2021年10選とおまけ
あけましておめでとうございます。
固有名詞です。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
昨年は東京オリンピックの開催に菅内閣の終了、COP26は「1.5度抑制」と石炭火力の「段階的削減」文書採択で幕を閉じ、自由契約となった大田泰示をベイスターズが獲得したり私の最寄りのコンビニが潰れたりと文字通り"激動"の1年となったのではないでしょうか。
…よく分からない???
大丈夫です。私にも分かりません。
そもそも「1.5度抑制」って何ですか?
「1.5」があるなら「2度抑制」とか、もっと言えば「8759632145度抑制」とかもあるのでしょうか。
まあそんな1年、皆様も色々思うところがあるでしょう。私としては
最高に寒かった
この一言に尽きます。というか
現在進行形で寒い
寒すぎませんか?
とてもじゃないけど人間が生活していい気温じゃないと思います本当に。あと寒いで思い出したんですけど最近祖母から大量のミカンが届きました。ミカンといってもまだ完成していないとかではなくて、温帯から熱帯に分布する双子葉類植物のアレです。
スキーとか、したい季節ですね。
という訳で改めて、
あけましておめでとうございます。
ボカロシーンを見てもボカコレやらなんやらで大変な盛り上がりを見せた1年だったのではないでしょうか。ところで盛り上がりと言えばこちら
おっぱいで毎朝盛り上がっているならず者がここにいます。
私です。
いやおっぱいはそもそも盛り上がっているものなんですけど。まぁいいや。
楽曲紹介的なnoteはなんやかんやで初めてなので取り敢えず真面目モードで行こうと思っています。あとnoteに新機能が実装されたそうなので色々試してみようかなと。あんまり多くを語り過ぎても読む方が辛くなってくると思うので極限まで文章のカロリーを落としました。肩の力を抜いてどうぞ。投稿日順です。
それでは1曲目
1.□°/宇田もずく
幻想的なコーラスから一気に現実へ引き戻すのは浮世離れした静寂。セクションの切り替えは自然かつ流れるように、それでいて非常に強いインパクトを残してくる。今年はアンビエント系の楽曲が良く伸びた印象だがこちら『□°』も例に漏れず。
ヴァースは2ステップの文脈を汲みながら大変説得力のある展開。嫌味な程に勿体ぶるロングトーンからコーラスへ。プラックを背にリフレイン。「かさなる」のリリックに合わせて質量を増していくボーカル、エフェクトは掛かり続け最高潮へ達した後再び訪れる静寂。
2番のP5とか本当にグロテスクなのに見える色は綺麗で淡くて芯のある透明。アウトロまで最高にダサくてかつ洗練された構成、この辺のギリギリのバランス感覚は氏最大の武器であり年々磨かれているようにも思う。2022年も楽しみなクリエイターのひとりです。
2.ニューネイビー/ぺろぺろきゃんでぃ
イノセンスの枠組みを示してくれた薄底の靴みたいな1曲。ヴァースでのリリックの出し入れやコードワークのエッセンスには中後期のしゃべる帽子を彷彿とさせるところがあったり。
コーラスではバッキングがシンプルなお陰かコード感も割とタイトでややよれたサウンドとのバランスもよく取れていると思う。その分ヴァースには挑戦的なアレンジも盛り込まれていてそれらがしっかり個性として発現している。とろぉりぃさんみたいな遊び心のあるアレンジが好きな人には自信を持っておすすめできます。アクセントでビットクラッシャー使うのもツボ。
星野源『さらしもの』のような、音作りで勝負する真っ直ぐな姿勢はある種のますらをぶり、虚仮威しの音楽へのカウンターとしての"無垢"か。背伸びしない芸術。細部へのこだわり。すきだ。
あとこれは偏見なんですけどイノセンス作る方ってスタンスに芯が通っていることが多くて良いですよね。この方だったら画面収録をそのまま使用したMVであったり。今後共鳴する人が増えてくるかもしれない。
3.夢見がちな彼女/コロイド
質素ながらメリハリのある音作り。リズム隊の手数も多く飽きさせない構成。初期のシューゲイザートロニカとは異なるタイプながらしっかりと聴き手の心を掴む1曲だと思います。内省の色強い前作『挙句の最果てへようこそ』と比べると微かに光の射し込む窓際にいるかのような、そんな感覚に包まれる3分半。
人間ひとりが抱え込む寂寥感とかを抽出して音楽に昇華するのが本当に上手い。投稿は2年振りでしたがその表現力は衰えるどころか凄味を増して帰ってきた。強めのリバーブで文字通り余韻を残す手法はこういったノスタルジックな楽曲に更なる個性を与えますね。
4.運命/はるまきごはん×煮ル果実
『キメラ』。強烈な個性のぶつけ合い。対立することも、溶け合うことも無く。凄まじい化学反応が怪物誕生の克明な記録としてそのまま発現したのが当楽曲『運命』ではないだろうか。
間違いなく昨年投稿のボカロ曲の中でも指折りの怪作と言えるであろう。まるで誘い込むかのような怪しすぎるflowerはもちろん煮ル果実氏によるもの。緩急のある掛け合いを担うのははるまきごはん氏の初音ミクだが、かといってこちらから体温を感じる訳でもなかった。そのままサビへ。ここでも3度下のハモリが少し前に出てくるくらいでボーカルに大きな変化はない。しかし。
ギターが、意志を持ってしまった腕のように。
