耳コピの初歩と、その思い入れ

元々は無名のブログに乗せていた内容を転載加筆したものです。

▼耳コピってどうやるねん?まずどこから理解すればいい?

⓪筆者の知識
筆者は調の名前とかコード和音の内約とかは全くわからんです。
シャープとフラットが
A.いくつの時に
B.どの黒鍵盤を使って
C.どの白鍵盤を使わない
など

ここの臨時記号はこのパターン、
Aはラ、ドはC、
ぐらいしかわかりません。

①例題

WaveToneという音階解析フリーソフトの画面です。
赤い音が強調されてる音=鳴っている音、
もしくは鳴っているであろう音、それに近い音です。
その周波数に近いので、余計な音を強調する事もあります。

上記画像のこれは、東方自然癒よりdollのイントロのピアノソロ部分です。
まず使っている白鍵盤と黒鍵盤を特定します。

2小節の時点で5ファ・6ド・6レ♭もしくは6ド♯ が、まずわかります。
3小節の2音が5レ♯もしくはミ♭・ソ♯もしくはラ♭ が、まずわかります。

しかし2小節時点でドとファが確定しているので、これは♭調であることが分かります。

・・・What!? って、思うでしょう。

僕もそう思います。

言葉にして説明、しずらいねんな。

とにかく、
ド レ♭ ミ♭ ファ ソ ラ♭ 
伴奏部分の倍音でシ♭

~により、♭四つの調です。

楽譜を見た事がある方なら、
左の変な記号にフラットが4つついてるやつを思い出してくれれば。

♭♭♭♭。

①ーA シャープとフラットの増え方を、視覚的に理解する

おわかりいただけただろうか?

▼法則を理解する
①♯も♭も、
 右側の3連黒鍵盤から始まり、
 右側→左側→右側・・・と、増えていく。

それを踏まえた上で
♯は左詰めから交互に埋まっていく
♭は右詰めから交互に埋まっていく

そしてdollは♭4なので

使う鍵盤はこのようになる。

♯と♭はこの性質がある為、
この法則から外れた場合、
A.転調移調
B.臨時記号による変化
が、あったことになる。

そしてdollは転調する。転調した場合どうなるか。

まずはメロディから追っていく。
ソ♯またはラ♭→ミ→ミ♭もしくはレ♯

ソ♯ラ♭の時点で、♭3~5、♯3~5が確定する。
ミ♭レ♯の時点で、♭2~5、♯4~5が確定する。

後はどの白鍵盤を使うかで絞り込んでいく。

→♯4つの調が確定する。

どの白鍵盤黒鍵盤を使っている使っていないかで、
不可逆性から確定する事ができます。

大体慣れれば、
ここ使ってるから多分こう
ここ使ってないからこう
ってなるはず。

基本的にはこの法則に従い、「鍵盤の流れ」に沿って耳コピをしていくこととなる。
(自分はそうしている)

②鍵盤の流れと使わない鍵盤
画像で×がついている部分は、その調ではその部分の音を使わないという事です。

「特定の白鍵盤は使う」
「特定の黒鍵盤は使う」
これを合わせると

「特定の白鍵盤と黒鍵盤の組み合わせのみで音を奏でる」
という事になります。

(♯と♭も無い白鍵盤のみの調や、
白鍵盤も使えるけどあえてその音を使わない、
その黒鍵盤も使えるけど1つだけその部分を使わない、
とかそういう縛りに基づいた作曲もある)

なんでかこの鍵盤の組み合わせが正しい気がする、
というのは恐らく正しいのです。

調の不可逆性を証明したり説明できないだけで、
調としてしっかり機能していれば、ですが。。。

▼コード表記と音階を理解する
音階は ドレミファソラシ
コードはABCDEFG
が存在します。

厄介なのがコードで、
コードはアルファベッド順だとA(ラ)から始まってしまいます。
音階は体感でドから始まりますよね。

筆者は子供の頃どこかで聞いた、
「ギター初心者はC(ド)から覚えようとする」
という言葉からある日理解しました。
順番的にド(C)からコードを覚えたいですよね。
なので、ピアノの初歩コードもC(ド)なんです。(多分

