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わたしと音楽(後編)

わたしは、歌うことが好きだ。そして音楽が大好きだ。

現在はアイドルとして日々ステージに立って歌っている。とはいえ、小さい頃から歌うことや音楽が好きだったわけでもないし、アイドルを目指していたわけでもない。

そんなわたしが音楽に出会い、歌が大好きになり、アイドルになるまでの記録です。


(前編の記事はこちらから。後編は、初めて人前で歌った高校1年生の文化祭からアイドルになるまでのお話です。)

初めてのステージ

そして、高校1年生になった。わたしの通っていた高校には軽音部が無かったので、文化祭有志としてバンドを組むのが伝統だった。

「高校生になったら絶対バンドを組もう…!」そう思っていたわたしは当時同じ部活に入っていた友人を誘って初めてバンドを組んだ。中高一貫校だったので、同級生の顔ぶれも変わらず、簡単に結成することができた。

ところが最初こそ楽しかったものの、モチベーションの差で仲違いをしてしまった。なんとか文化祭のライブを終えたが、そのバンドはそれっきりになってしまった。バンドって難しいな、そう思った。

また歌いたいな

高校2年生は部活に打ち込んだ。バンドを組んで以降、歌うことの楽しさに目覚めたわたしは、放課後寄り道して一人カラオケをしたり、お風呂で毎日1時間以上熱唱するくらいには歌うことがすきになった。アニメにハマっていた時に声真似をしていた経験がきいたのか(?)、歌の特徴や雰囲気を掴むのがはやく、徐々に周りからもうたを褒められるようになった。

またステージで歌いたいな、そう思っていたところ、とあるクラスメイトの子から「高3を送り出す学芸会の幕間で歌わないか」という誘いを受けた。

その子はクラスでも目立つ人気者で、皆から慕われていた。わたしと彼女は不思議な間柄だった。尊敬していたのもあり、またステージで歌う機会もできとても嬉しかった。

本番は大成功に終わった。ざわざわしていた場の空気が、一瞬で静まりかえり、意識がこちらへ向いた。静かな曲だったが、確かに会場が一体となったのを肌で感じた。この感覚は一生忘れられないと思う。

バンド、再び

そして高校3年生になった春、同級生からバンドに誘われた。あまり話したことは無かったが、すぐに承諾した。

ピアノ、ヴァイオリン、ギター、カホンを使ったアコースティック編成のバンドだ。みんな楽器の実力者だったので、すごく刺激になった。カバー曲のハモリやマッシュアップのアレンジ、オリジナル曲の作成など、休み時間や放課後に試行錯誤を重ねた。

結果、文化祭の公演は入場制限がかかるほどの大盛況におわり、最優秀参加団体賞にえらばれた。みんなで曲を作っていく楽しさも、歌うことの楽しさも再認識した。


大学入学とわたしの転機

半分以上が附属の大学に進学するなかで、憧れていた大学があった為に大学受験をした。ところが結果は不合格。人生初めての大きな挫折を味わった。

入学後も第一志望への憧れが立ちきれず、思ったように大学生活に馴染めなかった。参考書も捨てきれず、こっそり仮面浪人しようとしていたくらいだ。授業もサボりがちで、軽音サークルだけが唯一の楽しみだった。

入学して数ヶ月経ったある日、そんなわたしを見かねた母がオーディションを受けることを勧めてくれた。

何個か応募してみたところ、養成所の特待生オーディション、SUPER GIRLSさんの書類審査、そしてSonyMusic主催のTheLESSONのオーディションに合格した。本名で活動するのは抵抗があったので、アーティスト名で参加がOKだったTheLessonの二次審査に進み合格した。

TheLESSONは、アーティスト養成講座で、作曲、レコーディングからライブハウスでのブッキングまで実践的なカリキュラムが行われた。周りの子はSSWとして活動している子がほとんどだったが、正直自分にはまだあまり将来のイメージがついていなかった。レーベルの方に「あなたは何がしたいの?」と聞かれた。その言葉にわたしは何も答えられなかったのを覚えている。

SW!CHのメンバーに

少し遅れて、今所属しているSW!CHの一次審査通過の連絡がきた。二次審査の日が沖縄旅行に行く予定の日だった為、行くのを止めようと思っていた。しかし、台風で飛行機が欠航になり旅行が延期になった為、審査会場に行くことにしたのを覚えている。いま思えば運命だったのかもしれないと思う。

二次審査では当時ハマっていたAimerの「今日から思い出」を歌った。アイドル曲とはかけ離れた暗めの曲だったこともあったのか、急遽乃木坂46の「君の名は希望」も歌った。緊張して何を話したかはあまり覚えていない。

結果は見事合格。「アイドルになりたい!」っていうよりも「なんか面白そうだから挑戦してみたい!」という思いが強かったと思う。

そこから、お披露目ライブに向けてのレッスンが始まった。ダンスが本当に苦手だったので、振りを覚えるのも習得するのもかなり苦労したが、全てが新鮮でとても充実していた。

そして2018年12月6日、SW!CHとしてデビューを果たした。アイドル人生の幕開けである。ところが……

(アイドルになってから今までのお話はまたお話しようとおもいます。)

終わりに

わたしの人生のなかで音楽は切っても切り離せないものです。すきなもの・ワクワクするものを追いかけていたら、いつの間にかアイドルになっていました。

すきなことを続けられる環境は当たり前ではないし、自分は応援してくれる周りの人にも環境にも本当に恵まれているなあと日々実感します。

いつまでアイドルでいるのかもわからないし、いつか職業や肩書きが変わる日がくるかもしれません。

でもわたしはどんな形であれ、音楽に関わるエンターテインメントに関わっていきたいな、と思っています。そして、わたしを応援してくれる人皆と一緒に、まだ見ぬ景色を見られたら、と願っています。

せっかくわたしに興味を持ってくれたのに、わたしの力不足で楽しませることができず疎遠になってしまった人も、もっと素敵なエンタメに出会って幸せになってほしいし、いつかまたどこかのタイミングで巡り会えたらいいな、と思っています。

今だからいえること。経験しなきゃわからなかったこと。沢山たくさん後悔して、悩んで、泣いて、この期間に沢山自分に向き合ってみました。やっと書けました。公開する覚悟ができました。

アイドル、としてだったらすべてをさらけ出しすぎなのかもしれないけど、これがわたし。
せめてこのnoteを読んでもらえるくらいわたしの事をすきでいてくれるひとにはありのままを知ってほしい。

アイドルとしての「AnN」も、「わたし」もすべてをさらけ出して、仕事にも、みんなにも、自分にも、真っ直ぐ生きていきたいです。

諸行無常の世だけれど、運もご縁も大切にして、いつかくる別れに後悔がないように生きたいなあ、としみじみ思います。

そんな気持ち!長い文章、最後まで読んでいただき有難うございました。

あんな




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