様に従業員の安全と健康を守らなければならない旨が定められています。
「安全配慮義務」では従業員の「健康」への配慮が義務づけられていることに対し、「労働安全衛生法」では従業員が働く「環境」に配慮をすることが定められている点に違いがあります。
つまり事業者には、労働契約法・労働安全衛生法という異なる二種類の法律により、従業員の心と身体が健やか(健康)な状態で働くことができるよう、職場環境を整えることを総括的に義務づけられていることになります。

ManpowerClip マンパワーグループがお届けする「人材」に関する専門メディア
「労働契約法における安全配慮義務とは?労働安全衛生法との違いを解説」

安全配慮義務は罹患した従業員が出社したことによる他従業員の「心と身体」が健やかに保てるような配慮をするという観点

ここで面白いのは、新型インフルエンザというように「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(本日3つ目の法律、、)では定められた期間、業務に従事してはならない。と明確に法律で定められているものと季節性インフルエンザのように法律での就業制限がないものがあるということです。

(就業制限)
第十八条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。

e-Gov法令検索「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」

つまり、感染症によって即就業制限となるものと、会社が個別で定めている就業規則やその他会社の判断によって就業制限をする必要があるものがあるということです。この時に、安全配慮義務によって、他従業員の心と身体が健やかであるよう配慮するということになります。
罹患した従業員については、上述するような他の法律での就業制限がない場合はリモートワーク等であればもちろん就業できるということですね。(出社制限とかって言われるやつです。)

傷病による労務不能期間については傷病手当によって保障される

さらに話をすると、会社側から就業制限がかかる。または就業できないような病状であり、欠勤した場合にはもちろんノーワークノーペイの原則により会社からその期間の賃金が支給されないことになりますよね。(※有給取得の場合を除く)
こういったときは、私傷病の場合は健康保険から、業務中の場合は労災保険から傷病手当が支給されることになります。
基本的に、感染症の場合は業務中であるかどうかの判断が困難であるために健康保険の傷病手当を支給されることになるそうです。(どうしても労災保険を支給されたい、、と言う場合は労災認定を受けることで労災から出る可能性もあるそうですが、、)

傷病手当金支給のためには待期期間が必要になる

ちなみに傷病手当においては待期期間という考え方があります。
これがまた独特で、傷病手当支給の開始は3日連続で労務不能である期間(待期期間)が必要でその後同じ傷病に関して4日目以降の労務不能だった日数分支給されるということになっています。
※待期期間含めて労務不能であるというのは医師の証明が必要

待期期間について
傷病手当金は、病気やケガの療養のため、連続して仕事を休んだ日から3日間(待期期間)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日(労務不能)に対して支給されます。
・待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれます。
・就労時間中に発生した傷病(業務外の事由)で労務不能となった場合には、その日も待期の初日として起算されます。
「待期3日間」の考え方
待期3日間の考え方は会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。連続して2日間会社を休んだ後、3日目に仕事を行った場合には、「待期3日間」は成立しません。

カシオ健康保険組合「待期期間について」
出典:カシオ健康保険組合「待期期間について」

まとめ

安全配慮義務というワードから入りましたが、ケースとして季節性インフルエンザに罹患した場合でも、法律で定められた義務や制限、そして会社ごとで対応が異なるなど様々な分岐があることが分かりました。
さらに季節性インフルエンザ罹患中にリモートワークで勤務した場合や働けず欠勤した場合では健康保険の補償まで考えることになりさらに複雑です。
ケースバイケースであらゆることを考えて対応しなくちゃいけないな、、と改めて思いました。

今週の勉強報告

※教材はこちらの記事に記載

勉強内容

  1. テキスト→労働基準法(p.1~61)・社会保険労務士法(p905~914)

  2. スタディング→入門講座(労災保険・健康保険の傷病給付、高額医療費について)

勉強時間

  1. テキスト→5h15分

  2. スタディング→1h

サポートしていただいたお金は旅の資金にさせていただければと思います。新しい刺激をもらいにいろんなところを旅したいです。