音階順番 ドC レD ミE ファF ソG ラA シB
コード順番 Aラ Bシ Cド Dレ Eミ Fファ Gソ

ファはファッkの・・・そういうことです。
大体 Aラ Cド Fファ を軸に覚える人が多そう。

②実際に躓いた事

Q.音が分からない部分はどうしますか
A.時間をあける
B.wavetoneからstereo再生ではなく、L-R、Lのみ、Rのみなどの数パターンを聴き、音圧を変更して特定部分を何度も聞く。
C.鼻歌で音を正解を確信するまで照合する。 聴く→鼻歌→鼻歌の音階確認→wavetoneで音階確認
D.実際のピアノや電子ピアノで演奏するか、MIDIで音をレガート(伸ばして和音)にして聴き、納得する音の響きと流れになるパターンを見つける。わからなければシンプルにするか、wavetoneの表記を信じる。
E.臨時記号を疑うので、wavetoneの表記をじっくり眺めて音の組み合わせを調査する

ンフ、絶対音感なんて無いので相対音感でなんとかするしかないのよ。ンフフ。。。(泣

Q.臨時記号が激しい曲で手が付きません
A.諦めましょう。
・・・なんだけど、パターンさえ分かれば意外と要領が分かって来て楽しくなってくることもある。

▼臨時記号とナチュラル
https://www.nicovideo.jp/watch/sm39527826

https://www.youtube.com/watch?v=hwJ7dmPYgZg

ユーバートレッフェンの耳コピにあたって臨時記号とナチュラルについてのある程度の理解が埋まったのでかいておく。

①EorBナチュラル減算型
♭調における王道。
C→B、F→Eの響きが紳士的なエロさを感じる。
♯調でナチュラルを見かけたことがあまりないので固有枠にしておく。

②♯+♭の合併型
F#+B♭ この場合は#1と♭1の合併。
大体インド的な響きが出る。

③コードに合わせた臨時記号型
シャープ1~3における、BD#F#(平井堅のエレジーなど)
シャープ3ではないがEコードにおけるEG#Bを使用するなど。(これは一般的な曲でも良く扱われる印象)

④瞬間的に別の調になる推移型
あさきさんの雫におけるシャープ1→シャープ4(星の船背に乗せながら) 加算型

403さんのノーザンライツ シャープ5→シャープ4へのナチュラル 減算型
(あいわーだりーん わーややー ひゅーなーう)
特定のメロディーの強調などに使われるかなという印象。

⑤よくわからないもの
上記4つに当てはまらないが、何故か旋律として成立しているパターン。
ユーバートレッフェンの一部で存在。wac氏の楽曲だと頻繁に出て来る。
思い当たるものと言えば不協和音気味のコード進行だろうか。

▼思い入れ
小学生低学年の頃、フラッシュ黄金期で出会った曲がインストの魅力に気づかせてくれた。
こうして20代後半に入った折り、気が向いたら好きな曲をフルピアノで再現してみようという試みをすることになる。

https://www.youtube.com/watch?v=FkFOrWcerxY

felys final remixは、耳コピを完遂させた3作目となる。
好きが昇華し、この曲をフルピアノで聴きたいと思っていた。

フルピアノの概念として、
・聞き取れる音は全て聞き取る
・聞き取ったが納得できない部分は音を変更したり高さを変更する
・こんな音が聞こえる気がする、みたいなサブメロディを重視する

楽譜で言えば、二人が2台のピアノで演奏するようなモノだとイメージしてくれればよい。
(楽譜もピアノ演奏も詳しいわけではないが。)
つまり二人が両方の手で演奏する・・・4ハンド規模のピアノアレンジを聴きたいわけだ。

ピアノアレンジと称しているが、それ以外にどう呼べばいいか分からない。

忠実に音を再現する箇所もあれば、
音が複雑でとにかく手当たり次第に音を取りまくったブラックボックスの音の粒になったり、
ここはこうした方がピアノに合うだろう、
という様に変更したりする。
~ので、ピアノアレンジで多分良いのだと思う。

