コロナ共存生活〜お父ちゃんの日記〜【7日目】

7日目

アラームの音で目が覚めた。今日は少し早めに起きて、子供の今日の分のパン粥とストックを作らなければならなかった。

眠い目を擦りながらパンを切る。耳の部分は硬いので子供は飲み込むことができない。鍋に火をかけて、刻んだパンに豆乳を入れる。柔らかく煮込んだら完成。

煮込む間にパンの耳をキャラメリーゼする。砂糖の焦げる甘い匂いが広がる。味見の為、ひとつ口へ放り込む。ほろ苦い甘さが絶妙。つまみ食いは作り手の特権だ。

「配給です。」と妻の部屋の前に置いてあるトレイへパンの耳キャラメリーゼを乗せる。部屋の奥から返事が聞こえた。ちなみにこれは妻の好物のひとつである。

子供が起きるまで、昨日届いた野菜で我々の朝食を作る。わさび菜のチョレギサラダ風と赤軸ほうれん草炒め、蒸した安納芋、甘平、ヨーグルト。甘平はみかんの一種。妻の両親が心配してくれて大量にフルーツを送ってきてくれたのだ。ありがたい。

子供は朝から機嫌も良く朝食は滞りなく終わった。食後はまた例の様に家事を遂行していく。妻にはリモート子守でフォローして貰った為、子供の機嫌も良好だった。

僕は食事メニューを考える時間が好きだ。コロナ禍で今まで家で食事をしなかった旦那さんが家で過ごす事が多くなり、奥さんに料理の負担が増えてうつ病になったという話を聞いた事がある。大変な世の中だ。

我が家はどちらも料理をするスタンスなので、こういうトラブルはそもそもないだろう。それに僕はこんな状況でも、料理は出来るだけ自分の好きな物を作って食べたい。色々考えたり段取りする過程も好きなのだ。勿論、疲れている時はそれほどこだわらないのでインスタント食品を食べたりもする。

今日のお昼は先日食べたルーロー飯を妻に食べさせたいと思い、また作ることにした。夜は昨日来た野菜を使ったポークカレーにしよう。ワクワクしてきた。

子供はお昼も快調で機嫌良くご飯を食べた。排便の方も良好で午前午後と合わせて栗5個分はくだらない。(栗については以前の日記を参照)これで明日の機嫌も担保されたはずだ。

子供を寝かしつけ、届いた野菜でピクルスを作る事にした。人参とさつまいもを選んだ。酢漬けの内容は、りんご酢、胡椒、塩、オリーブオイル、クミン、ニンニク、コリアンダー、きび砂糖とした。小さな瓶に詰めて馴染ませる。来週白ワインでも買ってきてあてにしよう。

現在の置かれた立場や境遇を悲観的に考えず、未来の新しいことを考え楽しみたい。大袈裟かもしれないけど。とにかく思考停止せずに創造する事が人間の与えられた使命なんじゃないかと、僕はいつもごそごそ生きている。

昨日の反省を活かして、夕方から横になる時間を設けた。妻に恒例のリモート子守を依頼し、その横で静かに目を閉じた。子供がごそごそ近づいてきたが、背を向けて休止モードになった。

20分位経ったのだろうか。ゆっくりと起き上がり活動を始めた。カレーの準備だ。

電子圧力鍋があるので、野菜を切って分量の水を入れてスイッチを押すだけだ。これでホクホクの野菜と柔らかい豚肉が堪能出来る。

スパイスは市販のルーが足りなかったので、オリジナルスパイスをブレンドした。味見をしたが、まずまずの仕上がりだ。妻が辛すぎると食べられないので、りんごの擦りおろしを入れたのが効いている。

夜も子供は絶好調でずっとご機嫌だった。明日もこの調子でいってほしい。さくっと子供の食事を済ませて、ゴロゴロ野菜のポークカレーを食べた。目を瞑ると、遠くの方でターバンを巻いた謎の男がこちらに手を降っている。適度なスパイスは脳に刺激を与え疲労を和らげてくれる。きっとそうに違いない。

しかし、ジーンと味わっている暇もなく次の行程の入浴準備にとりかかった。コロナ共同生活では、準備と段取りで全てが決まる。意識高い系のビジネスマンが常に口にしている事と同じだ。

本来であれば、僕は濃厚接触者なので今日から外出可能である。だが、自宅隔離している妻が陽性者である為、一蓮托生で我が家は動いて行かなければならず、妻の陽性解除の明後日まで僕も動けない事になる。陽性者の妻が子供の面倒を見る訳にはいかないので、当然ながら明後日まで僕が面倒を見る。

ゴールが見えてきた。明日か明後日に目標の動画作成もやろうと思う。僕が普段やっている身体調整ルーティンは14種のワークがある事がわかった。これを撮影する。まずは明日の朝一で伸び切った髭を剃ろう。これはコロナ共同生活を終わらせるスイッチであり、準備だ。自分への暗示の意味も込めて。

最終体温36.1℃
家庭内コロナはほぼ終息したと考える。後は社会的制約のみ。

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