見出し画像

ミレーナへの挑戦Ⅱ(生理痛の治療と避妊)

2020/07/11、ついにミレーナ設置してきましたぁぁぁぁ‼

IUS(ミレーナ)とは、ホルモンによって生理を軽くし、また避妊にも高い効果を示す子宮内避妊具と呼ばれるものです。
未だにピルがそうであるように、女性主体の避妊や生理の治療に関しては多くの偏見が残っていて、それによって苦しむ女性はまだまだいるんだろうなぁと思う。でもとりあえずはまだまだ日本でメジャーではないミレーナを検討している人のために、私の設置までの体験をお伝えします。

ミレーナの処方は生理痛の治療としては保険適応で1万数千円、避妊目的なら自費で3~10万円かかります。ここ大事。突っ込みどころしかないと思う。(笑)
"生理痛の治療"ってざっくりしてますよね。治療が必要なのってどの程度の痛み?他人の痛みと自分の痛みを主観的に比較なんてできないし、痛みへの耐性や仕事に及ぼす影響とかケースバイケース過ぎるよね。
そしてここで医学部入試において女子を減点し婦人クリニックでもほとんどの医師が男性である日本の、ジェンダーギャップ指数153カ国中121位の日本の、生理、避妊に対する軽視と無理解に遭遇してしまう人が出てくるのだと思う。


私の例:
・これまでピルは飲んだことがない。20代半ばになって生理痛がひどくなり、市販の頭痛薬を飲んでも痛みが残る日がある。出血量は少なくはないが、貧血は起こさない。冷房の部屋で9時間立ちっぱなしで現場を離れられないこともある技術営業のため、生理が重い日はきつい。
・コンドームの避妊成功率は85%くらいだし、実際に使用していても外れかけるアクシデントを数回経験しているため、女性主体の成功率が99%を超える避妊方法を試したいと思っている。
・自費で数万は厳しいが、生理痛がひどくなったのをきっかけに保険適応になるならと思いミレーナの検討を始めた。(ミレーナ1万数千円/5年 vs ピル2~3千円/月)

さてさてこの条件で私は保険適応のミレーナ設置にたどりつけるのでしょーかっ?

1.まずはミレーナを取り扱っているクリニックを探す。
自分が住んでいる大阪市中央区で12件のクリニックに"ミレーナ扱っていますか?"と電話しまくりました。うち3件は取り扱いがありませんでした。取り扱いのある9件のうちほとんどが避妊のページにのせていて、生理痛の治療として明確に提案しているところはありませんでした。それでも保険適応の場合は費用は1万円ちょっとになるとどこのクリニックも言っていました。自費の場合は本当に3~10万とそれぞれぜんぜん違うので注意。
未経産婦への設置は子宮口が狭いため消極的な先生もいると聞きましたが、電話した9クリニックはどこも問診してから判断するとのことで、頭ごなしに却下されることはありませんでした。
ただし、場所によっては常に在庫を持っているわけではなく、設置希望者が出てからミレーナを取り寄せるクリニックもありました。

2.1件目のクリニック
私は20歳になってから子宮頸がんの検査をしたことがなかったので、子宮頸がんの検査を第一目的に、ついでにミレーナを保険適応でしてもらえるかの相談に行きました。かかりつけの先生を探していたのでいつでも行けるように家の近くのクリニックを選びました。
子宮頸がんの治療と、生理痛がひどいということで子宮内膜症の検査(エコー)をしてもらいました。
多分すべての患者さんに説明するようなすごく初歩的な説明をしているときはすごく優しかった。でも、これはどんな器械を使うんですか?とか、それはどういうことですか?と定型の説明から一歩さらに詳しいことを聞こうとすると”なんでそんなこと聞くの?”的な怪訝な雰囲気を感じてしまった。下半身丸出しで臓器の中をいじられる"わたし"の不安に寄り添ってくれているという気はとてもじゃないけどしなかった。