完遂1作目はFF14より龍の首 https://www.youtube.com/watch?v=Pq84sYH-Zuc
この曲はボス前半の曲で、後半の龍の尾より好きな曲である。
ぶっちゃけ、なんで後半の曲の方が好かれているかコレガワカラナイ。
弦楽器の音が非常に聞き取りづらく、仮完成のまま放置している。
もし後続で耳コピをする方がいるのであれば、オーケストラ版の音が聴きやすいので参考にするといいだろう。(そちらの題名は銀鱗と鋼鉄。本来この曲名が正しいようだ。)
この時期あたりはDominoによるMIDIソフトで耳コピをしていた。

完遂2作目はゆめにっきBMSよりsubconsiousness https://www.youtube.com/watch?v=qbIzSmUgEOM&t=1s
この曲は耳コピに1年弱かかっており、時間をかけすぎた為に前半と後半で作風が全く違う。
特に明確なのがバスドラが前半にしか無く、後半は伴奏を厚く再現している。
その為osu!mania譜面として後半が難しくなってしまうという半ば失敗例となってしまった。
その1年は引っ越しがあったり手続きが忙しかったりリアルで色々あった。

MIDIソフトによる耳コピは視覚的に作製がめんどくさかったと思ったのだろう、osu!のエディットで音のリズムを簡単にとりつつ音を割り振っていた。
特に1小節内にいくつ音の粒があるのかがサっとイメージできるのが大きい。
これは3作目のFFMの16分や3連符の特定でも大いに役立った。

そこまで超高難易度の音ゲーができるわけではないが、そこそこ音ゲーをしている身としては縦譜面の方が直感的でストレスが無かった。
またosu!maniaの基礎キーが4キーであることから、4列あれば十分に4ハンドを実現できることも大きい。

osu!エディットを使用したメリットは以上である。
次に問題点として、osu!における音=ヒットサウンドは、持続する上限時間が限られている。
BPMの速さにもよるが、1小節を1とした場合、0.7ぐらいしか最長で音が続かない。

耳コピをしつつosu!maniaを再現しようとした理由は、ピアノヒットサウンドのみのosu!mania譜面をプレイしたことが大きい。
こちらの譜面は主に7キーがメインになっており、作者は既にosu!をやめてしまったようだが、譜面の完成度・音の響きから愛する人が多いらしく、LOVEDとして今もマップが公開され残されている。

ピアノアレンジをしつつ、それをosu!maniaでプレイすると、ノーツを叩けばピアノの音が出る・・・
自分でプレイしても良し、誰かにプレイしてもらってついでに音も聞いてもらってよし、Editで音をひたすら聴くも良し・・・Editで流した音は録画して動画を投稿しているのでいつでもだれでも(主に自分)ピアノアレンジを聴ける。

osu!maniaの音を割り振っていたらノーツ配置が出来ていて、ゲームでもプレイできる。
なんと言う体験だろうか!まさに欲張りセットである。

ではこれをRank譜面にしたら、ランクを求めるプレイヤー達によってより多くプレイしてくれるだろう
そうすればより多くの人がこの音を聞いてくれるだろう。
そうした欲望の元に、完遂2作目のsubconsiousnessをRankにせんが為に海外のプレイヤー達にmodを頼んだ(譜面監修)

が、そううまくは行かなかった。
osu!maniaのプレイヤーが求める譜面と、自分がプレイしたい譜面が全く違う事に、この時気づかされたのである。

osu!maniaのプレイヤー、つまり体感8割ぐらいの海外プレイヤー、ひいてRank譜面に求められる要素とスコアを取るための要素が全く違ったのだ。

ここをズラしましょう。消しましょう。
――バカ野郎が!このノーツ=音を消したら成立しねえだろ!
この難易度の場合、何故この音が入ってるのですか?
――クソ野郎が!俺の中ではこの音も入ってこの難易度や!
譜面全体の難易度を合わせてください。
――????(スペースキャット顔)、盛り下げのある曲でどうしろと??

