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生きる場所の選び方

就活生の女の子のツイートを読んで、新卒の就活と去年の転職活動を思い出していた。

https://twitter.com/hkkuet20vybkgx8/status/1132361627045515264?s=12

Twitterに纏めたのはこの内容だ。

https://twitter.com/tweetssb/status/1135162084826669056?s=12
https://twitter.com/tweetssb/status/1135162087020216321?s=12
https://twitter.com/tweetssb/status/1135162088693805057?s=12
https://twitter.com/tweetssb/status/1135162090505687040?s=12

新卒の時は、アルバイトで経験してきた接客業を目指していて、まあ当時は若者だったので、然程悩まなかったような気がする。ただ、一つだけ異常に記憶に残っている面接がある。

そこは京都の求人広告の代理店の会社で、営業職の募集だった。それをやりながら、京都の町のプランニングや分析みたいなこともやっていて、興味をもって応募した。
面接で『あなたはある船の船長で、100人の船員とともに航海をしています。ある時、誰か1人分の重さを減らさなければ船が沈む状況になりました。あなたはどうしますか』という質問をされた。
私は就活向きの答えなんて全く考えられなくて、悩んで悩んで悩んだ挙句、「船員に後を任せて自分が降ります」と答えた。

面接官は「僕なら誰か1人を殺してでも99人と船を守る。それが船長の責任だ。船長なのに自分が下りるなんて、あなたは無責任ですね」と言われた。

それこそ、目の前が真っ暗になった。
え?それは無責任なの?だってどうやって殺す相手を選ぶの?殺された人の家族はどう思うの?殺されなかった人はどんな気持ちでいたらいいの?殺した自分の心はどうしたらいいの?そんな事になる位なら後の人達がうまくやってくれる事を信じて自分がその役を下りることが、そして、そこに、想いを馳せることが、そんなに無責任なの…?
あんまりもうその後のことは覚えていないけど、頭がぐちゃぐちゃになって面接中に泣いてしまい、「面接中に泣くのは良くない」と言われたような気がする。うん、それは分かる。冷静ではないもんな。
でもそんな人間にならなきゃ社会人にはなれないの?

大好きな京都の町屋の横を、ぐしゃぐしゃに泣きながら歩いた。途中、知り合いのお姉さんと偶然に会って、でも無理やり泣き止んで挨拶して、お姉さんの心配を押し殺させて別れた事を、まだ覚えている。その後、勿論不採用通知を受け取った。

就職してからこれまで、時々この事を思い出す。
まあ側面として、面接官の言葉を全面的に否定も出来ない。それはそれなりに社会人としてやってきて、そういうこともあるかもしれないと感じた場面もあったからだ。だけど、私はやっぱりその思想を好ましくは思えない。こっちから願い下げだよ。

要は"その会社と私は合わなかった"という話。「就活は選ばれる者と選ぶ者ではなく、あくまでマッチング」と、転職活動の折、ハローワークの方に何度も言われたけど、本当にそうなのだ。

転職して、こないだやっと半年が過ぎた。
前職の飲食業から業種も業界も全くの未知、これまでやってきたことは端々程しか役に立たない所にいる。最初の数ヶ月は頭痛胃痛やズタズタの自尊心と闘う日々が続いたが、漸く少し落ち着いた。そうなるに至る努力もしたと思うが、それ以上に職場の空気はどちらかというと合っているのだと思う。60%くらいはそう思う。少ないだろうか。でもそのくらい合うと感じられるのなら僥倖なのではないだろうか。友達でも家族でもない人と、利害関係で繋がる中でそのくらいしんどくないなら。
あと幸い、職場の人はいい人が多い。これは面接のその日と、合否の電話の時に感じたことだ。転職活動でこちらも幾らか企業を見てきたわけで、その直感は馬鹿にできない。そして飲み会などで聞く上司のポリシーは、その時の直感を裏切らない。良かった。

だから就活生の皆さん、今から仕事について考える皆さんには、やりたいことや将来性も大切なんだけど、自分の価値をよく知ってほしい。あなたが、あなたとして生きていける場所を追求してほしい。あなたが信用できそうだ(信用してもいい、くらいでもいい)、好きだな、好きになれそうだなという人と働いてほしい。大抵の場合、仕事しないと生きていけないから、仕事を選ぶのは生きる場所を選ぶことと似ている、と言えると思う。

因みに先の話にはオチがあって、件の面接の会社に知人が入社し、優秀なのでめちゃくちゃ好成績を残したものの、無茶苦茶な業務分掌とブラックそのものの勤務形態により心身を壊し、退職している。知人が営業をやっていることは知っていたが、まさかその会社で、そんな顛末があったなんて知らず、彼女が転職してから数年後にその事実を知った。会社の方針があまりにも面接の時の言葉通りで、驚愕と納得が交互に来た。知人が辞めて、また自分の場所を探してくれてホッとした。

もし心に届くものがあったならお願いします。頂いたお心は自分の成長に充てられるものに使わせていただきます