生理痛の治療の第一手段として当然のようにピルを勧められました。私は費用的にも毎日の同じくらいの時間に飲み続ける手間にも厳しいなぁと思っていたので、ミレーナを希望する旨を伝えました。エコーで子宮が後屈していて痛みが出やすいと言われていたので、保険適応でできますよね?と聞いても、適応にならないと言われました。薬が効かないって伝えて、毎月痛くて苦しんでいるのに保険適応にならなかった。私は自分の痛みに対して”生理痛の治療”にならないなんて納得できませんでした。もちろん嘘なんていくらでもつけることなのは理解できるけど、私の言ってることを医師が信じてくれないんだったら、私も先生を信じられない。
このクリニックの先生は保険適応の条件は痛みの訴えだけではなく貧血であることが必要で、血液検査を行わなければならないと、そしてそれは日本の婦人クリニックならどこも同じ条件だと言っていた。

3."生理痛の治療"ってなんやねんっ。
保険適応に貧血の判定が必要だなんて納得できなかった私は、帰り道でまず仲の良いお姉さんに相談する。お姉さんは知り合いのクリニックの先生に直接メッセージを送って生理痛の治療に本当に貧血の判定が必要なのか聞いてくれた。その子が生理痛で苦しんでいるんだったら貧血かどうかなんて条件は必要ないよってすぐに答えが返ってきた。ですよねぇぇぇ。日本の医療に少し安心した。私の痛いって声はちゃんと届くんだって。
そして私はさらにオンラインで女医さんにIUSについて教えてもらえるイベントに参加しました。平日の20:30から1時間程度で、プレゼン資料で基本的なことを説明してくれながら視聴者がチャットで質問できるイベント。参加者は恐らく10人くらい?の少人数制で、すべての質問に丁寧に答えてくれる。これ、無料でほんとにいいの?って内容。めちゃくちゃ分かりやすい、親切、丁寧!この時代に生まれてよかった…
ここでもやっぱり、患者さんが痛いと訴えれば基本的に保険適応になるはずだと教えてくれました。クリニックを変えることを決意しました。

※オンラインで女医さんに相談できるイベントはランドリーボックスさんというサイトのイベントでした。生理だけじゃなくいろんな性のお悩みやそれを解決するグッズなど、その他いろんなコラムもあるのでぜひ見てみてください!おすすめ!

4.信頼できる先生に出会う
先ほどのお姉さんが聞いてくれた先生の病院を紹介してくれました。一件目の先生がどこか冷たい感じがしていたのと対照的に、こちらの先生は"そっかー、つらかったねー、大丈夫だよー保険適応にしとくねー"と、温かい笑顔でさらっと保険適応にしてくれちゃいました。(笑) 証拠なんてない、でも切実な私の訴えを信じてもらえたことがとにかくうれしかった。
待合室にめちゃくちゃ人がいて忙しい中でも、嫌な顔せず私の細かな確認、質問にも答えてくれました。
前の病院でも子宮内膜症の検査のためエコーで検査してたけど、処置してくれる先生が自分の目で子宮の状態を確かめなければならないのでもう一度エコーを入れられました。他にも設置のための検査をいくつか行います。ミレーナを設置すると設置中の5年間は子宮体癌検査ができなくなるので子宮体癌検査(ブラシで子宮内の細胞を採取する)と、性病を持っていると設置時に感染が拡大する恐れがあるので淋病とクラミジアの検査をしました。これらの結果が問題なければ、生理4日目以降の経血量が少ないときに来ればその場で設置してくれるとのことでした。

5.決戦の日
仕事が忙しくてなかなかクリニックに行けないので、生理の終わりごろに検査結果を受け取りに行って、問題なければそのままミレーナを設置してもらうことにしました。わたし、めっちゃビビってた(笑)未経産婦なら痛いことが多いと聞いてたから。痛いの嫌いすぎて死んでもインフルの予防接種打たない私が、まさかミレーナ設置に踏み切るとは我ながら頑張ったと思う。ちなみに、すでに5年後の抜去と再設置を憂いている。(笑)
”先生、やっぱり設置したいです”と伝えたらすんなりと”そっかぁ~じゃあやってみましょうねー”と10分後にはあれよという間に処置室へ。