3つ目の難易度については、バスドラがあるないになってしまったsubconsiousnessマップでは痛い指摘で、後半の伴奏部分は難易度が高めになってしまい納得せざるを得なかった。

飲み込める指摘は飲んだ。音が小さいのも承諾した。低難易度のノーツ配置指示も少しだけ従った。
が、それ以上にHype(Rankでいいよ)評価が来ることは無かった。
~結局modを頼んだくせに全く要望を聞かず、ただ完成した耳コピ自己満足を主張する変でマニアックなマップ製作者となってしまったのである。

mod譜面監修をしてくれるプレイヤー達の基準と要求は機械的で、Rank審査の基準も機械的である。
良く言えば裁定がしっかりしている。
悪く言えば譜面に変なこだわりがあると受け入れられない。
~と言ったような印象を受け、subconsiousness譜面はこれ以上手を加えるつもりもないので、Rankを諦めGRAVEYARD(墓マップ)行きにさせることを決めた。

話しは少し変わる。
が、ここがosu!mania譜面のRankなのだなと思った所。
当時も現在も長押しノーツが大嫌いな自分にとって、長押しノーツは音ゲーにおいて最大の敵である。
ビートマニアや現代のポップンでも長押しノーツはあるものの、音に意味があるので押しながらコンボを切らさずスコアをちょっとでも高くしようとプレイする。

しかし、osu!maniaにおいて長押しノーツは、まるで挨拶のように多様される。
どうでも良い音でも四分音符の長押しノーツ(極短)にしたり、バスドラの音ですらも何故か長押しノーツになる。
理解できない。訳が分からない。

しかし暇を持て余しosu!maniaのランク上げをしていると、地力と技術不足によるスコアの壁につっかかるようになる。
・スコア判定の厳しい譜面による乱打+同時押し
・理不尽で意味不明な長押しが乱用されてる譜面
主につっかかるのはコレ。コレしかないだが。

しかし逆に、コレが楽しいとフワッと感じた瞬間があった。
そして同時に、日本一位のプレイヤーはどんな譜面をしているのだろうなと気になった時でもある。

https://www.youtube.com/watch?v=9WUOoGUfpaE
日本一位のプレイヤーの履歴を探し、気になったのがMonochrome and Vividという曲だった
この動画はその日本一位プレイヤーのプレイではないのだが、全世界100位以内はこのような譜面をプレイしていると知り、osu!maniaに対する価値観が変わった瞬間だった。

そして話は完遂3作目のfelys final remixへと戻る。
FFMの前半部分の耳コピにおいて、ノスタルジア版felysを参考にしていた。
参考にした部分はピアノの部分。
しかし、ノスタルジア版felysはサビの部分から♭5への転調をしており、FFMは#2に転調したので後半部分を参考にすることは無かった。
てっきり前半部分が同じだったので、後半部分を参考にして楽をできないと思い多少のスペースキャット顔になった気がする。

FFMは2:25秒あたりからシンセサイザーがドゥルドゥル鳴り始める。
そのあたりからシンセサイザーとピアノが混合で16分を刻むのかなぁと思っていたら、その部分を聞き取ると完全な16分が存在せず耳を疑った。

耳(そんな16分、聞こえないっす・・・)

16分は確かにあったのだが、しかし16分がずっと続いているとおかしいく、限定的な16分だけがあったのである。

で、サビ1回目の1:30~と、サビ2回目の2:12~をWaveToneのL-Rで聴くと、裏の音がそこそこ聞こえる。
重厚な音の圧が続き、2:30からシンセサイザーがエモメロディからD5→B4ではじける所を聴いて、心臓発作が起きるようにビクンビクン快感をキメていた。
この音はStereoでも普通に聞こえるのだが、L-Rでしか存在しない不思議な音の中で主役を張るこの音が激アツだったのである。

インスト曲、いいですよね。


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