生きている。
3×4+2×2の拍取りもその迫力を後押し。
ペアはあみだくじでの決定だったようで、この2人が組む事になったのもまたひとつの『運命』のように思えたり。
5.九月の青空さえも/鈴木凹
美しい音響で茹だる夏の熱気に思いを馳せる1曲。身体性を有さない合成音声が語る、思い出さなくてはいけない大切なこと。それぞれの「明日」を考えさせるようなリリック。
サウンドのこだわりも見逃せない。序盤は右にパンニングされたチューブラーベル。中盤以降は左のピチカート。どちらとももっと主張してもいいのに…と思わせるような奥ゆかしさを内包したまま淡々と、ただ寄せては引いていく波のように。
ポップを確かなものにするストリングスにももちろん痺れますが、これらの楽器がここまでいぶし銀な働きをする音楽に惚れました。
芯のある歌声も素敵ですね。イノセンスと小春六花は相性が良いのかも。
6.0840/巫泥
中々先の読めない展開。中盤はほとんどインストの体を取っていますが、リフのひとつひとつにキラリと光るものがある、そんな1曲です。氏の他の楽曲と比べれば大分落ち着いた印象こそ受けるものの、目まぐるしく変わる拍子、特に5+6が始まる直前の3+3+4にやられました。
展開の素早さもあり気を付けなければ夜中の嵐のようにあっという間もなく過ぎ去っていってしまう、それでいて包み込むような優しさやあたたかさを孕むのは1フレーズ内に度々登場するハーフディミニッシュのお陰でしょうか。
タイトルは『0840/おはよう』。まだ微睡んでいたい気持ちもありながら、しかしまさに目の覚めるような作品でした。
7.ドゥードル/伊根
実在の外側にいる存在としての「僕」。歌詞中の「君」が作り出したイマジナリーフレンドといったところか。視点をあちら側に置くというのがアイデアとして大変面白く、作品自体の完成度も相俟って激しく感動してしまった。
引き出しが多いのに遊び心も忘れない。創作を本当に楽しまれている印象を受けます。ブリッジからコーラスへの流れも完璧。左にギターが入ってバッキングが厚くなるところで大興奮しました。上ハモも綺麗にまとまっている。あと今回は派手なコードワークこそ無いもののオンコードの差し込み方とかはもう「伊根節」と呼んでも良いくらいの個性を放っていると感じたり。
『ドゥードル』、ふとした時に見返したくなる幼い日の"落書き"。そこに残っていたのは。
8.ロウワー/ぬゆり
ウワ√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︹_/﹀▔\⁄﹀\╱﹀▔︺\︹▁︿╱\╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︿/\︿╱\︿︹︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁
ぬ百合♡
9.ロスタルジー/youまん
ロスタルジ√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︹_/﹀▔\⁄﹀\╱﹀▔︺\︹▁︿╱\╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︿/\︿╱\︿︹︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁
ペースなんて気にしなくて良いので貴方の良いと思う音楽を届けて下さい。
10.おおきくなった恐竜/シャノン
おおきくなった恐竜√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︹_/﹀▔\⁄﹀\╱﹀▔︺\︹▁︿╱\╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︿/\︿╱\︿︹︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁
シャノンさんの10ヶ月が詰まった逸品。良い意味で汗臭さのあるオルタナは手に負えない不条理が顕現したかのような"恐竜"像との親和性も高い。映像のクオリティも飛躍的に向上しておりビルを駆け上がっていく描写で思わず感涙。
谷川の詩では「教科書どおり」であった「過去」も、文明で溢れ返った"現在"も、たった1匹の恐竜によって全て覆される。ラスサビ後のなんとも不気味な後味の悪さがまた作品へのただならぬ物語性の付与に成功しており一筋縄ではいかない感覚。
荒ぶるピアノと示唆に富んだリリックが織り成す狂気的な疾走感。恐竜も、この曲も、どこまでも大きくなってくれ。
おまけ
右√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿╱▔︺\/\︹▁╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︹_/﹀▔\⁄﹀\╱﹀▔︺\︹▁︿╱\╱﹀▔╲︿_/︺▔╲▁︿/\︿╱\︿︹︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁
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