処置前にエコーで子宮の状態をチェック→子宮の入り口付近を消毒→ダイレーターみたいなものを3段階で入れる(多分子宮の入り口を少しずつ広げている)→ミレーナ設置→長く子宮口から出ているひもを適度な長さに切る→無事設置されたことを再度エコーでチェック

痛いのはダイレーターを入れるときと、筒に入ったミレーナを子宮に通す時。それぞれ下腹部にグーでパンチされて鈍く後引く感じ。注射のような鋭い痛みではなかった。おおよそ強めの生理痛の痛みと同じ感じ。ただ、足を開いて上向いてリクライニングされた椅子に座った状態でグーパンを食らうのが無防備でつらい。普段の生理痛は自分の”痛みに耐えやすいポーズ”をわきまえているのでその姿勢で耐えるのだけど、私的にはこの姿勢で耐えるのが少し辛かった。私は生理が痛いときはクッションを抱きしめて耐えているので、今回は持って行った上着を丸めて抱きしめていた。さすがにバスタオルやぬいぐるみはかさばって恥ずかしいけど、この方法はおススメ(笑)
”痛み”自体の性質とか強さは全然耐えられると思うのだけど、そこに心理的な負担が上乗せされると私は思う。慣れない場所で、他人に膣内をいじられるの本当に不安で体がこわばると思うんだ。だから、信頼できる先生を見つけていってほしいなって思う。

ビビりの私はこの先生を紹介してもらってよかったなぁって本当に感謝してる。先生が"痛いね~。ごめんね~。やだよね~。もっかいやなことするよ~。ちょっと一回休憩しよっか~。大丈夫~?"って言いながらやってるから、わたしも遠慮なく”あっ!とかイッタイ。とか、ん~…でもッ...大丈夫ッ…、まだ…平気ですッ…”とか言いながら処置されてた。(笑)痛いんだけど、心理的に少し緊張がとけている状態だったなぁと思うし、おかげで1分弱の処置時間も、体感ではそこまで長く感じられなかった。あと、右足を腕とわきの間で軽く挟まれてたのも安心感があって私には良かった。
人によって相性の良い先生は違うと思うので、少しでも違和感を感じたら遠慮なくクリニックを変えてみてください!これが今日一番伝えたいメッセージ。でも莫大な数のクリニックからホームページだけをヒントに信頼できる先生を見つけるのって結構運ゲーだと思ったので、友人や知人と婦人クリニックについてもっとフランクに情報交換できるようになってほしいなぁと思います。

6.設置後の痛みについて
個人差があるみたいだけど、私にとっては重めの生理痛の痛み。設置後1時間くらいはずっと鈍痛がしていて、その後無痛、違和感も無し!だけど4時間後くらいに再び痛みに襲われている。さっきより少し鋭利で大きめの痛み。でも、大丈夫。まだまだ耐えられる。
翌日になっても軽い生理痛のような鈍痛がします。昨日ほどの痛みの大きさの波はなく、穏やかにずーんという感じ。でもこれから先は生理が徐々に軽くなっていくであろうことに対してワクワクしています。

〇設置までの流れ、費用〇
・1回目
初診、ミレーナ設置の相談
子宮内膜症検査   
(合計 2,770円)
  ↓ クリニックの変更
・2回目
初診、ミレーナ設置の相談
子宮内膜症の検査、子宮体癌検査、性病検査
(合計 6,490円)
   ↓ (検査結果が出るまで1week)
・3回目
再診、検査結果受け取り
ミレーナ設置
(合計 9,240円)
  ↓ 3か月後の検診 ↓
・4回目
再診、定期健診

※私のケースですが、参考にしていただければと思います。(合計18,500円)
私が行った2件目のクリニックでは初診は尿検査が必須だったり、問診の中で1,2個念のため検査を追加したりしているので皆さんが全く同じ価格にはならないと思います。

その他気になることがあれば遠慮なく聞いてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?